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2022.09.12

妊婦は飛行機にいつまで乗れる?【助産師】搭乗リスクや航空会社の搭乗規定

妊娠中にも里帰りや帰省など、どうしても飛行機に乗って移動しなければいけない場合があるでしょう。今回はそもそも妊婦さんは飛行機に乗ってもいいのか?いつまで搭乗できるのか?といった疑問にお答えします。妊娠中に飛行機に乗ることのリスクや、航空会社による搭乗規定についても解説していきます。

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妊婦が飛行機に乗れるのはいつからいつまで?

妊婦はいつまで飛行機に乗れる

 

妊娠初期は特に、飛行機での乗り物酔いで嘔吐してしまうと、つわりの悪循環に拍車がかかるので、注意が必要です。

一般的に、飛行機への搭乗自体が流産を起こすことはありません。ただし妊娠初期は安静にしていたとしても、流産の確率が15%程度あると言われています。もし腹痛や出血などの症状がある時は、流産の危険性があり安静にする必要があります。この場合は、飛行機に乗るのは避けましょう。

 

【妊娠中期】体調が安定した妊婦は飛行機に乗ってOK

妊娠中期の妊婦さんは比較的、体調が安定していることが多いです。妊娠12週28週頃までが、飛行機の搭乗には一番適していると言えます。

ただしお腹の張りが多い、切迫早産と診断されている、また前置胎盤などのリスクがある場合は、飛行機に乗ることはおすすめしません。どうしても飛行機による移動が必要な場合は、必ずかかりつけの医師に相談しましょう。

 

【妊娠後期】飛行機は避けたほうが無難

妊娠後期になると、どんどんお腹が大きくなって張りやすいため、飛行機は避けたほうが無難です。切迫早産ではなくても、基本的には乗らないほうがいいでしょう。

妊娠後期、妊娠36週以降で飛行機に搭乗する時は、かかりつけ医の診断書が必要なケースもあります。里帰り出産で飛行機を使う人は、妊娠32週頃までに帰省するといいですね。

 

飛行機で里帰りする妊婦は「妊娠32週」ごろまでに

基本的に妊婦さんが飛行機に乗るのは、妊娠32週頃までがいいとされています。

そのため飛行機で里帰りを考えているならば、少し早めに帰省するのがいいでしょう。就業中の妊婦さんは、職場の上司に相談しましょう。航空券の予約をする際には、妊娠中であることを伝えておくと様々なサービスを受けられます。

産休に入る妊娠34週でも飛行機には乗れます。ただしこの場合、かかりつけの産科医の許可が必要となります。

 

 

妊婦が飛行機に乗るリスクとは

妊婦の飛行機リスク

 

妊娠中に飛行機に乗るリスクには、どのようなものがあるのか知っておきましょう。

 

妊婦が飛行機に乗るリスク1. エコノミークラス症候群

「エコノミークラス症候群」とは、飛行機の狭い空間で長時間座り続けることで発症する、深部下肢静脈血栓症です。妊娠中の身体は分娩に備えて、血液が凝固しやすくなっています。非妊娠時よりも、エコノミー症候群になりやすいとされています。

 

そのため飛行機内では、移動できる時間にトイレへ少し立ち歩き、移動すると良いでしょう。座席はできるだけ、通路側を予約することをおすすめします。こまめな水分摂取や、着圧ソックスの着用も効果があります。また手が届く範囲で足をマッサージする、足首を動かすのもおすすめです。

 

妊婦が飛行機に乗るリスク2. お腹の張り

長時間同じ姿勢になることや、気圧の変化により、お腹が張りやすくなります。また飛行機内は空調が強い場合もあり、冷えもお腹の張りにつながります。できるだけ体を冷やさず、体温調節ができるように、掛け物や上着を持っていくと安心です。

 

 

【各航空会社】妊婦に対する搭乗制限

妊婦さんが飛行機に乗る場合、時期によっては搭乗制限があります。必ず事前に確認しておきましょう。

また座席指定をする際は、妊娠していることを伝えておくのが大切。非常口座席は妊婦さんへの体の負担を考えて、避けるようになっています。なお海外の航空会社は日本と規定が異なるので、各航空会社のホームページを参考にしてください。

 

妊婦の飛行機搭乗規定<ANAの場合>

ANAの場合、出産予定日を含め28日以内の搭乗には、かかりつけの産科医の診断書が必要です。また出産予定日を含め7日以内に搭乗する場合は、医師の同伴が必要になります。

 

たとえば出産予定日が6月30日の人が、6月3日以降に搭乗する場合は、かかりつけの産科医の診断書が必要。6月24日以降の搭乗だと、診断書と医師の同伴が求められます。診断書は搭乗日を含めて7日以内に発行されたものが必要で、書式はANAのものでなくても大丈夫です。

 

またかかりつけの産科医が、「お客様が航空旅行を行われるにあたり、健康上支障がない」という旨を明記したものを準備する必要もあります。事前にホームページを確認しましょう。

 

妊婦の飛行機搭乗規定<JALの場合>

JALもANAと同様、出産予定日を含め28日以内の搭乗には、かかりつけの産科医の診断書が必要です。そして出産予定日を含め7日以内の搭乗では、医師の同伴が必要になります。

またJALの場合、妊娠中で出産予定日の申し出がなかった場合や、出産予定日の28日以内に搭乗する時は当日手続きが必要なので、時間に余裕を持って空港に向かいましょう。

 

妊婦の飛行機搭乗規定<格安航空(LCC)>

国内線でも航空会社によって規定が異なります。妊娠週数や所要時間によって搭乗できるかどうか、診断書が必要なのかどうかも変わるため、事前に必ず確認しましょう。また格安航空では値段を抑えている分、サービス内容が異なり、優先搭乗もありません。機内でのサービス内容にも差がありますので、予約する前に必ず確認しておきましょう。

 

 

妊婦が飛行機に乗るときの準備と注意点

妊婦の搭乗準備

 

妊娠中に飛行機に乗るときは、事前準備をしておくことが大切。ここからは準備と心構えについてご紹介します。

 

1. 各航空会社のサービスを事前に確認する

まずは搭乗する航空会社のサービスを事前に確認。航空券を予約の際には、必ず妊娠中であることを伝えましょう。航空会社によってはサポートデスクもあります。事前に問い合わせをし、サポートの申し出をすることによって、客室乗務員に配慮してもらえることもありますよ。

航空会社のサービスとして、代表的なものを挙げてみましょう。

 

優先搭乗サービス

事前改札サービスがあります。搭乗状況によりますが、先に搭乗できるよう配慮してもらえます。希望する場合は、客室乗務員に事前に声をかけておきましょう。

 

ブランケットなどの貸し出しサービス

機内の空調がきつく冷えが気になる時は、客室乗務員がブランケットの貸し出しをしてくれます。また妊娠中は、椅子に座っている姿勢がつらくなることもあります。背もたれ用のクッションや、大きくなったお腹でも付けられる延長ベルトの貸し出しもあります。

航空会社によって内容は異なります。気になる場合は事前に確認して、お願いすると安心ですね。

 

マタニティマークのタグプレゼント

オリジナルのマタニティマークのタグを配布しており、空港で希望するともらえることもあります。飛行機内は特に、普段と異なる環境です。マタニティマークをつけていたほうが、まわりにも妊婦さんだと気づいてもらえますし、配慮してもらえるので安心ですよ。

 

2. 水分摂取をこまめにする

フライト中は特に、エコノミークラス症候群予防のため、普段よりもこまめに水分をとるよう心がけましょう。トイレの回数を減らそうと、水分摂取を控えてしまう人もいます。しかしこまめに水分摂取をしないと、水分不足から血栓症を起こす危険性が高まるのです。

妊娠中はトイレが近くなる人も多いです。気になる場合は、利尿作用の少ない飲み物(水など)を飲みましょう。

 

また炭酸飲料は、利尿作用があるだけでなく、機内での気圧低下に伴い腸管内のガスを膨張させます。炭酸飲料は避けるのが望ましいでしょう。

 

3. 座席は通路側にする

妊娠してからトイレが近くなっている人も多いでしょう。飛行機に乗っている間は、こまめに水分をとることで、さらにトイレの回数が増えてしまいます。

また乗り物酔いやつわりで気分が悪くなったときも、すぐにトイレに行けたほうが安心です。指定できる場合は、すぐ動けるように通路側の座席、もしくはトイレに近い席がおすすめです。

 

4. シートベルトは着用する

離着陸時だけでなく、座席にいる間は常にシートベルトを着用しましょう。飛行機では急な揺れが起こることもあり、ベルトを着用していないと、転倒やお腹をぶつけるリスクがあります。シートベルトはお腹を圧迫しないよう、お腹の膨らみの下、太もものつけ根の上を通る位置につけましょう。

 

5. 体をしめつけない服装にする

できるだけ体をしめつけない服装がいいでしょう。しめつけが強いと血流が悪くなるので、ゆったりとした服装を選ぶといいですね。

 

6. 困ったら客室乗務員に相談を

事前に準備していても、いざ搭乗すると困ったり、気になることもあるでしょう。その際は、客室乗務員に相談しましょう。

妊婦さんへの対応はある程度慣れていて、配慮はしてもらえますが、人によって必要なサービスは異なります。不安なこと、気になることは客室乗務員に伝えて、安心して飛行機に乗れるといいですね。

 

 

《まとめ》

 

妊娠中に飛行機に乗る場合は、体に負担がかからないようにし、旅程や体調についてかかりつけの産科医と必ず相談しましょう。事前に航空会社のサービスなどを調べておき、トラブルを避けて安心して搭乗できるといいですね。

 

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1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。

全国都道府県助産師会の会員にて組織されている。

2012年10月1日から公益法人制度改革により公益法人認定法に基づいて公益性を認定され、公益社団法人として新たにスタート。

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