PICK UP!
2021.11.12
助産師による【動画】正しい授乳の姿勢&赤ちゃんの抱き方のコツ
赤ちゃんとの生活をスタートした頃は、一日の大半の時間を授乳や抱っこ、おむつ交換で割くでしょう。昼夜を通して一日に8回以上の授乳が始まります。日々を重ねるうちに赤ちゃんも成長し、双方が慣れてくるもの。ですがなるべくお互いが消耗することなく、効果的にお世話ができると、産後の生活は随分変わります。
今回は授乳の際の姿勢、赤ちゃんが乳輪をくわえる位置のポイントを紹介します。授乳姿勢を改めて見直すことで、赤ちゃんは効果的におっぱいを飲み取ることができるため、母乳産生量が増え、赤ちゃんの成長を後押しします。またママの乳頭痛や詰まり、乳腺炎などのおっぱいトラブルの予防、改善につながります。
目次
【新生児~】授乳の姿勢と抱き方のポイント
新生児からの赤ちゃんの授乳では、どのような姿勢でも共通するポイントがあります。
授乳の姿勢
授乳の姿勢におけるチェックポイントです。
・ママも赤ちゃんも緊張なく、リラックスできている
・授乳による痛み 不快がない
・赤ちゃんの身体がねじれておらず、耳、肩、腰の位置が一直線である
・ママの身体に引き寄せられ、特に赤ちゃんのお胸と下あごが、ママの身体にぴったりくっついている
授乳時に赤ちゃんが乳輪をくわえる様子
赤ちゃんが乳輪をくわえる部分のチェックポイントです。
・咥える前の姿勢が、赤ちゃんの鼻と乳首が同じ高さにあるように調整
・下顎の当たる部分の乳輪は、しっかり口の中に含まれている(鼻側の乳輪は少し見えていてもOK)
・乳頭痛がなく飲めている
・赤ちゃんの左右のほっぺたが、おっぱいに対して左右均等にくっついている
・鼻が埋まっていない
・唇の巻き込みなく、大きく口が開いている
飲み終えたときの様子
赤ちゃんが飲み終わった時のチェックポイントです。
・乳頭がつぶれて形が三角になったり、扁平になっていない
・乳頭や乳頚部が赤くなったり、切れたりしていない
・おっぱいの一部のみ張ったままで飲めていない乳腺がない
・赤ちゃんが満足そう
授乳の際はこれらをチェックしてみましょう。ただし少し浅く見えていても、痛みや一部の張りの残りなく、上手に飲めている場合も十分あります。何かしらの問題点を見つけるのではなく、より快適に効率的に授乳するには?という視点でチェックしてみましょう。
ママと赤ちゃんにとってより良い授乳姿勢は様々です。おっぱいの形、乳頭の大きさや形と向き、赤ちゃんの大きさ、月齢、その時の環境などによってどの姿勢がより良いのか変わってきます。赤ちゃんと一緒に、しっくりくる姿勢を探っていきましょう。
【動画でみる】授乳の姿勢4つ&抱き方のコツ
ここからは正しい授乳の姿勢4種類と、それぞれの抱き方のコツを説明します。
授乳姿勢「交差抱き」
「交差抱き」とは、飲ませたいおっぱいと反対側の手で、赤ちゃんの頭と首を支えて授乳する姿勢をいいます。交差抱きは、首すわり前の赤ちゃんにお勧めです。飲むことに慣れていないので、乳房の方にそっと誘導し、乳輪を深くとらえるフォローがしやすい体勢です。
(1)赤ちゃんを抱き寄せて、赤ちゃんの鼻と乳首が同じ高さになるようにします。赤ちゃんのお胸と下あごを、ママの身体にぴったりくっつけます。赤ちゃんの身体がねじれておらず、耳、肩、腰の位置が一直線になるように支えましょう。
(2)左側のおっぱいを飲ませる際は、右手で赤ちゃんの背中からうなじの部分を支え、左手では赤ちゃんが飲みやすいように乳房を支えます。右側のおっぱいはその逆手です。あげている乳房と逆の手で身体を支えるので、交差抱きと言われています。
手首に重さがかかる場合は双方にとって負担が大きく、腱鞘炎にもなりやすいです。クラッチバックを持つときを意識して、下からすくい上げるように支えましょう。ママの手首ではなく、腕の小指側と肩甲骨に重心がいくように支えると、負担が軽減します。
授乳姿勢「横抱き」
授乳姿勢「フットボール抱き」
授乳姿勢「縦抱き」
おすすめ情報
よくある間違った授乳姿勢の特徴
もしも間違った授乳姿勢で授乳を続けると、様々なトラブルが生じてきます。正しい授乳姿勢かどうか、常にチェックして授乳しましょう。
間違った授乳姿勢1. 赤ちゃんの頭と身体がねじれる
授乳において、赤ちゃんの頭と身体が一直線になっていることは必須です。赤ちゃんの顔だけおっぱいを向いていて、身体は上を向いている姿勢では、しっかりおっぱいを飲むことができません。乳頭に傷がつく原因にもなります。
間違った授乳姿勢2. ママと赤ちゃんの身体が離れる
どの授乳姿勢でも、赤ちゃんの身体とママの身体がぴったりくっついていることが必須です。お互いの身体が離れている状態では、十分におっぱいを飲めないほか、乳首を傷つける原因にもなります。
間違った授乳姿勢3. 乳首のみを吸っている
赤ちゃんが乳首のみではなく、乳輪までもしっかり加えていることが必須です。赤ちゃんの唇が外側に向き、アヒルの口になっていることがポイントです。乳首のみで乳輪までしっかり加えていない浅吸いは、乳首を傷つける原因にもなります。
間違った授乳姿勢での乳腺炎リスク
正しい授乳姿勢で授乳を行わないと、ママの肩こりや腰痛、乳腺炎の原因になります。乳腺炎とは母乳が乳管につまって炎症を起こします。そしてできたしこりに痛みを生じたり、赤くなったり、重症になると腫れあがり、発熱もします。授乳に慣れてきたらできるだけ、横抱きや交差抱き、添い乳以外にも、フットボール抱きにも挑戦してみてください。おっぱいのトラブルから逃れることができるでしょう。
関連ページ
授乳を楽にするおすすめグッズ5選
授乳とは、ママも赤ちゃんもお互いにリラックスして、楽しめる時間となることがベストです。正しい授乳姿勢に加え、ママと赤ちゃんにとって楽に授乳できるグッズも利用してみましょう。
クッションなどで授乳の姿勢を楽にしよう
1. 授乳クッション
生後間もない赤ちゃんはまだ小さいので、どのような姿勢でもおっぱいと赤ちゃんの高さを調節しなければなりません。授乳クッションを赤ちゃんの下に置いて、常に抱っこしていなくてもおっぱいと赤ちゃんの高さが合うように整えましょう。
2. アームピロー
赤ちゃんを横抱きで授乳する時に、ママの腕に通して使います。ママの腕が疲れるのを和らげてくれるとともに、赤ちゃんの頭と腕の間でかいた汗を吸収してくれます。
3. 授乳ケープ
外出中に授乳室が見つけられず、人前で授乳しなければならない時、必須なのは授乳ケープです。さまざまな色合いで、かわいいデザインのものもたくさんあります。
4. 授乳ストラップや授乳シュシュ
いざ授乳をしようと洋服をまくり上げた時に、洋服が落ちないようにキープしてくれるのが、授乳ストラップや授乳シュシュです。授乳に便利なデザインの洋服も色々ありますが、毎日同じ洋服を着るわけにもいきません。授乳ストラップや授乳シュシュも、おしゃれでかわいいデザインがたくさんあります。
5. 授乳服
乳房を隠したまま、見えないように授乳できる、工夫された洋服があります。下着などもありますので、外出の際は便利でしょう。
《まとめ》
その時々のシチュエーションで、ママと赤ちゃんにとって、しっくりくる授乳姿勢を模索してみましょう。最初からうまくできなくても、焦らず毎日繰り返す中で上手になっていきます。地域にも助産師がたくさんおり、安楽で効果的な授乳方法のサポートをしています。うまくいかないこと、痛みや悩みがあればぜひ相談くださいね。(参考:日本助産師会)
ゆっくり赤ちゃんと一緒に楽しんで、授乳が幸せな時間でありますように。
※写真提供:PIXTA
関連ページ
✔【新生児の哺乳量】飲みすぎ?足りない?助産師が教える赤ちゃんのサイン
✔母乳育児のメリット【産科医】赤ちゃん&ママにとって母乳が良い理由
✔動画でわかる授乳姿勢!横抱き・フットボール抱き・縦抱きのやり方
監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
>詳しく見るイベント・セミナー
妊娠・出産について学べるイベントやセミナーを紹介
-
オンライン(ライブ配信) プレゼント 無料
-
オンライン(録画配信) 無料