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2024.08.09
赤ちゃんが泣かないのはなぜ?おとなしい新生児は病気・発達障害?
赤ちゃんは泣くものだと身構えていたのに、「我が子はあまり泣かないかも?」と逆に心配してしまうママもいるようです。特に新生児期にあまり泣かないと、「何か異常があるのでは?」と不安になってしまいますね。今回は、新生児の赤ちゃんが泣かない場合に考えられる理由や、泣かない赤ちゃんのお世話のコツについて解説していきます。
目次
新生児・赤ちゃんが泣かない理由は?
新生児からの赤ちゃんがあまり泣かない理由を考えましょう。
理由1. よく泣く時期がまだ始まっていない
これまでの研究 により、赤ちゃんにはどのような関わり方をしたとしても、持続する「泣き」が生後2週~3週頃から始まり、生後1ヶ月~2ヶ月でピークとなり、生後3ヶ月頃まで続くことが分かっています。
中にはこうした「泣き」が、生後5ヶ月~6ヶ月まで続く子もいます。新生児期の赤ちゃんがあまり泣かない場合、まだよく泣く時期が始まっていないだけかもしれません。
理由2. 快適で泣く理由がない
赤ちゃんが泣くのは、何かを訴えるサインです。まだ言葉にできないので、泣くことによって伝えます。特に空腹や不快感を訴えて泣くことが多いですよね。
ちょうどよいタイミングで授乳、おむつ替えをしてもらっていると、不快に感じることが少なく、泣く理由がないのかもしれません。ママが赤ちゃんにピッタリのタイミングで、お世話ができているということですね。
理由3. もともとあまり泣かないタイプ
生まれつきよく泣く赤ちゃんもいれば、あまり泣かない赤ちゃんもいます。個人差があるので、他の赤ちゃんと比べて心配し過ぎないでくださいね。また、この時期に泣かないからといって、将来ずっとおとなしいわけでもなさそうです。
赤ちゃんが泣かない!病気と自閉症の可能性
赤ちゃんがあまり泣かないと、自閉症などの発達障害やサイレントベビーを心配するママもいるようです。心配される病気や、発達障害の可能性について解説します。
自閉症などの発達障害
自閉症の子どもがいるママの約60%が、「新生児の頃によく寝ていた」と実感しているという調査結果があります。このことからも、「あまり泣かない赤ちゃんは自閉症?発達障害なのでは?」と心配になってしまうかもしれません。
しかし実際、2歳より前に発達障害の診断をするのは難しいこと。なぜなら、発達障害には様々な要素が関わっているためです。周囲との関係に変わったところ、また発達がアンバランスなところがないかなど、総合的に見て診断します。
そのため新生児の段階で「泣かない」という特性だけを見て、発達障害を疑う必要は全くありません。成長の過程で、発達面やコミュニケーション面での不安がある場合、乳児健診などで相談してみましょう。
サイレントベビー
静かで泣かない、笑わない赤ちゃんを表現する「サイレントベビー」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。「サイレントベビー」は医学用語ではなく、小児科医の柳澤慧氏がご自分の著書の中で用いられた言葉です。
その言葉のイメージから、「おとなしい赤ちゃんは将来大変なことになるの?」と極度に心配するママもいるようです。
確かに赤ちゃんとの触れ合いはとても大切で、赤ちゃんが出すサインを一切無視して育てるならば、発育や発達に悪影響が出ます。しかし、それはネグレクトのような極端な場合です。
赤ちゃんの要求に対し、毎回すぐに応えなければならないという意味ではありません。おとなしい赤ちゃんがよくないという意味でもありません。きちんとお世話を受けている赤ちゃんがおとなしい子だとしても、それはいわゆる「サイレントベビー」とはまったく違うので、心配はいりません。
黄疸
黄疸とは、白目や皮膚が黄色っぽくなる症状のことです。生理的な黄疸は、すべての新生児に多かれ少なかれみられます。原因は、赤血球が壊れてできるビリルビンの処理能力が未熟なことです。
生理的黄疸は生後2~3日から見られ始め、普通は7~10日くらいまでに消えていきます。
黄疸が強く出ると、あまり泣かないことがあります。中には、治療が必要な病的な黄疸もあります。
・退院後に黄疸がひどくなってくる
・白い便、薄い色の便が出る
・黄疸が長引く
このような場合には、かかりつけの産科医や小児科医に相談しましょう。
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✔サイレントベビーとは本当にある?特徴は?原因と対処法を正しく知ろう
✔【医師監修】新生児がよく寝るのは黄疸・病気?寝すぎるときは起こす?
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《アンケート》赤ちゃんがあまり泣かないことはあった?
赤ちゃんがあまり泣かないと、元気がないのかと不安になってしまいますね。先輩ママに、「うちの赤ちゃんはあまり泣かないな」と思うことがあったかどうかを聞きました。
「よくある」と答えた人が26%、「たまにある」人が35%という結果です。あまり泣かない赤ちゃんをお世話した、先輩ママの体験談を紹介します。
「おだやか&おとなしい性格」
- 息子は、新生児の頃からあまり泣かない赤ちゃん。生後6ヶ月を過ぎても、お腹が空いたときとおむつが濡れたときに少しぐずるくらいで、あまり泣かない。静かに起きて、静かに寝ています。発達に何か問題でもあるのかと心配だったが、とても順調に成長を感じている。少しずつ喃語が出てくると、とてもたくさんおしゃべりしてくれて、単に穏やかな性格なのだなと思う。
- 新生児から寝付きも寝起きも良すぎ。振り返ったらいつのまにか起きてニコニコしていて、全然気づかなかったことも多々ある。お腹が空いたときもあまり泣かず、指を吸っていたりする。「あれ、ミルク飲んでから4時間経ってる…」となるので、授乳間隔があきすぎないように注意が必要だった。
「居心地が良ければ泣かない」
- とにかくおっぱいが大好きなわが子。泣きそうになっても母乳さえ与えればすぐに泣き止んでくれる。空腹で飲みたいわけではないので、数分吸っていたらたいていご機嫌に。私にとってはすごくお世話しやすいが、パパや家族はおっぱいという武器がないので大変!
- お気に入りのベッド&愛用のタオルケットがあればほぼ泣かない。
「初めは泣かなかったが今は別人のよう」
- 生後3ヶ月まで、まったく泣かず心配した。よく寝るし本当に手がかからなくて、正直「赤ちゃんのお世話ってこんなに楽で大丈夫?」と思うほどだった。しかしその後は突然自我がめばえたのか、毎日泣いて泣いて大変!離乳食も寝かしつけもベビーカーも、すべて泣かれてぐったりした。泣かなくて心配したのが懐かしい…。
泣かない・おとなしい赤ちゃんのお世話のコツ
あまりぐずらない、おとなしい赤ちゃんのお世話のコツを紹介します。
授乳やおむつ交換は時間を決めて
泣いて要求しない赤ちゃんには、時間を決めて授乳してあげましょう。新生児の場合は3時間おきが基本ですが、赤ちゃんによって授乳間隔や飲む量は異なります。
口を開けて乳首を探ったり、手や指をしゃぶったりというサインを出してくれることもあるので、赤ちゃんをよく見て、サインを受け取ってあげましょう。泣かないからと授乳間隔があきすぎないよう、気を付けてあげてください。
おむつの交換も、2~3時間に1回は確認してあげましょう。最近のおむつは性能がよく、赤ちゃんがさほど不快に感じないため、おむつが濡れていても泣かないのかもしれません。
ふれあいを大切に
赤ちゃんが泣かないからといって、放っておいていいわけではありません。授乳の前後など赤ちゃんが起きていれば、抱っこして話しかけ、歌うなど、ふれあいの時間を持つようにしましょう。ママとのふれあいは、赤ちゃんに安心感を与え、発達のために大切な刺激にもなります。
また、もし発達に異常がある場合も、赤ちゃんが無表情であるとか、目が合わないなどの違和感に気付きやすくなります。
不安なことは乳児健診で
赤ちゃんのお世話や発育において心配事がある時は、乳児健診の際に伝えてください。母子手帳にメモをしておくと忘れなくて良いですよ。健診で聞くことができなければ、かかりつけの産科医や小児科医、保健センターなどでも相談できます。
《まとめ》
赤ちゃんがあまり泣かないと、不安になってしまいますね。しかし赤ちゃんにも個性があり、単に不快なことがないだけかもしれないので、泣かないからと過度に心配する必要はありません。気になることがある場合は、乳児健診の際やかかりつけ医に相談してみましょう。
※写真提供:PIXTA
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ママのお悩みの声
1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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