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2023.04.27
「おりものが水っぽい」原因は?生理周期や妊娠によるおりものの特徴
おりものが水っぽい場合、「何か病気なのでは?」と心配になりますね。おりものは健康のバロメーターと言われ、その性状によっては受診しなければならないこともあります。今回は「水っぽいおりもの」について、理解を深めていきましょう。水っぽいおりものが出る原因や、注意すべきおりものの特徴、病気の可能性について助産師が解説します。
目次
いつもより「水っぽいおりもの」が出る原因は?
いつもに比べて水っぽいおりものが出たら、どのような原因が考えられるでしょうか。
水っぽいおりものの原因1. 生理周期
女性の生理周期は「卵胞期・排卵期・黄体期・月経期」に分けられ、それぞれ分泌されるホルモンの種類や量が異なります。そのホルモンの分泌量によって、おりものは増減するのです。
特に排卵期※は、卵のように白っぽく、トロっとした水っぽいおりものが増えていきます。精子を迎え入れ、受精するための準備とも言われます。
※月経周期が28日の場合、前回の生理開始からおおよそ2週間後
また生理直後は、排卵期より量が少なくなりますが、水っぽいおりものが出ることもあります。
水っぽいおりものの原因2. 妊娠初期のホルモン
妊娠初期には妊娠維持のため、女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)の分泌が増加します。その影響で、水っぽいおりものが多くなることがあります。匂いは若干酸っぱくなるのが特徴です。
水っぽいおりものの原因3. 感染症・病気
排卵期に性交渉をしておらず、妊娠の可能性がない場合で水っぽいおりものが続けば、感染症を疑います。例えばクラミジア感染症は、放っておくと子宮外妊娠や不妊の原因になり得ることが分かっています。また、癌の可能性も否定はできません。
もし水っぽいおりものが続くようであれば、受診をおすすめします。
おりものが水っぽくなる病気とは?
水っぽいおりものが続く時に考えられる病気について、詳しく見ていきましょう。
細菌性膣症
もともと膣内には、たくさんの常在菌があります。膣には自浄作用があって、これらの常在菌から身体を守る働きをしています。しかしストレスなどにより免疫が低下すると、この自浄作用が弱まり炎症を引き起こします。
細菌性膣症は感染症ではなく、誰にでも起こりうる病気です。水っぽいおりものに加えて悪臭、外陰部の腫脹、かゆみが出ることもあります。おりものの色が灰色になる場合もあるでしょう。
クラミジア感染症
よくある性感染症として有名です。クラミジア・トラコマチスという病原体によって感染する性感染症のひとつで、黄緑色の水っぽいおりものが特徴です。無症状のうちに進行することがほとんどで、気づかずに放置すると悪化する可能性があります。
進行すると腹膜炎や発熱などの炎症を引き起こし、癒着によって子宮外妊娠や不妊の原因になります。妊娠を希望する女性にとっては、非常に注意が必要な性感染症です。性交渉で感染するため、自分自身だけではなくパートナーも治療が必要となります。
女性特有のがん
卵巣がん、卵管がん、子宮頸がん、子宮体がんなど女性特有のがんでは、水っぽいおりものがでることがあります。他に腹痛や排尿痛、不正出血などの症状も挙げられます。がんは放置すると他の臓器に転移し、命に関わります。何か気になる症状がある場合は、すぐに受診しましょう。
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注意すべきおりものの特徴とは?
水っぽいおりもの以外にも、注意すべきおりものの特徴があります。
出血交じりのおりもの
量に関わらず、出血交じりのおりものは異常です。考えられる病気としては、子宮がん、子宮頸管炎、子宮頸管ポリープなどが挙げられます。
くすみのある黄緑色のおりもの
くすんだ黄緑色のおりものの場合は、淋菌感染症や細菌性膣炎の可能性があります。淋菌感染症は性感染症のひとつなので、パートナーと共に治療が必要です。
ヨーグルト状のおりもの
カッテージチーズ状のおりものは、カンジダ膣炎の可能性があります。外陰部の強い痒みもみられます。カンジダは健康な女性でも持っている常在菌のひとつで、免疫が低下した際に感染します。
魚が腐ったような匂いのおりもの
おりものが酸っぱい匂いではなく、魚が腐ったような匂いがしたら、細菌性膣症の可能性があります。雑菌の繁殖が原因で、抵抗力が落ちていることが原因です。様々な感染症にかかりやすい状態となっていますので、注意が必要です。
クリーム色の泡立っているおりもの
強いかゆみとともに、クリーム色の泡立ったおりものがある場合、トリコモナス膣症が考えられます。性交渉から感染するケースがほとんどですが、下着やタオル、トイレなどから感染することもあります。外陰部や膣のかゆみがでるのが特徴です。性交渉経験のある女性だけではなく、幼い女児に感染することもあるので注意が必要です。
おりものに異常を感じたら病院へ
いつもと違うおりものがでたら、放置せずに必ず婦人科を受診しましょう。おりものは女性にとって健康のバロメーターです。またおりものの異常とともにかゆみや色、痛みなどの症状がある場合は、特に注意が必要です。
婦人科ではおりもの検査の他、尿や血液、エコー検査などをします。内診を行うこともあるので、脱ぎ着しやすくゆったりとしたスカートで行くといいでしょう。また生理中だとおりものの検査はできません。生理前後に受診しましょう。
《まとめ》
水っぽいおりものは、排卵期や妊娠初期に出ることがありますが、性感染症や病気が隠れている可能性もあるでしょう。放置すると、危険な状態になることも考えられます。いつもと違うおりものや、それに伴うかゆみや痛み、不正出血などの症状が現れたら、すぐに受診しましょう。特に妊婦さんは、迅速な治療を必要とします。かかりつけ医にすぐ相談してください。受診の際は、検査を受けやすい服装で行くとよいでしょう。
※写真提供:PIXTA
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監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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