妊娠10ヶ月のお腹の大きさ・状態

妊娠10ヶ月になると、お腹の大きさはさらに目立ち、みぞおちの高さまで膨らみ少し下がり始めます。これは、赤ちゃんが産まれる準備で骨盤の中に入ってくるため。胃がムカムカしたり、呼吸が苦しかったり、心臓がドキドキしたりといった症状は楽になってきます。
妊娠10ヶ月、赤ちゃんが骨盤内に下がることで膀胱が圧迫され、トイレに行く回数が増えます。膀胱炎や腎盂腎炎を予防するためにも我慢しないようにしましょう。便秘にもなりやすいので、水分をこまめに補給してください。
また、足の付け根が痛くなることがあります。無理せず休みながらストレッチをして、血流を良くしましょう。
妊娠10ヶ月のお腹の赤ちゃんの大きさ・体重
妊娠10ヶ月のお腹の赤ちゃんの身長は約50cmで、体重は約3000g前後になり、すっかり新生児と同じくらいの大きさです。脂肪は体の約15%を占め、皮膚はピンク色で赤ちゃんらしくなります。
外の世界でも生きていけるよう全身に水分と、活動エネルギーになる糖分を蓄えます。これが「赤ちゃんは3日分の水筒とお弁当を持って産まれてくる」、と言う由縁。
通常お腹の赤ちゃんは腕を胸の前にクロスし、足は体育座りのような形で小さく丸くなり、頭が下向き、顔はママの背骨側を向いています。それ以外の体勢の場合は、分娩方法を医師と相談することになります。
妊娠10ヶ月の入院準備

出産予定日に産まれる赤ちゃんは、全体の5%くらいと言われています。予定日から3週間前~2週間後、つまり妊娠37週~41週の間は正産期といって、いつ出産しても大丈夫な期間。
その期間内であれば、予定日よりも早い、遅いと心配する必要はありません。ゆったりした気持ちで赤ちゃんの産まれてくるタイミングを待ちましょう。
妊娠10ヶ月に確認する出産の段取り
妊娠10ヶ月に入ったら、出産する病院に連絡するタイミングを確認しておきましょう。陣痛の間隔、破水、急な痛みや出血など、どんなときに連絡すれば良いのかを聞いてください。
名前、診察券の番号、妊娠週数、出産経験の有無など最低限必要な事はメモをしておき、見ながら電話できるようにしておくと焦らず便利です。
入院するときの交通手段や家族との連絡方法、病院のどこから入って、誰に声をかけるのかなど具体的な事も確認しておきましょう。
妊娠10ヶ月は赤ちゃんの部屋づくりを
妊娠10ヶ月になったら、自宅の準備も確認しておきましょう。赤ちゃんが過ごす部屋、眠る場所は安全か、もう一度チェックしてくださいね。
SIDS(乳幼児突然死症候群)を予防するために、寝具は硬めのマットを、枕は高すぎないものを準備しましょう。赤ちゃんの顔を確認できるように、真っ暗にならない程度の明るさを保つ工夫も大切。
また、ベビーモニターはおすすめ。赤ちゃんが眠っているときに、家事やお風呂、食事、掃除などで離れることがありますよね。ベビーモニターがあれば離れていても赤ちゃんの様子が確認でき、ママの負担や不安が軽減されます。
産まれた後は、ちょっとした不安が大きなストレスにつながるもの。赤ちゃんもママも安全に、安心して過ごせる環境を準備しておきましょう。
妊娠10ヶ月の食事・栄養-塩分を控えて
妊娠10ヶ月の時期、胃のあたりがすっきりして食欲が増すママが多いので、今まで通りバランスのとれた食事を心がけましょう。むくみやすいので、塩分は控えめに。
全身がむくむ、頭痛がする、吐き気がするといった変化があれば、病院に連絡しましょう。産後、母乳が出やすいように水分補給をしっかりし、根菜類などの血液がサラサラになる食材もおすすめです。
出産に必要な筋肉を鍛える運動もカロリーの消費に役立ちます。1日30分〜1時間程度のウォーキングはおすすめです。家の中であれば、床やクッションの上に座り、足の裏を合わせ、股関節を広げるストレッチもおすすめ。
また妊娠10ヶ月、スクワットも出産に必要な筋肉を鍛えるのに最適です。足を大きく広げ、お尻と膝が同じ位置になるくらいまでゆっくり腰を落とします。
3秒くらいその体勢を保持してからゆっくり元の姿勢に戻ります。膝に負担がかかるので、壁や椅子の背もたれに手を当てながら行ってください。床の雑巾がけも筋肉が鍛えられおすすめ。頑張りすぎず、休みながらやってくださいね。
妊娠10ヶ月に医師に聞くこと-妊婦健診でのNST
妊婦健診では、NST(ノンストレステスト)といってママのお腹にベルトを巻いて赤ちゃんの心拍と腹の張りを確認する検査が始まります。20〜40分くらいかかります。医師はこの検査で赤ちゃんの元気度を判断しますので、結果を聞いてみましょう。
妊娠10ヶ月に入ると前駆陣痛といって、本格的な陣痛になる前に痛みを伴うお腹の張りがあるかもしれません。何日も続き、出産前に疲れてしまうママもいます。休める時には横になってリラックスしたり、眠ったりして体力を温存しておきましょう。
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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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