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2023.10.16

「産後の無理は一生祟る?」無理するとどうなる?【助産師監修】無理のない過ごし方

「産後はしっかり寝て休むべき」「産後は無理してはダメ」などと、一度は聞いたことがあるでしょう。「産後の無理は一生祟る」という言葉がある通り、出産を終えた時期の生活はその後に響いていきます。今回は、産後の無理のない過ごし方について学んでいきましょう。もし無理をすると将来どのような影響があるのか、助産師が解説していきます。

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「産後の無理は一生祟るって」本当?無理するとどうなる?

産後に無理をすると

 

多くの妊産婦さんは、「産後の無理は一生祟る」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。「産後の肥立ちが悪くなる」とも言われますね。

出産を終えた身体には、交通事故に遭ったくらいの衝撃と傷が残っています。交通事故の怪我にも後遺症が残ることがあるように、産後に無理をしてしまうと、その後も長く体調を崩しやすくなります。

では具体的に、無理するとどのようなことが起こるのか、見ていきましょう。

 

身体を壊す

出産した身体は、交通事故に遭ったくらいの衝撃を受けています。産後6~8週間は「産褥期」といって、ママの身体の回復を優先する時期です。このときに身体を休めて体力を回復させておかないと、傷の治りや悪露、痛みが長引いてしまいます。

産後は3時間毎の赤ちゃんへの授乳で、思うように寝ることができません。休めるタイミングはしっかり休息するようにしましょう。

 

メンタル面の不調

産後はホルモンバランスが不安定。ママの精神状態も、ジェットコースターのように変化していきます。体調が元に戻っていないなか、睡眠不足と慣れない赤ちゃんの世話もあり、意識的に休息をとらないと疲れがどんどん溜まってしまうでしょう。

 

疲れているにも関わらず、頑張りすぎてしまうとメンタル面の不調を来すことがあります。代表的なものが産後うつ病です。産後うつ病は、全出産数の10~15%に起こると言われています。周囲や産後のサービスをたくさん頼って、1人で頑張りすぎないようにしましょう。

 

更年期に影響を及ぼす

産褥期に無理をしてしまうと、更年期に影響を及ぼすといわれていますが、実ははっきりとした因果関係はありません。ただし産褥期の無理な生活は、子宮脱や直腸脱、婦人科系疾患や尿漏れなどの障害を引き起こすことにつながります。骨盤体操や骨盤ケアをして、骨盤底筋を鍛えていくといいでしょう。

 

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産後に安静にするべき期間

産後の安静期間

 

産後に安静にしておくべき期間は、産後6~8週です。

ママは子宮の中で10ヶ月もの間、赤ちゃんを育ててきました。アーモンドくらいの大きさだった子宮は、20~30倍くらいになっています。その大きくなった子宮が他の臓器を圧迫して、それら臓器が通常ではない位置に押し上げられてしまいます。

 

骨盤も広がり、骨盤を支える靭帯が伸び、骨にも大きく負担がかかることがあります。出産が終わると、靭帯を緩めるホルモンも激減して、交通事故で全身をケガしたような状態といわれるほど。

このように産後6~8週間は、身体を回復させる大切な時期です。

 

 

産後やらない方がよいこと

産後の生活で、できるだけ控えることを解説します。

 

1. 激しい運動

産後のたるんだ体型を元に戻したいと、ダイエットを始めるママも多いです。しかし産後1ヶ月間、激しい運動は絶対にしてはいけません。出産によって靭帯が伸びきっているため、骨盤に負担がかかる運動は避けましょう。

 

産後1ヶ月は赤ちゃんのお世話、そしてとにかく身体を休めることに意識を向けてください。そして1ヶ月検診で子宮の戻りに問題がなければ、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動を少しずつ始めていきましょう。

体力を使うような激しい運動は、産後3~4ヶ月まで控えましょう。

 

2. 重いものをもつ

産後は「赤ちゃんより重いものを持ってはいけない」と、昔からよく言われています。つまり、腹圧がかかるほど重いものは持たないのがいいということ。

産後ママの身体は骨盤底筋が伸びきっていて、身体を支える骨盤もぐらぐらです。腹圧がかかると子宮や膀胱などの内臓が不安定となり、尿漏れ・子宮脱・直腸脱などの原因となってしまいます。「自分は大丈夫」と思っていても、絶対に無理しないようにしましょう。

 

3. 喫煙・飲酒

喫煙は赤ちゃんにとって、有害でしかありません。

SIDS(乳児突然死症候群)の危険因子のひとつに、喫煙があります。非喫煙の両親に比べて、SIDSの可能性は4.7倍も上がるとも言われています。

喫煙によるニコチンが母乳に移行すると、赤ちゃんが興奮状態になり、眠りが浅くなって、ニコチン中毒にもつながります。ママは喫煙していなくても周囲の人が吸っている場合は、同等のリスクがありますので注意しましょう。ママはもちろん、喫煙中のパパも禁煙するタイミングです。

 

また飲酒に関しても、アルコールが母乳に移行して、赤ちゃんの発達と発育を妨げることが明らかになっています。母乳育児中の飲酒は避けて、卒乳・断乳後の楽しみとしましょう。

 

4. 水仕事

産後の水仕事は、身体を冷やすことに繋がります。産後はホルモンの影響で冷えやすいため、血流が悪くなる傾向にあります。血流が悪化すると、産後の回復も遅れてしまうため、できるだけ水仕事は避けましょう。水仕事をするときは、お湯を使用すると身体を冷やさずに済みます。

 

5. 目を酷使する

産後はホルモンバランスの乱れや寝不足、ストレスで、疲れやすい状態です。

育児にまつわる迷いや悩みは、ネットで調べることも多く、ついスマホを見てしまうママもいるでしょう。目を酷使すると、頭痛や身体の不調につながることがあります。情報過多によるストレスにもなるため、できるだけ目を休めるようにしましょう。

 

 

産後に無理しないようにできること

産後はとにかく、無理をしないことが大切です。人に頼ることを覚えて、サポートを受けながら過ごしましょう。

 

家電を上手に活用する

新たな三種の神器といわれている「ドラム式洗濯乾燥機」「食洗機」「お掃除ロボット」は家事を助けてくれます。すべてを購入するのは難しくても、食洗機やお掃除ロボットはレンタルも可能です。

赤ちゃんが小さい時期のみ、レンタルするという方法もありますよ。その他にも時短につながる圧力鍋なども、検討してみるとよいですね。

 

家事代行サービスを活用する

家事をすべてやろうとすると非常に負担が大きく、さらには慣れない赤ちゃんのお世話や睡眠不足により、ママは余計に疲れてしまいます。たまには、民間の家事代行サービスを利用するのもいいでしょう。 

自治体が提携することで、負担感の少ない料金で家事支援サービスを利用できるケースも増えています。作り置きや買い出し、掃除などをやってくれるため、家事へのストレスがぐっと減ります。ママの休息時間を確保するため、家事代行サービスを一度利用してみてください。

 

家事代行サービス

 

ネットでの買い物を活用する

小さい赤ちゃんを抱えての買い出しは、非常に大変です。産後のママの身体は免疫が下がっていて、感染症の危険性も考えられます。重い荷物も持ってはいけない時期です。家族に買い出しに行ってもらったり、ネットショップやネットスーパーを使用するとよいでしょう。

 

宅配食を利用する

赤ちゃんのお世話をしながら、食事を作るのは非常に大変です。赤ちゃんが寝ているときも大きな音を立てられず、すぐに泣いて起きるので集中して作れません。

身体を回復させるためには、栄養バランスのとれた食事が必要不可欠です。宅配食を利用すると、栄養バランスの良い食事を届けてくれるので、非常に助かりますよ。

 

人に頼る

自分だけが頑張るのではなく、人に頼ることも大切です。実母やパパ、ママ友など周囲の人に頼って、ひとりで頑張りすぎないようにしましょう。

 

ソーシャルサポートを活用する

自治体のソーシャルサポートを活用するのもいいでしょう。ファミリーサポートや産後ケアも利用していきましょう。産後ケアは、産後1年間まで活用できるケースが増えてきていますので、必要に応じて活用しましょう。ファミリーサポートも登録しておけば、非常に便利な存在です。

 

 

《まとめ》

 

産後に無理をしてしまうと、一生祟るといわれるくらい身体に負担をかけてしまいます。その影響は、心身、そして更年期にも及ぼすといわれているほど。ソーシャルサポートや周囲の人、宅配サービスなどを活用して、いかに産後を無理なく乗り切るかを考えましょう。身体と心を十分に休めて、これから長く続く育児に備えていきましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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