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2022.02.25

妊娠中のペットとの暮らし【獣医師】トキソプラズマなど感染症に注意

犬や猫などのペットを飼っている妊婦さんの中には、ペットが妊娠中の体や赤ちゃんに何か影響を及ぼすのではないか?と心配する人もいます。アレルギーの問題や病気の感染リスクなど、正しい知識をもって安全に楽しく暮らせるのが良いですよね。そこで専門家による、妊娠中から気をつけたいペットの飼い方のポイントを紹介していきます。出産後、赤ちゃんのいる生活を見据えてやるべきこともお伝えします。

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妊娠中のペットとの暮らしで気を付けるポイント

妊娠中のペット

 

ペットと暮らすことでストレスや不安が軽減され、幸福度が上がり、うつの症状が軽くなることが研究でわかっています。妊娠中は心のバランスが崩れやすいので、ペットとの暮らしにはたくさんのメリットがありますね。その反面、感染症に罹患するリスクもあります。

妊娠中から気を付けるべきポイントは大きく2つです。ペットと部屋を清潔にすること、過剰な接触をしないことです。具体的な内容は「感染症の予防法」をチェックしてください。

 

 

妊娠中に注意すべき感染症の予防方法

動物を介した感染症は色々ありますが、妊娠中に一番注意しなければいけないのはトキソプラズマ感染症です。

 

トキソプラズマ感染症とは

トキソプラズマ感染症とは、トキソプラズマという原虫が猫の排泄物から人に入り感染する病気です。

トキソプラズマが寄生した猫の糞便中に、虫卵に相当するオーシストが排泄されて、オーシストの経口摂取により感染が起こります。その他、豚に感染が起こった時に筋肉中にトキソプラズマのシストが形成されて、十分に加熱しない豚肉を人が摂取することにより、感染することもあります。

健康な人はほとんど症状がありませんが、抵抗力の弱い人は発熱、頭痛、言語障害、肝炎、肺炎といった症状が出る場合があります。

 

トキソプラズマ感染症は妊娠中の初期感染が問題

妊娠前にすでに感染しており、抗体を持っている状態は問題ありません。妊娠初期に初めて感染すると流産や死産、胎児の水頭症、視力障害や脳障害のリスクがあります。

妊娠中に感染していた場合は、投薬治療をしてエコーで赤ちゃんの様子を診ていきます。妊娠してから抗体検査をするだけではなく、妊娠前に抗体検査を行っておくことも必要です。

 

妊娠中の感染症の予防方法

妊娠中も自分の安全を守りながらペットと楽しく過ごせるように、予防策をしっかりとっていきましょう。

 

手洗いをしっかりする

 

ペットに触った後はもちろん、ペットのトイレや部屋掃除の後も手洗いを徹底しましょう。また上のお子さんがいる場合、公園の砂場で遊ぶことで猫の排泄物を触ってしまう可能性があるので、妊娠期間中は気を付けましょう。

ペットを飼育していない人の感染事例もあります。その場合はおそらく庭などにトキソプラズマに感染した猫が排便をして、人が庭仕事の後、食事の前に十分な手洗いを行わなかったためにオーシストが経口摂取されてしまったと考えられます。ですので、食事をする前の十分な手洗いは必須です。土壌中にオーシストが混入すると、糞便自体がなくても汚染土壌となっています。土などを触った後はお子さんだけではなく、妊娠中のママも必ず手洗いを行ってください。

 

ペットの健康を守る

 

獣医師の定期的な健康診断を受けて、普段から健康に気を遣ってあげましょう。また、シャンプーやブラッシングを心がけ清潔を保ってあげましょう。できれば室内飼いが安心です。

 

過度の接触をしない

 

ペットとキスをする、一緒に寝る、口移しで食事をあげる、食器を共有するといったことはやめましょう。普段は問題なかったとしても、抵抗力が弱まっている妊娠期は注意が必要です。

 

 

ペットが赤ちゃんのいる生活に慣れるための準備

赤ちゃんとペット

 

赤ちゃんが新しく家族として加わるという環境の変化は、ペットにとってもストレスとなります。

 

妊娠中にできるペットのための準備

赤ちゃんが居ることで情緒不安定になったり、飼い主にかまってもらえず体調を崩したり、今までできていたことができなくなることがあります。

妊娠中に、赤ちゃんの存在を少しずつ知ってもらえるような準備をしましょう。

 

赤ちゃんのスペースを作り、赤ちゃんの泣き声を聞いてもらう

 

赤ちゃんが過ごす場所を決めて、ベビーベッドやおもちゃを置いてペットに見てもらいましょう。赤ちゃんの泣き声をスマホなどで流したり、おもちゃを動かしたり、音にも慣れてもらいましょう。

 

ママ以外の人もお世話をする

 

授乳やおむつ替えなどのお世話で、ママは赤ちゃんにつきっきりになってしまいます。パパや他の家族全員が同じようにペットの世話ができるように準備していきましょう。

 

1人でも過ごせる時間を作る

 

ペットといつもべったり一緒にいるのではなく、意識してそれぞれの時間を作るようにしましょう。ゲージの中で遊んだり、寝られるように練習をしていきましょう。

 

出産後はペットの反応をしっかり観察

ペットの中でも犬は群れで暮らす動物なので、人を含めた家族の順位が重要になります。赤ちゃんが生まれたからといって、犬よりも順位が上になるとは限りません。犬と赤ちゃんだけになることを避けて、個体差があるので、犬がどのような反応をするかを観察してください。

犬の行動に大きな変化がなければ、徐々に、犬と赤ちゃんだけの時間を作って離れた所から犬の反応を観察してください。あわてずに時間を掛けて、犬と赤ちゃんの関係を作って行くことが重要です。

 

猫は元々、単独で暮らす動物です。猫自体が赤ちゃんを受け入れるかどうかなので、赤ちゃんに対して猫がどのような行動を取るかを観察してください。

 

 

《まとめ》

 

ペットと暮らすことで心が安らぐのは、妊娠中の不安な時期にとても大きなメリットとなります。ペットも赤ちゃんも大切な家族です。感染予防をしっかり行いながらペットとの暮らしを楽しみたいですね。

             

監修者

林 健一 先生

獣医師

1981年3月学校法人日本医科大学日本獣医畜産大学獣医学科卒業
1981年4月獣医師免許取得
1981年4月堀場獣医科病院勤務
1984年12月堀場獣医科病院退職
1985年3月林獣医科病院開業
2013年5月一般社団法人日本小動物獣医師会理事・獣医事対策委員長
2017年5月一般社団法人日本小動物獣医師会副会長     

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