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2021.08.06
【FPが解説】赤ちゃんの医療保険・生命保険・学資保険は必要?入るメリットは?
「どんなケースだと、保険に加入したほうがいいのかな?」「保険って、どんなタイミングで始める?」赤ちゃんの誕生を控え、このような疑問を持つ妊婦さんは少なくありません。待望の赤ちゃんを迎えて、これからかかる医療費や子育て費用に、不安を感じているママやパパも多いでしょう。今回は、赤ちゃんが加入できる保険について解説します。
目次
赤ちゃんが入れるのは医療保険・生命保険・学資保険
赤ちゃんが加入できる保険は、“医療保険”“生命保険”“学資保険”の3種類です。保険の加入が必要かどうかは、将来の資金計画や、保障を期待したい内容によって異なります。それぞれの保険について、加入した際のメリットや、加入が必要なケースについて確認しましょう。
赤ちゃんの医療保険のメリット・必要なケース
大人の多くが医療保険に加入していることから、赤ちゃんも同様に、医療保険への加入を検討するご家庭があるかもしれませんね。またママパパ自身が、幼いころから医療保険をかけてもらっていた場合、ご自身の家庭でも、赤ちゃんの保険加入を考えるケースもあるでしょう。
赤ちゃんにはどれぐらいの医療費が必要?
実は子どもの医療費は“乳幼児医療費助成”により、社会保障でカバーされるのです。平成30年の厚生労働省の調査によると、全国の都道府県及び自治体すべてで、乳幼児への医療費援助が実施されていました。
日本国内に居住し育児をするのであれば、助成が有効な年齢の間(自治体により異なる)は、保険に加入する必要はないと考えられるのです。
医療保険はどんな時に必要?
では、どのような場合に子どもの医療保険は必要となるのでしょうか。次のようなケースが考えられます。
■自治体で定められた医療費助成の条件に当てはまらないケース
子どもの医療費助成については、各自治体により助成に関する条件が異なります。成長に伴い、年齢が助成の対象外となった後については、医療保険を検討してもいいでしょう。
また、次のデータは令和元年に行った、厚生労働省の調査によるものです。
【乳幼児等医療費に対する援助の実施状況】
単位:市区町村
対象年齢 | 通 院 | 入 院 |
実施市区町村数計 | 1,741 | 1,741 |
就学前 | 66 | 6 |
8歳年度末 | 2 | 0 |
9歳年度末 | 16 | 8 |
12歳年度末 | 72 | 41 |
15歳年度末 | 923 | 968 |
18歳年度末 | 659 | 715 |
20歳年度末 | 2 | 2 |
22歳年度末 | 1 | 1 |
所得制限 | 通 院 | 入 院 |
所得制限なし | 1,492 | 1,497 |
所得制限あり | 249 | 244 |
一部自己負担 | 通 院 | 入 院 |
自己負担なし | 1,115 | 1,201 |
自己負担あり | 626 | 540 |
※平成31年4月1日現在(厚生労働省子ども家庭局母子保健課調べ)
子どもの医療費助成は、すべての地域で実施されているとはいえ、その内容には各自治体でかなりばらつきがあります。対象年齢を就学以前とする自治体もあれば、最長で22歳の年度末までとする自治体もあります。
また、所得制限の有無や自己負担の有無などの条件も異なるのです。助成が早期に終了したり、受給のための条件が厳しく、対象から外れる可能性があるのならば、医療保険の加入を検討しましょう。
■子どもに先天的な病気があるケース
生まれたばかりの赤ちゃんを除いて、子どもは入院する可能性が低いでしょう。しかし先天性の病気やその疑いがある場合、何日も入院したり、通院の回数を重ねたりすることになります。
医療費そのものは保障されたとしても、入院中の差額ベッド代や、看病する保護者の付き添いベッド代、食費や交通費などは、公的な保障を受けることができません。こういった場合は、入院や通院の回数に応じて給付金を受け取ることができる、医療保険が有効です。
赤ちゃんのうちから医療保険に入るメリット
先ほど紹介した、医療保険が必要なケースに当てはまらなければ、赤ちゃんのうちから焦って加入する必要はないと考えられます。その他のメリットを挙げるとすれば、子どもの成長過程で万が一の出来事があった際にも安心できる点、毎月の保険料が安い時期からスタートできる点です。
また子どもの病気が発覚して、看護のために、親が休職や退職せざるを得ないケースもあります。自営業やパートで、休業補償や社会保障が受けられない場合には、減った収入の補填としても心強いでしょう。
おすすめ情報
赤ちゃんの生命保険のメリット・必要なケース
一般的に生命保険は“死亡保険”と考えられ、遺族に資金を残したい大人が加入するものというイメージが強いです。この保険の特性上、赤ちゃんが加入する必要性は薄いと言えるでしょう。
生命保険のメリットは“贈り物”になる点
赤ちゃんが終身保険に加入するメリットは、“解約返戻金を受け取れる点”です。加入から一定期間を経過すると、解約の際にまとまった額の解約返戻金を受け取ることができるのです。この際、保険のプランや払い込み期間によっては、学資保険や養老保険より高い利回りを実現することも可能です。
また満期がある学資保険に対し、生命保険は、払い込みが終了すれば自由なタイミングで解約できるというメリットも。この性質を利用し、保険で手堅く貯蓄したい、大きくなった時にプレゼントとして渡したいなどの理由から、子どもが幼いうちに加入するケースもあります。
健康だからこそ加入のチャンス
生命保険は、健康だからこそ加入できる保険です。加入をお考えであれば、幼いうちの保険料が安い間に加入するのも一つの手段ですね。
終身保険は保険料が高額になりやすく、早期解約をすると損をしやすい保険です。加入を決めたら、不要な保障やオプションをつけず、早期解約をする可能性のない額でスタートしましょう。
赤ちゃんの学資保険のメリット・必要なケース
学資保険は、多くの妊婦さんやママパパに検討される保険です。この保険は万が一の事態に備えながら、将来に向けて子どもの教育資金を準備するための保険なのです。加入のメリットについて、詳しく確認しましょう。
学資保険のメリットは“貯蓄”と“保障”
学資保険は、子育て世帯のために作られた保険。大きなメリットの2つ、“貯蓄”と“保障”の内容は次の通りです。
■少額積立で教育資金を確保
子どもの進路によっては、高校や大学の受験や入学の際に、予想を超える出費となることも。学費に加え、子どもの生活にかかる費用もかさむでしょう。学資保険は、こういった資金が必要なタイミングに満期を設定し、保険金を受け取ることができるのです。
赤ちゃんのうちから少額を積み立てていくことで、まとまった教育資金が必要な際にも、慌てずに済みますね。また銀行預金より高い利回りを期待でき、より効率のいい方法で運用できます。
■親の万が一に備える
契約者となる親が死亡や高度障害、身体障害状態となった場合でも、保障を継続しつつ、保険料の払い込みは免除されます。病気の発症や不慮の事故などで、突然収入がなくなってしまうリスクは、誰にでもあります。親に万が一のことがあったとしても、子どもの教育資金を確保できる点は、とても心強いですね。
赤ちゃんが生まれる家庭はすぐ検討を
学資保険はご紹介のとおり、子育て世帯に特化した保険です。そのため、商品によっては加入年齢が限られているものもあるのです。
加入者の半数近くが、子どもが0歳のうちにスタートしており、一般的に早い段階で加入した方がいいと考えられています。
■妊娠中でも加入できる“出生前加入”
母子がともに健康で、妊娠の経過にも問題がなければ、“出生前加入”が可能な学資保険もあります。多くの場合、出産予定日の140日前から加入できるため、保険会社に条件を確認しましょう。
赤ちゃんの誕生後は、寝不足や疲れで、保険の検討が難しくなることも。その点、出産前であれば、夫婦でゆっくり相談する時間も確保でき、将来に向けたマネープランを立てやすいですね。
■学資保険を選ぶポイント
学資保険は、基本的な内容についてはご紹介した通りですが、詳細な内容は各保険会社で特色があります。学資保険の中には以前と違い、元本割れする商品も多く、内容をよくご確認いただく必要があります。
保険選びは“いくらもらえるか?”に注目してしまいがちですが、受け取りのタイミングがご家庭の希望に合った商品か、という点も大切です。返戻金を重視するあまり、資金が必要なタイミングで満期を迎えられないのであれば、本末転倒です。
ママパパどちらの名義で加入するか、いつ・いくら受け取りたいかについて、あらかじめ考えた上で、保険会社に相談しましょう。
《まとめ》
赤ちゃんの保険の加入は、なるべく早くから検討するのがお勧めです。すぐに加入しなかったとしても、「何歳になったらこんな内容の保険に加入しよう」と、マネープランに組み込みましょう。
小学生、中学生、高校生と子どものライフステージが上がるにつれて、出費も増えていきます。将来に向けた資産形成は、赤ちゃんのうちから長期的に取り組むことで、実を結びやすいですよ。
※写真提供:PIXTA
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1994年3月金沢大学経済学部卒業。住設機器メーカーに勤務
2006年8月アクサ生命入社(新人賞、海外表彰受賞)
2009年2月ファイナンシャルアライアンス株式会社(保険代理店)入社
2009年1月大森FP事務所設立
2018年1月FP相談室に変更、某新聞社様記事掲載、某ラジオ番組出演
2019年6月株式会社HFP取締役就任
2020年4月ファイナンシャルアライアンス名古屋支店副支店長就任
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