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2020.12.25
【産科医】妊婦の尿漏れの原因とは!軽いトレーニングで予防しよう
妊娠してから尿漏れが!くしゃみや咳をした時、大笑いした時にも。実は妊婦さんみんなが悩んでいるのです。なぜ尿漏れしてしまうの?尿漏れは防げるの?ここではその原因や予防策を見ていきましょう。
目次
妊婦さんが尿漏れしてしまうのはなぜ?
尿漏れは、妊婦さんの約1/3が体験するといわれています。早ければ妊娠初期から、長引いて産後も尿漏れに悩まされるママもいます。
どうして妊娠中は尿漏れしやすいのでしょうか。原因は主に2つあります。
ホルモンの影響で骨盤底筋群が緩む
骨盤の内側には、ハンモックのように子宮や膀胱を支える、骨盤底筋群という筋肉があります。
妊娠中はエストロゲンやプロゲストロン・リラキシンなどのホルモンの分泌が多くなることで、骨盤と骨盤底筋群が緩みます。
この筋肉は膀胱の入り口をきゅっと締める働きもありますので、緩むことで尿漏れが起こるのです。骨盤と骨盤底筋群が緩む理由は、出産に向けて赤ちゃんの通り道が広くなるように体が変化しているためといわれています。
赤ちゃんの成長で膀胱が圧迫される
赤ちゃんが成長して大きくなることで、妊婦さんのお腹(子宮)はどんどん大きくなります。
子宮の重みで膀胱が押され、ママのちょっとした動きでも尿漏れが起こります。特に、赤ちゃんの体重増加が加速する妊娠後期には頻繁になることが多いようです。
産後にも役立つ!妊婦さんの尿漏れ予防策
恥ずかしくて誰にも言えない尿漏れ。臭いが気になる、外出してもそわそわしてしまう、人と会うのも辛い、というように毎日を楽しめなくなってしまうのは嫌ですね。
妊娠中だけでなく産後に悩まなくても良いように、今から予防できることをしていきましょう。
尿漏れ予防1. 骨盤底筋群のトレーニング
骨盤底筋群は筋肉ですので、鍛えれば引き締まります。骨盤底筋群のトレーニングは医学的にも効果があるといわれており、推奨される方法のひとつです。
妊娠中は切迫早産などの危険もあるため、激しいトレーニングではなく妊婦体操のひとつとして取り入れると良いですね。
●ケーゲリング
1.仰向けになり、膝をたて、肩幅に足を開き、両手は自然に腰の横に置きます。
2.全身の力を抜いて、肛門だけを引き締めます。
3.息を吸い、吐きながらお尻、肛門、下腹部の順に引き締め、背筋力を使って腰を持ち上げます。
4.浮かした腰を両手で支え、そのままひと呼吸します。
5.息を吸って吐きながら、背骨の上の方から順にゆっくり腰を下ろして、リラックスします。
●あぐら
1.あぐらをかき、両手は軽く膝の上に置きましょう。
2.息を吐きながらお尻、肛門、下腹部の順に引き締め、背筋を伸ばし腰から前に倒れます。
3.息を吸って吐きながら両手で膝を押し、一呼吸して吐きながら元に戻ります。
●猫のポーズ
1.両手両足は肩幅くらいに広げ、膝をついて、四つ這いになります。
2.息を吐きながら、お尻、肛門、下腹部の順に筋肉を引き締め、おへそを見ながら背中を丸めます。
3.息を吸って吐きながら下腹部からお尻に向かって緩め、元の体勢に戻ります。
無理せず長く続ける
骨盤底筋群のトレーニングは、続けて3ヶ月くらい経つと効果が実感できるといわれています。無理をせず、最初は1ポーズを3~5回、1~3分程度から始めて、少しずつ回数や時間を延ばしていきましょう。
ただ、お腹が張る、お腹や腰が痛い、出血があるなどの症状があった場合はすぐに運動をやめて、横になって休みましょう。
安静にしても症状がおさまらない場合は、かかりつけの産科医に連絡しましょう。
尿漏れ予防2. 骨盤ベルト
骨盤をベルトで締めることで固定し、骨盤底筋群のサポートをすることで尿漏れを予防します。妊婦さんに適したベルトは種類も豊富にありますので、好みのものを選んでみましょう。
装着の仕方にコツが必要なベルトもありますので、妊婦健診の時などにベルトを持参し、正しい装着方法を助産師に聞いてみると良いですね。
産後でも利用できるベルトは、出産直後の歩行や起き上がりや立ち上がりをサポートしてくれますし、赤ちゃんの抱っこも楽になりますので、長く使えてとても便利です。
ベルトの装着が難しいと感じるママは、ほどよくサポート力がある妊婦用のガードルを履いてみるのもいいですね。
また、昔ながらのさらしは、骨盤のサポートだけでなく、お腹全体を温めたり守ってくれたりしますし、お腹の大きさに合わせて巻けるので、常にフィット感があっておすすめです。
ただ、ベルトに頼ったままだと骨盤底筋群が衰えてしまいますので、トレーニングも行い筋力をつけると良いでしょう。
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おすすめ情報
おすすめしたい妊婦さん向け尿漏れケア用品
尿漏れ対策として生理用ナプキンをあてているママもいますが、用途が違うため長時間つけていると皮膚のトラブルにつながる場合もあります。尿の臭いを抑え、カバーする容量も適した尿漏れケア用品を活用しましょう。
吸水ケアという表現でパッケージのデザインも生理用ナプキンに近く、周囲にもわからないように配慮されていますので購入しやすいですよ。
また、薄いライナーになっているものもありますし、おむつタイプのものでも薄くデザイン性のあるショーツタイプもありますので抵抗感なく使用できます。
《まとめ》
ホルモンの影響や子宮が大きくなることで起こる妊娠中の尿漏れ。
骨盤底筋群トレーニングや骨盤ベルトなどのサポート製品、もし尿漏れしても安心な吸水ライナーなどを活用して、気持ち良く妊娠期を過ごせると良いですね。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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