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2023.01.30
【女性労働協会監修】子育て支援「ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)」とは?利用メリットや注意点
ワンオペ育児が問題となっている現代、子どもがいる世帯にとって、地域の子育て支援はとてもありがたい存在です。子育て支援の一つであるファミリー・サポート・センターは、「もうひとつの家族」として大変注目を集めています。子育てを支援するファミリー・サポート・センターとは、一体どのようなものでしょうか。そしてどのように利用し、料金が発生するのでしょうか。これからファミリー・サポート・センターを利用する子育て世帯が知っておくべき、注意点も紹介していきます。
目次
子育て支援「ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)」とは
ファミリー・サポート・センター(以下ファミサポ)とは、子育てに関することを手伝ってほしい「依頼会員」と、子育てを手伝いたい「提供会員」が地域で協力しあい、育児を行っていく「相互援助活動」の組織です。「依頼会員」と「提供会員」どちらにも登録が可能です。(「依頼会員」と「提供会員」を兼ねる「両方会員」としての登録もできます。)
ひと昔前は人々のつながりが強く、地域に住む子ども達は、その地の住民が見守っていくという流れがありました。しかし共働き世帯が増え、核家族化が進行する中で、地域のつながりは次第に薄れてきています。
地域の誰かに頼ろうとするのではなく、自分でなんとかしなければならないという日本人特有の性格が、ワンオペ育児を生み出しています。そしてさらに育児ストレスやノイローゼ、虐待など、子育て世帯特有の問題を引き起こしているのです。
そこで地域の人々のつながりを強くし、子育てを頑張るママたちを孤立させず、一緒に応援したい人達が子育てを一緒に行えるように、ファミリー・サポート・センターは作られています。「何でも一人でこなすのではなく、誰かに頼り手伝ってもらう」という姿勢には、子ども達の明るい未来を願う提供会員の思いが込められています。
支援を必要とする場合は、ファミサポに依頼し、センターがその依頼を受けてマッチングを行います。サポートの利用シーンは多岐にわたります。
例えば、このようなリクエストができます。
◆仕事で保育園のお迎えが間に合わないので、迎えに行ってほしい
◆一人で留守番をさせるのは心配だから一緒にいてほしい
◆赤ちゃんのお世話から少しリフレッシュしたい、急な用事で子どもを見てくれる人がいないからお願いしたい
会員同士で子どもを見る、あるいは預かるファミサポというネットワークが、もうひとつの家族を生み出します。
働いている親だけが利用できるのでありません。子育てをするすべての世帯が、ある一定の条件を満たせば会員になれます。
おすすめ情報
ファミリー・サポート・センターはいつから使える?利用方法・料金は?
ファミサポを利用したいと思っても、すぐにできるわけではありません。利用する場合はまず、会員登録をする必要があります。会員登録後もすぐに支援を受けられるわけではないため、お住まいの自治体や、センターに確認してみましょう。
無事に会員登録を済ませると、ファミサポが利用できるようになります。対象は一般的に、0歳から小学校6年生までの子どものいる家庭です。ただしセンターごとに異なりますので、こちらも確認してみましょう。
支援が必要な場合、依頼会員がセンターに連絡し、支援して欲しいことを説明して依頼します。ファミリー・サポート・センターのアドバイザーが、依頼会員と提供会員をマッチングし、対面して事前打ち合わせを行います。
利用料金も自治体によって様々ですが、1時間当たりおおよそ500~800円ほどで、平均700円前後のようです。早朝や土日などは利用料金が少し上がり、1,000円前後となっています。
またファミサポは、幼児保育・教育の無償化の対象となります。3~5歳までは月額37,000円、0~2歳までは住民税非課税世帯であれば月額42,000円まで、無償でサービスを受けられます。
ファミリー・サポート・センターの利用メリット&デメリット
ファミサポのメリットとデメリットについて、紹介していきます。
ファミリー・サポート・センターのメリット
ファミサポを利用するメリットには、以下が挙げられます。
■メリット1. 安価で利用できる
ファミサポの料金は基本的に、1時間1,000円以下です。ベビーシッターや一時保育よりも安価で利用できるため、少しの間でも気軽に支援してもらえます。
■メリット2. 地域の子育て経験者や保育のプロと交流できる
提供会員は子育てが落ち着いた年齢の人、保育士や看護師の資格を持つ人、子どもが好きな人などさまざまです。ただ単に支援してもらうのではなく、情報交換したりアドバイスをもらったり、交流したりできます。すると一人で育児をしている気持ちが、薄れてくるのではないでしょうか。近くに相談できる人、支援してくれる人がいるのは非常に心強いです。
ファミリー・サポート・センターのデメリット
ファミリーサポートのデメリットには、以下があります。
■デメリット1. 予約が取りづらいことがある
安価で気軽に利用できることから、非常に人気で予約が取りづらいデメリットがあります。また地域によっては、提供会員が少なく、支援が必要な時に受けられないケースもあります。
それから事前に、対面による打ち合わせなどが必要なので、「今すぐ頼みたい」と急ぐ時には利用できません。「この日だけはどうしても!」という時は、早めに予約の連絡を入れておくとよいでしょう。
■デメリット2. 利用中の事故やトラブルが不安
サービスを受ける側としては、ファミサポ利用時に起こる事故やトラブルが一番不安でしょう。特に0~3歳未満の子どもは、絶対に目を離すことができません。転倒・転落、窒息や交通事故など、トラブルが起こりやすい年齢でもありますので注意しましょう。
会員になると保険の加入がありますが、他人に預けるのはやはり不安という人いるでしょう。
ファミリー・サポート・センター利用時のトラブルと注意点
気軽に利用できて便利なファミリー・サポート・センターですが、実はトラブルも少なくないようです。実際に起こりうるトラブルを紹介していきます。
気をつけよう!起こりやすいトラブル
ファミサポでは、どのようなトラブルが起こりやすいでしょうか。
■送迎時のトラブル
働いているママは、延長保育を利用したこともあるでしょう。急な仕事が入って保育園に迎えに行けず、ファミサポを利用するケースがあるかもしれません。しかし他人に子どもの送迎を頼むのは、少し不安になるでしょう。
チャイルドシートやジュニアシートの義務化は最近始まったので、その事実を知らない可能性も考えられます。常に車にジュニアシートやチャイルドシートがついているわけではないと理解し、センターのアドバイザーにあらかじめ確認すると良いでしょう。
■思いもよらないドタキャン
まれに、支援当日にドタキャンされることも考えられます。これは一番困ります。ほとんどの提供会員は活動を予定し準備していますが、久しぶりで活動を忘れられ、ドタキャンをすることも考えられます。不定期な活動の場合は、前もって双方で連絡し合うなど対策するとよいでしょう。
■閉鎖的な環境
子どもを預ける場合、会員どちらかの自宅で過ごすことが予測されます。そのためある程度、信頼関係を築いておく必要があります。最近では、子育て広場や公的な施設での預かりもできますので、センターのアドバイザーに確認しておきましょう。
利用時に注意すべきこと
利用の際にもし提供会員を選べるのであれば、できるだけトラブルを避けるために、ファミサポに慣れている会員を選びましょう。また保育士など有資格者や、同じ子育て世代であれば安心かもしれません。
提供会員はセンターの定める講習(少なくとも緊急救命講習や安全講習が必須)を受講した上で活動を行っています。ただし色々な人が登録しているので、会員によって支援の違いがあるのも仕方ありませんが、事故やトラブルは絶対に避けたいですね。不明なことがあれば、センターのアドバイザーへの相談をお勧めします。
《まとめ》
ファミリー・サポート・センターは、子育て世帯を支援してくれる重要なサービスです。提供会員により支援の質に差があるかもしれませんが、安価で地域とのつながりができる点で、とても素晴らしい支援です。事故やトラブルが起こらないように、細心の注意を払いながら上手に活用すると、育児を楽にしてくれるかもしれません。地域の住民同士が子育てを支え合う、「相互援助活動」が特徴的なファミリー・サポート・センター。会員同士がお互いを尊重し、支援してもらったら感謝の気持ちを伝えることも、活用のコツです。
※写真提供:PIXTA

監修者
1952年に名称を婦人少年協会として当時の労働省婦人少年局(現・厚生労働省雇用均等・児童家庭局)の外郭団体として発足。
1980年に財団法人となり、1999年、「女性労働協会」と名称を変更。
2012年には一般財団法人として、働く女性の地位向上及び女性労働者の福祉の増進を図ることを目的とし、さまざまな事業を展開している。
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