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2021.03.08

【出産場所の決め方】助産師監修・安心して産むための5つのポイント

妊娠がわかり出産場所をどうするか考えた時、出産する場所の選択肢には総合病院、〇〇産婦人科のような病院やクリニック、あるいは助産院といった様々な施設があります。

本テーマでは、それぞれの施設の特徴や違いについて、助産師の視点で紹介します。自分に合った出産場所を選ぶためのポイントを、解説していきます。

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出産場所は総合病院・専門病院(クリニック)・助産院?

出産場所の決め方

 

人生の一大イベントである、出産をどこで迎えるかを考えることは、とても大切です。

様々な施設の特徴を知り、妊婦さんの健康状態や妊娠の経過、赤ちゃんの健康状態、ご夫婦、ご家族の意向に合った場所を選ぶことで、より安全で妊婦さん自身が納得し、満足できた出産は育児のスタートを助けます。これから選ぶ上でのポイントをお伝えしていきますね。

 

大学病院

 

高度の医療を提供する病院です。

N I C U(新生児集中治療室)や産婦人科以外の診療科もあり、基礎疾患のある妊婦さんや妊娠の経過に注意深いフォローが必要な場合、また赤ちゃんの健康状態にやや心配がある場合は、大学病院が適しています。

また、医療者の教育機関であり、研究の場所でもあるため、研修医や看護・助産学生などの立ち会いが多いのも特徴です。

 

健康に命をつなぐため、様々な準備と対応を最優先で確保しています。ただ、その分妊婦さんのこうしたい!という細やかな希望をマンパワーや施設的特徴からしっかり確保することは難しい場合もあります。

他の施設で出産を希望し、経過中に少し心配な状況が起きた際、転院する場合もあります。

 

総合病院

 

病床数100床以上で、主要な診療科が複数ある病院です。

三次救急施設、総合周産母子医療センターを兼ねている場合も多く、規模にもよりますが、小児科や麻酔科との連携も取れている施設もあります。

最近では、医療体制が充実している中でも経過が順調であれば、医療処置を最小限にアットホームな雰囲気の中で妊婦さんが主体になって助産師が一連をサポートする、「院内助産」というシステムがある病院も増えてきました。

病院の中に助産院があるようなイメージです。万が一異常な出産になった場合は、すぐに手術など緊急対応ができるため安心です。

 

専門病院

 

産婦人科が専門で、入院病床数が20床以上の規模の施設です。

施設によって分娩方針や産後のケア方針が違いますので、確認する必要があります。

 

専門医院

 

産婦人科医師が1人以上おり、入院病床数が19床以下の施設です。「クリニック」や「診療所」と記載されています。

婦人科のみの施設や、妊婦健診はできるけれど分娩は別の施設でというところもありますので確認しましょう。

 

助産院

 

助産師が開業している施設です。助産師は基本的に医療行為ができないため、正常な分娩のみを扱います。

「自分の力で産む」という女性の力を最大限に引き出し、自然で安楽なお産となるよう妊娠期の体づくりを大切にしています。妊娠期のクラスや身体のケア、お産準備などのクラスが豊富で、助産師と多く話し合いながら出産に向かっていきます

。母子ともに健康で経過が順調な妊婦さんが対象で、助産師といろんなことを語り合いたい、自分らしいお産したいと願う妊婦さんは、一度問い合わせをしてみると良いでしょう。

 

助産院によって異なりますが、フリースタイル分娩、立ち会い分娩、水中出産、自宅出産などができます。

妊娠の経過、分娩の進行状況によって医師の介入が必要となった場合は、嘱託医や連携医療機関と連携することになります。

 

 

出産場所選びのチェックポイント5つ

どんな出産にしたいのか?

・なるべく医療介入のない自然な出産にしたい。

・母子の安全を最優先にしたい。

・無痛分娩にしたい、分娩の日が予め決まっているほうが良い。

・誰かに立ち会ってほしいか、家族と分娩時どうすごしたいか。

・入院中の面会条件や家族の宿泊の可否など。

 

自分の希望をあげてみて、その希望と方針の合う施設を選びましょう。

そして、希望も大切ですし、元気な赤ちゃんと家に帰ることも大切ですので、病気で治療中の方は主治医と相談しながら出産場所を選ぶことも必要になる場合があります。

他にも下記のようなポイントがありますので参考にしてくださいね。

 

出産場所選び

 

チェックポイント1. 自宅からの距離、通いやすさ

 

出産まで何回も受診に通うことになります。自宅からの距離、交通手段も判断基準のひとつになります。

たとえば陣痛がきたとき、緊急で受診が必要になったときなどは近いと安心です。バス、電車の混雑、道路の渋滞なども受診の際のストレスになりがちです。

また里帰りなどの予定で妊婦健診のみで通っている場合は、夜間の緊急時の対応を事前に施設に確認しておく必要があるでしょう。

 

チェックポイント2. 費用

 

正常な出産は、保険適応外のため、分娩費や入院費は各病院によって違います。また夜間や休日の入院、救急搬送などで思った以上に費用がかかる場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。

出産時は「出産育児一時金」という制度があり、分娩にかかる金額を補填できます。保険組合から施設に直接支払われ、退院時に差額のみ支払うことができますが、手続きが必要です。

 

チェックポイント3. 分娩の種類

 

妊婦さんが楽と感じる姿勢で陣痛中過ごし、お産も四つ這いや側臥位、座位など自由な姿勢で産む「フリースタイル出産」が可能な施設や、無痛分娩の有無、会陰切開についての考え方、計画分娩できる病院など多様です。それぞれの施設で安全を確保しながら行える方法が異なります。

また立ち会い出産希望の場合は、その可否と誰が立ち会えるかなども確認しておくと良いでしょう。

 

チェックポイント4. 入院生活

 

・入院日数

・母児同室か母児別室か

・母乳育児についての方針

など病院の基本的な方針と自分の希望があっているかも大切です。

 

チェックポイント5. サービス

 

入院する部屋も施設で違いがあり、大部屋、全て個室対応など様々です。食事もお祝い膳としてフレンチなどのコースが出る施設もあります。

ホテルの様にタオルやパジャマなどのリネン類、シャンプーなどのアメニティが揃っているなど施設によって特徴的なサービスがあります。

 

 

安心して出産するために行うべき3つの事

出産場所の情報収集

 

出産はとにかく不安がいっぱい。少しでも安心して出産するために、施設のスタッフやご家族とコミュニケーションを重ねながら、無理なくできることをやっていきましょう。

 

1. マタニティクラスで知識を得る

 

妊婦健診でしっかり経過をみていくことは、安全に産むための大切なポイントです。出産後は、あっという間に昼夜ともに赤ちゃんのお世話で忙しくなる日々に突入します。

妊娠・出産・産後について、インターネットの情報以外にも地域、自治体などのプレパパママ学級、分娩施設でのクラス、公的なサポートなど社会資源、パパやその他ご家族のサポート体制、地域での仲間づくり、地域の母乳育児相談施設など多様なネットワークと、少し先を見据えた知識や体制づくりもしていきましょう。

 

2. 初診前に十分な下調べをする

 

インターネットで気になる施設の情報を見ておきましょう。どんな理念なのか、過去の実績、スタッフの様子などチェックしておくと良いでしょう。それでもわからないことがある場合は、電話で問い合わせましょう。

 

3. 妊娠中から医師や助産師とコミュニケーションを

 

妊娠から出産、育児はご家族で迎える一大イベントです。それぞれの施設で多様な方法がありますが、皆が良い時を過ごしてほしいと願っています。

お産は医療者と一緒に作り上げていってほしいと思います。コミュニケーションを取ることは、安心して産むための経過にも良い影響を及ぼします。

スタッフと対話してくださいね。妊婦健診のときなど医師や助産師に心配や思いを表現してくださいね。

 

 

《まとめ》

 

出産は妊婦さん自身が納得して決めることが大切です。わたしたち助産師は、選んでいただいた妊婦さんたちに、「産んで良かった!」と思ってもらえるように全力でサポートします。

様々な施設の特徴を知り、自分らしく安心して前向きに出産できる場所を見つけられますよう願っています。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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