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2023.08.10
妊娠中に乳首・乳輪がかゆい&痛い!【助産師】原因と正しい対処法
妊娠するとママは、様々なマイナートラブルに悩まされますね。妊娠中の乳首・乳輪のかゆみもそのひとつ。デリケートな部分のため、なかなか言い出しにくいかもしれません。今回は、妊婦さんに起こる乳首のかゆみの原因や、予防法について学んでいきましょう。かゆみをケアする方法もあわせて、助産師が解説していきます。
目次
妊娠中に「乳首がかゆい・痛い」原因とは
妊娠して初めて経験する、乳首・乳輪の痛みやかゆみ。まず、その乳首・乳輪トラブルの原因を説明します。
1. 妊娠による女性ホルモンの分泌
妊婦さんの身体では、妊娠を継続するための女性ホルモン分泌が上昇します。ホルモンの影響で、乳腺、乳管、乳頭が発達し胸の張りや痛みを引き起こします。
2. 授乳の準備
特に妊娠中期から後期にかけては、産後の授乳に向けて乳腺が発達するため、全体的に張りが出ます。そのせいで乳房や乳首が敏感になり、少しの刺激で痛みを感じることもあります。
3. 皮膚の乾燥
季節にもよりますが、妊娠中の皮膚はホルモンの影響で乾燥しやすい状態となります。下着や洋服が敏感な乳首を刺激して、かゆみや痛みを引き起こします。
4. 皮膚の炎症
乾燥をそのままにしておくと、皮膚トラブルに繋がります。乳輪を保護している皮脂腺が減少することでかゆみにつながり、ひどい場合は炎症を起こして痛みを伴います。
5. 清潔が保たれていない
妊娠すると、乳首から分泌物が出ることがあります。それをそのままにしておくと、汚れが溜まって皮膚トラブルのもとにもなります。
6. 病気の可能性
ごく稀にですが、乳がんや乳頭炎などの病気が隠れていることがあります。もしかゆみや痛みが長く続くようであれば、原因を探る必要があります。
妊娠中に乳首がかゆい・痛い時!改善する方法
ここでは、妊娠中の乳首トラブルのケア方法や予防法を紹介していきます。
生活習慣の見直し
妊娠中はつわりや不眠など、マイナートラブルが起こりがち。つわりが治まり食事が摂れるようになったら、生活習慣を見直してみましょう。栄養バランスの整った食事を摂り、睡眠時間をしっかり確保しましょう。
乳首はぬるいお湯で清潔に
妊娠中は皮膚が敏感になっているため、熱いお湯は避けましょう。ぬるめのお湯に浸かる、あるいはシャワーを浴びるなどして、心と身体をリラックスさせましょう。湯船の中で乳首のケアをして、汚れを優しく取り除いてあげてくださいね。
乳首を保湿
妊娠中はホルモンバランスの変化で、皮膚が乾燥しがちです。乳輪周りをしっかりと保湿して、乾燥から肌を守りましょう。バストトップに使用できる、保湿成分の高いものの使用をおすすめします。
乳首には低刺激石鹸を使用
入浴中にバストトップを洗うときは、通常の石鹸ではなく、低刺激のデリケートゾーンにも使用できる石鹸を使用しましょう。
肌に身に着けるものの見直し
下着など直接肌に身に着けるものを、見直してみましょう。素材が肌に合わない場合もあります。妊娠によりサイズアップするので、乳房が締め付けられないようなものを選びましょう。自分に合ったマタニティブラジャーやインナーを探してみましょう。
肌に優しいコットン100%やシルクは通気性も吸水性もよく、妊婦さんにはおすすめです。
おすすめ情報
妊娠中に乳首がかゆい時のNG行動3つ
乳首がかゆい時は、以下のことに気を付けるようにしましょう。
乳首をかきむしるのはNG
一番は、かきむしらないということ。かゆい時はどうしてもかいてしまうかもしれません。しかしかいて傷ができてしまうと、そこから細菌が入り、炎症を引き起こす可能性があります。どうしても我慢できないときは、保冷剤で冷やしてみましょう。
放置するのはNG
かゆみを放置すると、乳がんや乳頭炎などの重大な病気を見逃す可能性があります。かゆみが長期間続く、あるいはひどくなるようであれば、早めにかかりつけの産科医に相談しましょう。原因を探り、対処していく必要があります。
石鹸でごしごし洗うのはNG
乳首を清潔に保つことは大切ですが、使用する石鹸選びは重要です。通常の石鹸は敏感な肌には刺激が強く、かゆみや痛みを悪化させる原因となります。洗う際は石鹸をしっかり泡立てて、ゆっくり優しく洗い、よく洗浄しましょう。
どうしても乳首がかゆい!こんな場合は病院へ
セルフケアをしていてもかゆみや痛みが強くなる場合、早めに産科医や乳腺外科を受診することをおすすめします。また炎症を起こして乳輪や乳頭部が赤く腫れ、出血がある時は要注意です。
乳首の変化には単なるマイナートラブルではなく、大きな病気が隠れていることがあります。病気の発見を遅らせないためにも、症状が継続している場合は病院を受診してください。
どんな治療を行うの?
乳首の炎症が原因でかゆみが起こっている場合は、症状や原因によって、保湿剤、かゆみ止め、ストロイド剤などが処方されます。いったん症状が落ち着いても、またぶり返したり、逆に悪化するケースもあります。
日常生活で原因となるものを排除しながら、必ず医師の指示のもとで治療を受けましょう。
《まとめ》
妊娠中の乳首トラブルは、なかなか相談しにくいかもしれません。しかし放置することで、病気を見逃す可能性があります。まずはセルフケアを行い、症状の変化を見てみましょう。その後ももし症状が継続、悪化するようであれば、産婦人科や乳腺外科がある病院の受診をおすすめします。医師の指示のもと、適切な処置や治療を受けることが大切です。
※写真提供:PIXTA
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監修者
1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。
全国都道府県助産師会の会員にて組織されている。
2012年10月1日から公益法人制度改革により公益法人認定法に基づいて公益性を認定され、公益社団法人として新たにスタート。
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