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2021.07.26

出産手当金の申請方法や必要書類を解説!いつ・いくらもらえるの?

お腹の赤ちゃんが育つ喜びを日々感じながらも、出産が近づくにつれ気になる、お金の問題。出産や育児に関して「もらえるお金」はいくつかあり、今回はその中の一つ「出産手当金」についてご説明します。こちらは、働く妊婦さんが出産のために休むことを応援してくれる、心強い制度です。この記事で内容を確認し、申請方法など準備を始めましょう。

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出産手当金とは

出産手当金とは

 

働く妊婦さんのほとんどが「産前産後休業」で産前6週間(多胎妊娠は14週)、産後8週間、仕事を休むことになります。産前産後休業の間、給与が支払われるか否かは企業によって異なります。

これから出産・育児に向けてお金が必要な妊婦さんにとって、給与が出ないとなると不安ですね。そこで、給与に代わって収入を補う目的で支給されるのが、「出産手当金」です。原則として、賃金の3分の2相当が支払われます。

 

 

出産手当金をもらえる条件

出産手当金は、どのような方がもらえる給付金なのでしょうか?条件や期間を確認しましょう。

 

「健保(共済)加入」と「無給」が原則

出産手当金給付の対象となるには、勤務先の健康保険(公務員の場合は共済)に加入していること(被保険者であること)が必要です。正社員ではないアルバイトやパート勤務の社員でも、健康保険に加入していれば給付の対象となります。

しかし、国民健康保険の加入者(自営業・フリーランスなど)や、夫の健康保険に加入する被扶養者の方は、給付の対象外となります。

 

もう一つの条件が、産前産後休業中に給与を受け取っていないことです。ただし例外として、本制度の趣旨が収入を補うためのものであることから、給与が出産手当金より少ない額である場合は、その差額分を受け取ることができます。

 

出産手当金の対象期間

出産手当金を受けられる対象となる期間は、出産予定日を含めて産前6週間(多胎妊娠は14週)と産後8週間、一般的に言われる産前休業、産後休業の期間です。出産が予定日より遅れた場合は、遅れた日数分の手当金も支払われます。

 

出産一時金との違い

よく似た名前の制度で「出産一時金」というものもあります。出産手当金との違いは、目的・対象・金額です。こちらは、分娩費用の負担軽減を目的として支給されます。

健康保険加入者、国民健康保険加入者がともに対象となり、夫の扶養に入る専業主婦の方も受け取ることができます。

所得や算定日数に応じて金額が変動する出産手当金とは異なり、こちらは赤ちゃん一人につき42万円(場合によっては40.4万円)と金額が決まっています。

 

 

出産手当金の計算方法

出産手当金の計算

 

出産手当金で受給できる額は、冒頭で「賃金の3分の2相当」と触れ、また出産一時金との違いとして、金額が変動すると説明しました。

以下では、具体例を交え、もう少し詳しく解説します。

 

出産手当金の計算方法の具体例

1日あたりの支給額は、次の式で算出されます。

「直近1年間の標準報酬月額の平均額÷30日×(2/3)」

 

標準報酬月額とは、「被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を、区切りのよい幅で区分したもの」です。基本給に加え、「役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等、労働の対償として事業所から現金又は現物で支給されるもの」も含まれます。

(出典:全国健康保険協会 協会けんぽHP

 

また入社して1年未満の場合、「各月の標準報酬月額の平均額」と「30万円」を比べ、低い方の金額を用いて算出します。

 

「勤続1年以上、標準報酬月額の平均が30万円のAさん」

「勤続7ヶ月、標準報酬月額の平均が24万円のBさん」

この二人の具体例で解説しましょう。

 

Aさんの日額は 30万円÷30日×2/3=6,667円

Bさんの日額は 24万円÷30日×2/3=5,333円

(7ヶ月間の標準報酬月額平均が30万円未満のため、標準報酬月額の平均値を用います)

 

もし仮に、二人とも予定日通りに出産した場合、

産前6週間+産後8週間=合計14週間(98日)

休むことになります。

 

よって最終的な出産手当金の受取額は、

Aさんの場合、6,667円×98日=653,366円

Bさんの場合、5,333円×98日=522,634円

このように算出されます。

 

出産日が予定日より遅れても大丈夫

予定日よりも遅れて出産した場合、その遅れた期間についても支給対象となるのでご安心下さい。また出産日当日は、産前休業と同じく産前期間に含まれる点も認識しておきましょう。

 

 

出産手当金の申請方法・流れ

出産手当金をもらうためには、手続きが必要です。自動的にもらえる手当ではないため、本章で流れを押さえておきましょう。

 

産休前にやるべきこと

受給準備は、産休前から始まります。まずは条件を見て、ご自身が受給対象であることを確認します。わからない場合は、まずは総務部や人事部など、社内の健康保険担当窓口に聞いてみましょう。それでもわからない場合は、加入している健康保険組合に問い合わせましょう。

そして、社内の担当窓口に出産手当金を申請したい旨を連絡し、「健康保険出産手当金支給申請書」を受け取りましょう。ご加入の健康保険組合のホームページから、ダウンロードすることも可能です。

 

産休中・出産・入院時にやるべきこと

出産を終えたら退院までの間に、担当医師に書類作成をお願いします。「健康保険出産手当金支給申請書」の出生の証明欄に記入してもらいましょう。病院によっては、退院までにはもらえず、後日自宅に郵送されることもあります。

また文書料がかかる病院もあるので、気になる方は事前の検診で確認しましょう。

 

産休明けにやるべきこと

産後休業(産後8週間)が明けたら、必要事項を記入し、会社の健康保険担当窓口に書類を提出します。一般的には「健康保険出産手当金支給申請書」「健康保険証の写し」が必要となります。健康保険組合や就労状態によって異なる場合もあります。

職場や健康保険組合に事前に確認すると、手続きがスムーズですね。事業主の証明欄は、この時に会社の窓口の担当者が記入してくれます。

 

出産手当金はいつ振り込まれる?

申請が完了してから2週間~2ヶ月後、健康保険組合から指定口座に給付金が振り込まれます。なくなった収入の補償となる制度ですが、給付金を実際に受け取るのは産後となり、その間は実質無給の状態となります。

出産費用とは別に、出産手当金が振り込まれるまでの間の生活資金についても、計画的に準備しましょう。

 

出産手当金の申請は産前・産後で分割も可

出産手当金は、産前産後分をまとめて請求するのが一般的です。しかし、産前・産後の2回に分けて申請することも可能です。

1回目の申請で医師による「出生の証明」がされた場合は、2回目の申請時には、この証明は省略可能です。ただし事業主の証明はその都度必要ですので、注意しましょう。

 

 

《まとめ》

 

今回は、出産手当金について説明しました。働く妊婦さんが安心して赤ちゃんを迎えるためには、手当や給付の知識も積極的に学ぶことが必要です。子どもが生まれると、暮らしや環境がそれまでのから一変します。家計的にも生活費や保険料、家賃など、大きな変化があることが想定されるのです。赤ちゃんが誕生して慌ただしい生活になる前に、変化に対応する準備をしましょう。お金の勉強をしておくことで、ゆとりのある子育てに一歩近づけますよ。

           

1952年に名称を婦人少年協会として当時の労働省婦人少年局(現・厚生労働省雇用均等・児童家庭局)の外郭団体として発足。

1980年に財団法人となり、1999年、「女性労働協会」と名称を変更。

2012年には一般財団法人として、働く女性の地位向上及び女性労働者の福祉の増進を図ることを目的とし、さまざまな事業を展開している。

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