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2023.05.20

赤ちゃんの喃語(なんご)とはいつからいつまで?クーイングとの違い

赤ちゃんが話をしてくれる「喃語(なんご)」はかわいらしく、成長も感じられますよね。ただし同じ月齢の赤ちゃんと比べて喃語が少なかったりすると、悩むこともあるかもしれません。この記事では、赤ちゃんの喃語とクーイングとの違いや、言葉の発達について紹介します。

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赤ちゃんの「喃語(なんご)」とは?「クーイング」との違い

喃語とは

 

赤ちゃんの「喃語(なんご)」とは何でしょうか。近い時期にみられる「クーイング」とは、どう違うのでしょうか。

 

喃語は赤ちゃんが言葉を発する前の段階

喃語とは、赤ちゃんが言葉を発する前段階を表すものです。

「喃」という字には、「しゃべる」という意味があります。喃語は赤ちゃんがしゃべる前の、言葉にならない発声で、一般的には生後5ヶ月6ヶ月頃から始まります。

初めは意味のない「アー」「ウー」といった発声が多いです。月齢があがるにつれて、徐々に舌や唇を使って発声し、子音+母音で話すなどのバリエーションが増えてきます。

 

喃語はいつからいつまで話す?

喃語を話すのは、生後5ヶ月6ヶ月頃からです。

最初は発声の仕方がわからないため、不明瞭に聞こえることが多いです。赤ちゃんが徐々に発声に慣れてくると、はっきりと話すようになります。話し始めの時期は、声の大きさや高さが一定ですが、次第に変化がみられるでしょう。

 

声に抑揚が出てくるのは、これまで聞いてきた音や声を学んで、真似をしていると考えられています。赤ちゃんが喃語を話し始めたら、その内容だけでなく、声の抑揚にも注目してみてください。

生後8ヶ月頃になると、「パ」「マ」のように舌や唇をつけて発する言葉が出はじめます。同じ単語の反復である「ブブブ」「あうあう」なども、話せるようになるでしょう。赤ちゃんの運動機能、唇・舌やのどの筋肉も発達し、様々な音を発せるようになります。

また聴覚も発達します。色々な言葉を聞き、真似するようになり、さらに成長が感じられるでしょう。

 

生後10ヶ月頃からは、徐々に身振りもつけて話しはじめ、1歳前後までは喃語が盛んになります。そして音の高低や強弱をつけるようになり、1歳半を過ぎて言葉がたくさん話せるようになるまで続きます。

 

クーイングとは?

クーイングとは、生後6〜8週頃に見られる、言語ではない音声のこと。赤ちゃんの機嫌のいい時に見られることが多く、ハトの鳴き声のように聞こえることからクーイング(Cooing)と呼ばれます。

 

喃語とクーイングの違いは?

喃語とクーイングはどちらも話す前の段階で、言葉にならない発声ですが、クーイングは喃語の前段階を言います。クーイングは舌や唇を使わず、母音だけの「アー」「ウー」といった発声ですが、喃語は唇や舌を使って「パ」「タ」などを話します。また母音だけでなく、子音も使って話せるのが喃語の特徴です。

 

 

赤ちゃんの言葉が育つステップ

赤ちゃんが言葉を発するまでには、いくつか段階があります。ここからは、赤ちゃんの言葉が育つステップについて紹介しますが、個人差がありますので、参考程度にしてください。

 

ステップ1. 声を発する

まずは、声を発する段階です。最初は泣き声をあげることしかできませんが、赤ちゃんにとって泣くことは大切なコミュニケーションのひとつです。快・不快を泣くことで訴えています。

 

ステップ2. クーイングする

生後1ヶ月3ヶ月頃に、赤ちゃんが徐々に泣き声以外の音を発するようになります。最初はクーイングという、母音だけの音を発します。

クーイングも大切なコミュニケーションのひとつ。クーイングが始まって1ヶ月ほどすると、さらに頻繁に声を発するようになり、言葉の原型となるような「アー」「ウー」など発するでしょう。クーイングは泣き声とは異なり、口やのどが発達するために出る声ですが、まだ言葉にはなっていません。

 

ステップ3. 母音の喃語が始まる

クーイングが始まると、その後生後4ヶ月頃から母音の喃語を発するようになります。

 

ステップ4. 母音+子音の喃語を話す

生後5ヶ月頃になると、よりはっきりと母音を発するだけでなく、「キー」「バー」と子音も話します。子音は唇やのど、舌など口をうまく使わないと発声できないため、赤ちゃんが口全体を調整しながら発するようになった証です。

子音を使った喃語が話せると、生後6ヶ月頃からは「マママ」「タタタ」といった連続した喃語を話しはじめます。

 

ステップ5. 身振りを伴った喃語

生後10ヶ月頃の赤ちゃんはどんどん成長して、上半身や下半身にも筋力がついてきます。そして表情も豊かになり、身振りとともに発声し、自分の意志を伝えるようになります。

この頃は、大人の話や周囲の音を真似する時期でもあります。興味や関心が高まるため、喃語の量は減りますが、音でコミュニケーションをとるようになります。

 

ステップ6. 一語文・二語文を話す

生後1歳頃になると、「ブーブー」「マンマ」など簡単な単語を覚えて発します。

一語文を話す頃には、言葉の意味を理解できています。自分の名前を呼ばれると返事をしたり、欲しいものに手を出して「んー」「あー」と、取ってほしいことを伝えたりします。「どうぞ」や「ちょうだい」といった動作の真似もするでしょう。

 

1歳半〜2歳頃になると、二語文を話しはじめます。「ブーブー いる」「マンマ ある」のように、意味のある単語が2つ続くものです。この頃になると、「イヤ」といった否定的な言葉も発するようになります。

 

 

【月齢別】喃語の例

生後4ヶ月

「あう〜」と2つの母音を並べたように話す

生後5ヶ月

「きー」「ばー」と母音だけでなく、子音も合わせて話す

生後6ヶ月

「ままま」「あうあう」と連続した喃語を話す

生後7ヶ月

「まあまあ」と母音と子音の連続した喃語を話す

生後8~9ヶ月

「ばー」と濁音を含む発声ができる子が増える

生後10ヶ月

喃語はあまり発しないようになり、身振り手振りとともに「あっ」「うー」などと発声し、自分の欲求や意思を伝えるようになる

 

 

赤ちゃんの喃語が少ない・なかなか出ないとき

喃語が少ないとき

 

赤ちゃんの喃語が少ないと、大丈夫かな?と不安に思うこともあるでしょう。喃語が少ないときの関わり方について紹介します。

 

赤ちゃんにたくさん話しかける

まず大切なのは、赤ちゃんにたくさん話しかけることです。多く話しかけることで、喃語を引き出せることもあるため、赤ちゃんの行動に対して「すごいね」と声をかけるだけでもいいですね。

赤ちゃんは大人を観察し、のどや舌を使ってどのように言葉を発しているかを見ています。身近な人がたくさん話しかけることで、真似をして成長できるため、赤ちゃんの見本となってあげましょう。

 

赤ちゃんの喃語に反応する

次に大切なのは、赤ちゃんの喃語に反応すること。喃語はまだ言葉ではありませんが、赤ちゃんにとってコミュニケーションの始まりとも言われています。赤ちゃんが何か声を出したら、「いいね〜」「上手だね〜」と話しかけてみましょう。自分の声に反応があることに喜びを感じて、さらに喃語を話してくれるきっかけになります。

また周囲の声かけや話からも、声の発し方を学びます。赤ちゃんが何かを発したらできるだけ反応してくださいね。

 

赤ちゃんが言ったことを繰り返す

言葉が育つステップで解説したとおり、赤ちゃんは徐々に声を発しながら、言葉を真似て話すようになります。そのため、まずは赤ちゃんの言ったことに反応して、繰り返し声をかけましょう。

赤ちゃんが「あー」「うー」と言えば、ママやパパも「あー」「うー」と繰り返し反応してみてください。自分が発したことや話しかけたことに、相手が返答してくれたという、コミュニケーションの原点が学べます。徐々にママやパパが何を話しているかがわかるようになり、1歳頃には話のほとんどが理解できます。

 

 

赤ちゃんの言葉の発育にまつわる疑問

 

赤ちゃんの言葉の発育にまつわるさまざまな疑問に、医師が答えていきます。

 

Q. 赤ちゃんの発育が心配なときの相談先は?

赤ちゃんの発育が心配なときは、地域の保健センターにいる保健師や保育士などに相談しましょう。健診で相談しても大丈夫です。かかりつけの小児科があれば、予防接種のタイミングなどで小児科医に相談してもいいでしょう。

 

Q. 大人も赤ちゃん言葉で話したほうが発達にいい?

赤ちゃん言葉を使って話すことには批判的な意見もあり、どう話しかけるか悩む人もいるでしょう。

大人が赤ちゃん言葉で話しかけた方が、赤ちゃんの言葉の発達に良い影響があり、より早く、多くの言葉を覚えたという研究があります。赤ちゃんの話した言葉をそのまま返したり、笑顔で話しかけたりすることで、コミュニケーションがより図られるのです。赤ちゃんの反応がよくなる場合が多いので、赤ちゃん言葉で話かけてあげましょう。

 

Q. 喃語が多すぎる!反応するのに疲れた時はどうする?

赤ちゃんが一生懸命に話をしているのはかわいいですが、ずっと話をしていたら、どうしたらいいのか、いつまで反応したらいいのかと悩むでしょう。ママは疲れてしまうこともあるかもしれません。

もし疲れたときは、5分や10分など短時間でもいいので、少し赤ちゃんから離れてください。「トイレに行くね」「ちょっとお隣のお部屋に行くね」と伝えて、少し離れて1人の時間を作ると気持ちが落ち着くことがあります。

他にもおもちゃで遊んでもらって、おもちゃに話しかけてもらったり、買い物や散歩に出かけたりするのもいいでしょう。

 

ママは1人の時間を、短時間でも作ることが大切です。どうしても難しい場合は、児童館や子育て支援センターなど、他の人がいるところへ子どもを連れて行ってもいいでしょう。

 

Q. テレビや動画を見せすぎるのはよくない?

子どもが静かにしてくれるからと、テレビや動画を見せることがあるでしょう。テレビや動画を長時間見せると、子どもの言語発達の遅れが見られると言われています。

日本小児科学会やWHOでは、0歳は0分、1歳以上でも1時間未満が目安と提言しています。家事の間など、短時間であれば問題ありませんが、長時間にならないようにしましょう。

 

 

《まとめ》

 

喃語やクーイングでたくさん話をしてくれると、赤ちゃんの成長を感じられますよね。一方で、あまり喃語を話さないと、同じ月齢の子と比べて遅いのでは、と不安に思うかもしれません。話し始めが多少遅くても、その後の言葉の発達に大きな影響はありません。子どものペースを見守りながら、たくさん話しかけてあげましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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