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2021.06.11

妊娠中のコーヒーには注意!妊婦さんへおすすめの飲み物を紹介【東京都栄養士会監修】

妊娠がわかってから「カフェイン」を気にして、コーヒーを飲まなくなったという妊婦さんは多いのではないでしょうか。妊娠中はなぜカフェインがいけないのか?カフェインの過剰摂取がどう影響するのかを解説します。

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妊娠中はコーヒーの飲み過ぎに注意

妊娠中のコーヒー

 

妊娠中にコーヒーを飲んでも良いですが、過剰摂取はNGです。

 

妊娠中のコーヒーによるカフェイン摂取

カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。このため、食品からのカフェインの摂取に関しては、国際機関などにおいて注意喚起等がなされています。

 

日本では農林水産省から、コーヒーは適切に摂取すればがんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られています。しかしカフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。

また長期的な作用として、人によってはカフェインの摂取により、高血圧リスクが高くなる可能性があると言われています。妊娠中の女性が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性も報告されています。

 

これらを踏まえて、妊娠中にコーヒーを飲むことは必ずしも禁止ではありませんが、過剰摂取にならないように注意する必要があります。

 

 

妊娠中のカフェイン摂取による胎児への影響

妊娠中のカフェインの過剰摂取は、胎児に影響が出る可能性があります。

 

胎児の成長遅延・出生児の低体重など

世界保健機関(WHO)は2016年に、妊娠中のカフェイン摂取について新たな勧告を公表しました。コーヒーは高カフェイン摂取の最も一般的な原因の一つ。妊娠中は母親の血液からのカフェインの消失が著しく遅くなります。そのためカフェインの過剰摂取は、胎児の成長遅延、出生児の低体重、早産、または死産と関連する可能性が示唆されているとのことです。

 

 

妊娠中に注意すべきコーヒーなど飲み物のカフェイン量

コーヒーの他にも、カフェインを含む飲み物は複数あります。カフェイン量に注意してみていきましょう。

 

妊娠中のコーヒーは1日1杯

カフェインは紅茶、コーヒー、清涼飲料水、チョコレート、エナジードリンクなどに含まれます。世界保健機関(WHO)が2016年に出した勧告によると、1日のカフェイン摂取量が300 mg を超える妊婦さんに対して、流産や新生児の低体重リスクを低減するために、妊娠中はカフェイン摂取量を制限するように注意喚起しています 。

カフェインを含むコーヒー、紅茶、緑茶も、1日1杯程度でリラックスできるなら良いでしょう。ただし逆に、飲むことで妊婦さんの心配につながる場合はおすすめできません。

 

飲み物に含まれるカフェイン濃度

コーヒーや紅茶のほか、身近なところではウーロン茶、ジャスミン茶、ココアなどにもカフェインが含まれています。市販のペットボトル飲料に含まれる、カフェイン量の目安は以下の通りです。

 

市販の飲料のカフェイン量目安

 

・ホット「ほうじ茶」ミニペットボトル

 約40mg/1本275mlあたり

・「ココア」缶入り

 約20mg/1本275gあたり

・「緑茶」ペットボトル

 約85mg/1本500mlあたり

・「紅茶」ペットボトル

 約45mg/1本500mlあたり

・「ウーロン茶」ペットボトル

 約100mg/1本500mlあたり

 

※(参考)食品中のカフェイン濃度  

 

カフェインを多く添加した清涼飲料水

32~300mg/100mL

製品によってカフェイン濃度・内容量が異なる

インスタントコーヒー(顆粒製品)

1杯当たり80mg

2g使用した場合

コーヒー(浸出液)

 60mg/100mL

浸出法:コーヒー粉末10g、熱湯150mL

紅茶(浸出液) 30mg/100mL 浸出法:茶5g、熱湯360mL、1.5~4分
せん茶(浸出液) 20mg/100mL 浸出法:茶10g、90℃430mL、1分
ほうじ茶(浸出液) 20mg/100mL 浸出法:茶15g、90℃650mL、0.5分
ウーロン茶(浸出液)

20mg/100mL

浸出法:茶15g、90℃650mL、0.5分

玄米茶(浸出液)

10mg/100mL

浸出法:茶15g、90℃650mL、0.5分

 

※カフェインを多く添加した清涼飲料水は、市販4製品の成分表示等

(2017年5月29日)一般社団法人全国清涼飲料工業会調べ

※コーヒー、インスタントコーヒー、紅茶、せん茶等

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より引用

 

 

妊娠中におすすめの飲み物

妊娠中の飲み物

 

妊娠中は身体の血液量が普段の40%も増え、水分が必要な状態です。赤ちゃんを守る羊水も水分でできているため、水分が非常に大切。妊婦さんは普段より汗をかきやすく喉も渇きがちですから、こまめに水分を補給しましょう。

 

炭酸水

ペリエなどの炭酸水は、妊娠中やつわりがあるときにも飲みやすい口当たりです。レモンなどを入れてもおいしく飲めます。糖質の摂りすぎを避けるため、炭酸水は砂糖を含まないものを選ぶとよいでしょう。

 

牛乳

お腹の赤ちゃんは成長に必要なカルシウムを胎盤を通して受け取り、骨や歯を作っています。カルシウムは、妊娠中にしっかり摂取したい栄養素の一つです。牛乳にはカルシウムが多く含まれているのでお勧めですが、過剰摂取を避けて適量を心がけましょう。

 

麦茶などノンカフェインのお茶

ノンカフェインの飲み物といえば、麦茶です。

近年では、カフェインレスとデカフェ、ノンカフェインのコーヒーも見かけますよね。カフェインをまったく含まないのは「ノンカフェイン」です。

「カフェインレス」と「デカフェ」は少なからずカフェインが含まれており、カフェインを含むお茶やコーヒーからカフェインを取り除いたものになります。コーヒーであればカフェインを90%以上除去した場合のみ、「カフェインレスコーヒー」と表示できるそうです。多ければ10%程度含むこともありますので、ご注意ください。

お店には、カフェインレス・ノンカフェイン・デカフェ、といろいろな表示の商品がありますが、言葉によって意味が異なります。

 

 

《まとめ》

 

カフェインを摂取することが不安に感じるのであれば、妊娠中は避けておきましょう。わからないことや不安なことがありましたら、かかりつけの医療機関のほか、お近くの保健所、市区町村の母子担当係等へお問合せいただくことをお勧めします。

 

※写真提供:PIXTA

 

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