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2021.04.09

【助産師監修】会陰マッサージ用オイルの選び方や使う時の注意点

会陰マッサージとは、妊娠中に会陰を柔らかくしなやかにするマッサージで、分娩時の裂傷を軽減する効果を期待できるものとして行います。会陰マッサージを行う際にはどんなオイルを選べば良いのか、注意すべき成分はどんなものなのかについて助産師が説明します。

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会陰マッサージ用オイルを選ぶポイント

"会陰マッサージ用オイル/

 

会陰部は皮膚の中でもデリケートな部分です。使用するオイルは刺激が少ない安全性の高いものを選びましょう。

 

会陰マッサージに適したオーガニックオイルの種類

オイルの吸収は、使用部位によって異なると言われています。手や足などよく使われる部分よりも、日光に当たらない部分や粘膜の方が有用成分を吸収しやすい傾向にあるようです。

全身の皮膚の中でも会陰部は特に吸収率が高いため、刺激が少なく、純度の高いオイルを選ぶと良いでしょう。

体に安全で皮膚の深層まで有用成分が届く、植物性100%天然成分のオーガニックオイルをお勧めします。たくさん種類がありますが、その中で妊婦さんに適したものをまとめました。

 

カレンデュラオイル

 

マリーゴールドの花びらを植物油に漬け込んだものです。抗炎症、殺菌作用があり、肌への刺激が少ないです。

ホルモンバランスの変化によって肌は乾燥しやすく抵抗力が弱まりやすい妊婦に適したオイルと言われています。産後は乳頭亀裂や赤ちゃんのおむつかぶれにも使えるので人気があります。

 

ホホバオイル

 

皮膚を柔らかくして、肌に張りと弾力をもたらします。また、乾燥に強く保湿力があり新陳代謝も促すため、妊娠線予防にも使われます。

殺菌作用もあり、ビタミンも豊富、アレルギーになりにくい構造とも言われており安心して使えるオイルです。

 

セサミオイル

 

ごまを焙煎せずに圧搾したものなので無味無臭、透明なサラサラしたオイルです。様々な精製方法がありますが、肌には低温圧搾されたものを選びましょう。抗酸化作用があり血液循環を促し、ベビーマッサージにもよく使われています。

ごまアレルギーの方や、皮膚が荒れていたり、ドライスキンの方は使用しないでください。

 

ココナツオイル

 

保湿に優れ、ビタミンEが豊富なため血流をよくするのが特徴です。酸化しにくいため、長期間鮮度を保つことができます。様々なグレードがありますが、オーガニックで低温圧搾のエキストラバージンを選びましょう。

 

 

会陰部にベビーオイルや馬油はOK?

紹介したオーガニックオイル以外では、身近にあるベビーオイルや馬油も会陰マッサージに使えます。ただし、成分に注意が必要なものもありますので説明していきます。

 

植物油天然成分100%のベビーオイル

ベビーオイルの主成分は「植物油」「鉱物油」の大きく2つに分けられます。

鉱物油は分子構造が大きいため皮膚の表面を覆ってバリアを作るには適していますが、会陰部の排泄機能を妨げてしまう恐れがあるので会陰マッサージには使用しない方が良いでしょう。

購入するときは必ず原料をチェックし原料が植物油で天然成分100%のものを選びましょう。

 

馬油(バーユ)

動物性のオイルですが人の皮脂に近い成分で保湿力や抗炎症作用があり、会陰マッサージに使用することができます。最初はベタつくかもしれませんが、塗っていくうちにサラサラになり、肌に浸透していきます。

食べても問題のないオイルなので、赤ちゃんが口にしても安心なことから乳頭ケアにも使われます。

また、同じ動物性のオイルでラノリンという羊の油もお勧めです。乳頭ケアや赤ちゃんのおむつかぶれに使われており、皮膚の再生機能が高く傷の回復が早いのが特徴です。

 

 

会陰マッサージの前にパッチテストを

妊婦のパッチテスト

 

初めてオイルを使うときは、パッチテストをして自分の肌に合っているか確認しましょう。特に敏感肌の人、アレルギー体質の人は注意が必要です。

また、普段は肌にトラブルがなくても、妊娠中は肌が荒れやすくなりますので体調が悪い時など注意してください。

 

パッチテストのやり方

1. 腕や脚の内側の柔らかい部分に十円硬貨くらいの大きさにオイルを塗ります。

 

2. 数時間から2日放置します。

 

皮膚に異常がなければマッサージに使用して問題ありません。赤くなる、痒くなるなどの場合は直ちにテストを中止し流水で洗い流してください。その後、皮膚の異常が治らない場合は皮膚科に相談しましょう。

また、パッチテストで問題がなくても、体調不良などによってアレルギー症状が出る場合もありますので何か異常を感じたらすぐに使用をやめましょう。

 

 

《まとめ》

 

会陰マッサージにはオーガニックで100%天然成分の植物性オイルをお勧めします。また、動物性オイルの馬油や羊油も適しています。

これらは、妊娠線のケア、妊娠中の保湿としても利用できますし、産後の乳頭ケアや赤ちゃんの保湿など幅広い用途があり便利です。初めて使うオイルは必ずパッチテストをして安全を確認してからにしましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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