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2021.09.23

【妊婦の保険の選び方】FPが教える!妊娠中の保険加入の注意

妊娠すると赤ちゃんの誕生が待ち遠しくなるとともに、心配になるのがお金の話でしょう。「妊娠や出産で、どのぐらいお金が必要?保険は適用される?」「妊娠中でも保険って入れるの?」今回は、このような疑問にお答えします。

実は妊娠中は、保険を見直すタイミングの一つということが言えます。出産後はライフスタイルが変化し、お金の使い方も大きく変わります。もし今妊娠中であれば、保険の情報を整理しておくことが将来のマネープランの設計に役立ちますよ。

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妊娠・出産時にかかるお金の相場とは?保険適用は?

妊娠出産時のお金

 

妊娠・出産は病気ではないため、基本的にはすべての費用が健康保険の対象外となります。しかし、公的な補助や一時金でカバーされる部分も多くあります。

またトラブルが起こり、医療処置が必要と判断された場合には、健康保険が適用されるのです。出産までの間にかかる費用は、通院費用・入院費用・分娩費用の3種類。どれぐらいのお金を準備する必要があるか、順番に確認しましょう。

 

妊娠・出産時にかかるお金「通院費用」

妊娠で通う定期健診は、14回程度とされています。妊娠確定後は、自治体から妊婦健診を受けるための補助券を受け取ることができます。この補助券を活用することで、通算の自己負担額は5万円前後となります。

補助の金額や回数は自治体により差があるため、詳しい内容を知りたい場合はお住まいの市区町村に問い合わせましょう。

 

妊娠・出産時にかかるお金「分娩・入院費用」

自然分娩の場合、分娩・入院費用の全国平均費用は52万円とされています。これは厚生労働省の集計によるデータで、差額ベッド代などが含まれた、出産費用の合計額です。

ここに“出生一時金”として、加入する健康保険から42万円が支給されるのです。出生育児一時金直接支払制度を活用することで、退院時にはこの42万円を差し引いた額を支払います。自己負担額は10万円前後となることが一般的でしょう。

 

公的補助がない“入院費用”

ここで注意したいのが、入院費用についてです。公的な補助で手厚くカバーされる通院費用や分娩費用とは異なり、出産のための入院に対する補助はありません。食事代、差額ベッド代などは全額自己負担となります。

 

医学的な処置が必要な場合は、保険が適用される

ただし帝王切開での出産や、重度のつわり、切迫流産、切迫早産、妊娠中毒症などの診断で入院する場合は健康保険適用の対象とされ、この場合の医療費は3割負担になります。また、加入する民間の医療保険や生命保険の内容によっては、給付金が受け取れることもあります。

 

妊娠・出産の際にトラブルが起こる可能性は、誰にでもあります。正常分娩の場合だけでなく、急に帝王切開分娩に切り替える場合や妊娠中のトラブルを見据えて、ご自身の加入する医療保険や生命保険の内容を確認しておきましょう。

 

 

妊娠・出産後の保険加入は注意が必要

突然の妊娠で、医療保険に加入していなかった妊婦さんでも大丈夫。妊娠発覚後でも経過に問題がなければ、加入できる保険はあります。ただし保険会社が決めた基準に沿って、加入や保障内容に条件が付くことが多いのです。どのような点に注意するのか、確認しましょう。

 

“特定部位の不担保”が条件となることが多い

“特定部位の不担保”とは、保険会社が指定した体の部位については保険が効かないとする条件です。妊娠中にトラブルが起きやすい、子宮や卵巣、卵管などが不担保の対象部位となります。

この条件がつくと帝王切開や切迫流産、子宮外妊娠などで手術・入院となっても、医療保険の給付金を受け取ることができません。不担保の期間は1年から5年、または全期間となる場合もあるので、きちんと認識しておく必要があります。

 

妊娠27週までに加入する

妊娠28週以降は、保険に加入できなくなることもあります。一般的に妊娠27週までは加入を受け付ける保険会社が多いので、検討中の妊婦さんはなるべく早めに相談・手続きを行いましょう。

ただし加入した時点での妊娠や出産によるトラブルが起こった際には、保障の対象外となることがほとんどです。希望する保障内容が盛り込まれているかどうか、加入前に担当者に確認するようにしましょう。

 

帝王切開や不妊治療の経験者は要注意

帝王切開を含め、過去の出産で何らかのトラブルがあった場合は、産後しばらくは保険に加入しづらくなります。過去にあった手術の内容や程度に応じて保険会社が判断するため、自然分娩以外を経験したことがある方は、担当者に事前に申告・確認しておきましょう。

 

また帝王切開や不妊治療の経験がある方は、妊娠や出産に伴う治療に関して保険金給付に一定の条件が付けられることもあります。加入の際には、それぞれの経験を告知欄に記入する必要があります。

 

 

妊婦さん向けの保険選びのポイント

妊婦の保険

 

条件や制約があり、選択肢が限られる妊娠中の保険選び。出産を終えた先には、子どもの親としての長い人生があります。万が一への備えがあると、安心できますね。

この章では妊娠中、新たに保険に加入したい場合の、保険選びのポイントをまとめました。新規での契約や、新たな保障の追加を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

1. 妊婦さんを対象にした保険を選ぶ

保険の中には、妊婦さんを対象とした医療保険もあります。そのような保険の場合、一定の条件をクリアすれば加入時の妊娠から保障されるのです。中には、妊娠の週数に制限なく加入できる商品もあります。

インターネットで手続きを完了できるものもあるので、移動に制限のある妊婦さんでも情報収集から契約まで、ウェブ上で完結することができますよ。

 

妊娠や出産は、健康を損なうリスクが高まる時です。これまで健康だったのに、妊娠中に体調を崩すことが増え、不安を覚える方もいることでしょう。今加入している保険に不足を感じるのであれば、妊娠期間中だけスポット的に、妊婦さんを対象にした保険に加入するのも一つの手段です。

 

2. 不担保の範囲がせまい保険を選ぶ

妊娠中に保険に加入する際、多くの場合で条件となる不担保。その中でも、特定の“部位”を対象とする場合と、特定の“疾病”を対象とする場合があります。

たとえば子宮全体を不担保とする場合、子宮頚がんや子宮筋腫など、妊娠・出産に関係のない病気まで、不担保の対象となってしまうのです。妊娠中の健診がきっかけで、思いがけない病気が見つかることもあります。

どのような内容であれば保障されるのか、されないのかは、保険商品により異なります。気になる商品がいくつかある場合は、担保の範囲についても比較するようにしましょう。

 

3. 引受基準緩和型保険も視野に入れる

持病や入院経験がある人も加入できる“引受基準緩和型保険”の場合、保険料は割高になりますが、告知の項目が少なく加入しやすいというメリットがあります。医療保険や生命保険を探す中で希望に沿った内容のものがなければ、これらも選択肢の一つとして検討しましょう。

 

4. 妊娠・出産に備えるなら入院保障がある保険を

前述の通り、妊婦健診や分娩については、公的費用でカバーされる仕組みが整っています。また予期せぬトラブルで高額な医療費がかかったとしても、高額療養費制度の活用で自己負担額は抑えることができるのです。

 

問題は切迫早産や妊娠糖尿病などで、入院が長期にわたる場合です。入院費がかかる他にも、働けないことで収入がなくなるおそれや、家族がお見舞いに来るための交通費がかさむなど金銭面で心配なことが多くあります。

妊婦さんの体調やお腹の赤ちゃんが心配な状況で、お金の不安まで抱えるのは辛いですね。その時、入院日数に応じて給付を受けられる保障内容であれば非常に心強いです。

 

保険の内容は、専門用語や複雑な仕組みでわかりづらい部分が多くあります。疑問に思った点は、窓口の担当者やコールセンターなどに問い合わせ、解消しておくようにしましょう。保険について理解しておくと、今後の学資保険や家族の保険を見直す際にも役立ちますよ。

 

 

《まとめ》

 

妊娠や出産でトラブルが起こるリスクは、誰にでもあります。妊娠が正常に進んでいたとしても、ある日の健診で突然入院しなければいけなくなり、100万円近い費用が必要になることも。年齢や家族構成などの暮らしが変化すれば、必要な保障内容も変わります。妊娠をきっかけに保険を見直し、ご自身とご家族にぴったりのマネープランを設計しましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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監修者

服部 清和 先生

ファイナンシャルプランナー

平成02年4月タキヒヨー株式会社入社
平成15年8月アクサ生命保険株式会社入社
平成22年1月服部FP事務所開設
令和元年5月株式会社HFP設立

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