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2021.09.27
【赤ちゃんの体温】平熱と受診すべき発熱とは?熱の測り方動画あり
赤ちゃんが熱を出すと、とても心配です。赤ちゃんは平熱が高いとは知っていても、どれぐらいの発熱時に病院を受診するかの判断も迷いますよね。今回は赤ちゃんの熱の測り方、病院受診の目安について解説します。
目次
【赤ちゃんの体温】平熱はどれくらい?
そもそも赤ちゃんの体温は、どれぐらいが平熱なのでしょうか?
赤ちゃんの平熱は36.5~37.5度で大人より高め
新生児の間の体温は36.5〜37.5度程度、大人よりも少し熱いぐらいが正常な値です。個人差はありますが、生後4ヶ月頃になると少し落ちついてきます。
また赤ちゃんは大人と違って、体温の変化が大きいことも特徴です。朝と夕方でも体温が違いますし、動いた後や寝ているとき、食事後やお風呂の後でも異なります。
そして赤ちゃんの体温は環境によって大きく変化します。まだ体温調節する機能が十分ではないので、自分でうまく体温の調整ができないのです。大人と異なり、すぐに体温が上がることもありますし、反対に熱が低くなってしまうこともあります。そのため室温や湿度などを大人が調整し、適温を保てるようにする必要があります。
普段から体温を測り平熱を知っておく
赤ちゃんの平熱を知るためにも、普段から体温を測っておくことをおすすめします。また1日の中でも体温の変化が大きいので、体調のいい時に朝・昼・夜と時間を変えて何度か測定して、把握しておきましょう。食後はなるべく避け、何日かにわけて測るとより正確な平熱がわかります。
体温計は簡易に測定できる、電子体温計を準備しておきましょう。また熱が出ていて、機嫌が悪い時に体温を測るのは難しいこともあります。そのため、普段の元気なときから体温を測定できるように練習しておくと、いざという時にも安心です。
赤ちゃんの発熱で病院に行く目安
ここまで赤ちゃんの体温の特徴と、体温の測定方法についてお伝えしました。ここからは実際に発熱があった場合に、病院を受診するべきタイミングを解説します。
38.0度以上の発熱(特に生後3ヶ月未満)
赤ちゃんの体温は大人に比べて高めです。特に新生児の間は体温調節が苦手なため、気温や湿度、洋服などよってすぐに体温が変化します。
もし体温測定をして熱がある、もしくは低すぎる場合は、かけものや洋服で調整してください。そして室温や湿度を確認し、高すぎないか低すぎないか見ましょう。
空調の風が直接あたる場所や、部屋の出入り口などは気温や湿度が変化しやすいもの。なるべく赤ちゃんのベッドや布団を置かないようにしましょう。(大体の場合は、着せ過ぎで熱があることが多いので、赤ちゃんは基本的に薄着で大丈夫です。)
洋服やかけもので調整して、30分後に再度体温を測ってください。それでも38.0度以上の熱がある場合、特に生後3ヶ月未満の場合はすぐに受診が必要ですので、病院に連絡しましょう。
発熱以外のこんな時にも受診をしよう
また、発熱以外にも次のような症状があるときは受診が必要です。
・赤ちゃんの機嫌が悪い
・食欲や哺乳意欲がない
・呼吸が苦しそう
熱が下がってきていても、機嫌が悪くグズグズしていたり、普段よりミルクや母乳の飲みが悪い場合、食欲がない場合、苦しそうに呼吸している場合は受診しましょう。
自宅で待機してもいい発熱はどんなとき?
熱が出た時に気になるのは、夜間でもすぐに受診が必要なのか、それとも朝まで様子を見てもいいのかということでしょう。
自宅で様子をみてもいいのか判断するポイントは以下の通りです。
・熱以外の症状があるのか
・水分はとれているか
・夜間寝られそうか
・顔色は悪くないか
・下痢や嘔吐をしていないか
まずはこれらを確認します。
少しの咳や鼻水程度であれば問題ありません。しかし熱以外の症状があり水分もとれていない場合は、脱水症状になる可能性が高いので、受診が必要です。発熱と伴って上記症状がある場合は、夜間救急でも受診が必要です。
また日中には熱がなくても、夜間に熱があがってくるのは赤ちゃんによくあることです。発熱以外に症状が無く、機嫌も悪くなく飲めている場合は、慌てずに日中に病院を受診しましょう。
判断に迷う場合は小児救急電話で相談を!
赤ちゃんの発熱で判断に迷う場合は、小児救急電話で相談することをおすすめします。全国同一の短縮番号♯8000で、お住まいの都道府県の窓口に転送されるサービスです。医師や看護師に直接症状を伝えて、処置の方法や受診する病院の相談ができます。対応の時間帯はお住まいの地域によって異なるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
おすすめ情報
赤ちゃんが発熱したときの対処方法
赤ちゃんが発熱すると大丈夫か心配になりますし、びっくりするでしょう。受診する前にまず次のような方法で対処しましょう。
・赤ちゃんの状態を見ながら洋服の枚数を減らすか、薄いものにする
・汗をかいたらこまめに着替える
・おでこや頭を冷やす
・水分をとる
洋服の枚数を減らすか薄いものにする
熱の上がりはじめは寒気がして震えていることも多いです。そのため、洋服を重ねて着させることもあるかもしれません。
しかし赤ちゃんは体に熱がこもりやすいので、厚着にすると余計に熱があがってしまうことがあります。赤ちゃんの状態を見ながら、厚着にならないように洋服の枚数を減らしたり、薄いものに替えて調整してください。
汗をかいたらこまめに着替える
発熱後に汗をかくと体温が徐々に下がってきます。しかし濡れたままの洋服でそのままにしていると、体が冷えて体温があがりやすくなります。汗をかいたら体は濡れたタオルで拭き、着替えるようにしましょう。
おでこや頭を冷やす
発熱している場合は体温を下げる必要があるので、頭やおでこを冷やしましょう。市販の冷却シートや氷まくらを使用してもよいです。
水分をとる
熱が出ると水分が失われがちです。水やお茶だけでは塩分やミネラルが不足するため、経口補水液やスポーツドリンク、ジュースを少量ずつ飲ませましょう。赤ちゃん用のスポーツドリンクもおすすめです。
水分がしばらくとれなくても、すぐに脱水症状になることはありません。ただしぐったりしている、半日以上おしっこが出てない場合は脱水の兆候なので、すぐに病院を受診してください。
動画で解説!赤ちゃんの体温の測り方
体温の測定方法は2種類あります。接触での測定方法と非接触での測定方法です。
接触での測定方法は、大人と同様に脇で測るものと耳で測るものがあります。
■体温の測り方1:脇で測る方法とメリット
■体温の測り方2:耳で測る方法とメリット
非接触での測定方法とメリット
非接触での測定方法は、赤外線によりおでこやこめかみから体の表面の温度を測定する方法です。この方法のメリットは以下のものが挙げられます。
・約1秒と短時間で測定できる
・寝ている赤ちゃんを起こさずに測定できる
・じっとしない赤ちゃんでも測定しやすい
・直接肌に触れないので、衛生的
製品によっては、測定値を数回分保存できるようなものもあります。普段の平熱と比較したり、発熱時に体温の変化がわかりやすいです。
《まとめ》
まずはお子さんの平熱を普段から測って知っておくことが大切です。赤ちゃんは体温の変化が大きいため、熱があっても慌てずに熱以外の指標で重症度を確認します。呼吸がしんどそうな様子がないか、ぐずったりしていないか、食欲があるか確認しましょう。元気にしていても、熱がある場合は日中に受診し、緊急の場合は夜間救急など受診してください。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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