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2021.06.25
妊娠初期の仕事で気を付けたいこと【いつ職場に報告する?】
妊娠したことがわかり、嬉しい反面、今の仕事内容は続けてよいものなのか不安になることもありますね。また、どの時点で職場に報告すればよいのか、同僚にはいつ伝えたらよいのかも迷います。今回は、妊娠初期に仕事で気をつけたいこと、仕事中のつわりの乗り切り方、上司や同僚への報告のタイミングについて説明していきます。
目次
妊娠初期の仕事で気を付けたいこと
妊娠初期はまだ赤ちゃんが小さく、妊婦さんの腹筋や臓器などで十分守られています。妊婦さんが健康で動けているのであれば、基本的に仕事を続けても問題はありません。しかし、仕事によって過度のストレスを感じたり、疲労を感じる場合には仕事をセーブしたりお休みした方が安全です。
お腹の中の赤ちゃんは妊婦さんの血液から、栄養や酸素をもらって成長していきます。妊婦さんの体が疲れたりストレスが多い生活をしていると、十分な血液が赤ちゃんに届かなくなってしまう可能性があります。
お腹が張る、出血といった切迫流産の兆候がある場合は、仕事を中断しすぐに横になって安静にしてください。安静にしてもお腹の張りがおさまらなかったり、出血が続くようであれば受診しましょう。
では、妊娠初期にはどのような仕事内容に注意が必要なのでしょうか。具体的にみていきましょう。
長時間の立ち仕事
美容師、看護師、レジ、販売店員など普段から長時間立って仕事をしている場合、妊娠の経過が順調なら妊娠後も変わらず働いて問題ないでしょう。
しかし働きすぎたり、ストレスがかかると体調を崩してしまうため、無理をしないことが大切です。立ちっぱなしが辛い、立っていると疲れる、といった場合には休憩したり、座ってできる仕事にしてもらうなど必要でしょう。
力仕事
品出し、引越し業務、配達や荷下ろしなど重い物を扱う仕事に関しては、続けることをおすすめしません。重い物を持つ、おろす、という動作は腹筋を使うため、お腹に負担がかかります。
また、妊娠してから骨盤が緩みやすいため、腰痛や股関節痛などのマイナートラブルを引き起こす原因にもなります。重い物を持つ業務は免除してもらう、お腹に負担のかからない業務に担当替えしてもらえるように申し出ましょう。
長時間歩く仕事
外回りの営業職など、長時間外出し体を動かすような仕事も、妊娠中はおすすめできません。適度な運動は妊娠中の体重管理や健康維持のためには必要ですが、過度の運動は動かしている筋肉に血流が優先され、子宮へ血液が届かなくなってしまいます。
外回りは代わってもらうなど、業務内容の工夫を職場と相談してみましょう。
全身運動を伴う仕事
スポーツインストラクター、ヨガ講師など、妊娠前から常に体を動かしている人は妊娠の経過が順調なら仕事を休む必要はありませんが、仕事の内容は十分に注意する必要があります。筋力トレーニングなど重いものの上げ下げ、腹部に負荷がかかるような動きは避けましょう。
妊娠初期の仕事の乗り越え方・つわり対策
妊娠初期のつわりや体調不良で、いつもの仕事ができない場合もあるでしょう。妊娠による体の変化は当たり前のことですから、できない自分を責めるのではなく、うまく症状と付き合いながら無理をせずに自分のできる範囲で働く、という方向に考え方を変えていかなくてはなりません。
仕事中につわりで辛い時の対処法
吐き気が強い時は、ガムを噛んでいると楽になる人もいます。また、食べづわりの人は、すぐ口にできるような飴やクッキーなどを手元に置いておくと安心です。水分が足りていないと余計に吐き気が出るため、水分補給はこまめにしましょう。
昼休憩は10分でも楽な体勢で休憩することをお勧めします。横になれるのが一番よいですが、それが叶わない環境であれば椅子に座って目を閉じるだけでも血流が回復します。
また、冷えは全身の血流を滞らせてつわり症状を悪化させてしまうので、体温調整できる洋服を準備したり、足首やお腹周りを温めるようにしましょう。
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)を活用
母健連絡カードとは、健康診査等を受け、作業の制限や時間短縮・休業など、医師や助産師から指導を受けた内容を会社に的確に伝えるためのカードです。ほとんどの母子手帳に綴られていますが、厚生労働省のウェブサイトからもダウンロードできます。
※母健連絡カードは、令和3年7月1日から様式が改正されました。7月からは、新しい様式のカードを使いましょう。
改正後の様式はこちら(女性にやさしい職場づくりナビ)
【母健連絡カードで伝える母性健康管理の措置内容】
母健連絡カードは診断書と同じ効力がある書類です。かかりつけの医師等(産科医や助産師)に書いてもらい、会社へ提出します。企業は、母健連絡カードにより指導された措置を講じなければいけないことになっています。
措置の内容は男女雇用機会均等法の指針で以下のように定められています。
◆妊娠中の通勤緩和
時差通勤や勤務時間の短縮、通勤手段の改善などの措置
◆妊娠中の休憩
休憩時間の延長、休憩回数増加などの措置
◆妊娠中の症状等に対する措置
作業の制限、勤務時間の短縮、休業などの措置
◆新型コロナウイルス感染症に対する措置(令和4年1月31日まで)
感染するおそれへのストレスについて、作業の制限、出勤の制限(在宅勤務又は休業)などの措置
おすすめ情報
妊娠初期の段階で職場に報告はすべき?
仕事の調整や引き継ぎのこともあり、妊娠の報告をいつどのように報告したらよいか気になりますね。
直属の上司には早めに報告する
母性健康管理上は、報告するタイミングが早いほど身体に負担が少ない環境で働くことができるようになりますが、妊娠12週までは自然流産が約15%起きると言われています。この頃までは公言しない方がお互いに気まずくならないため、よいでしょう。
ただ、妊娠初期はつわりの症状が強く出たり体調が優れないことが多く、いつもと同じ業務内容というわけにはいかないことがあります。そのため、直属の上司には報告しておいた方が安心です。
妊娠中期以降に上司から順に伝えていく
妊娠の報告は、親しい同僚から伝えたい気持ちはわかりますが、目上の人から順に報告するのが礼儀としてはよいでしょう。今後、妊娠中に何かあったり、産休・育休を取得するなど、上司や同僚にお世話になります。礼儀をわきまえてお互い気持ちよく仕事ができるようにしましょう。
《まとめ》
妊娠初期はつわりなど体調不良になりやすく、心も身体もデリケートな時期です。とにかく無理をせず、自分の身体を一番に考えて就業時間を短くしたり、休憩を長くとったり、お休みをもらうなど、職場の上司に相談しながら対策をとりましょう。適切に伝えるためには母健連絡カードの活用をおすすめします。妊娠の報告は、まずは直属の上司に伝え、その後安定期に入ってから徐々に周りに伝えるようにしましょう。
※写真提供:PIXTA
監修者
1952年に名称を婦人少年協会として当時の労働省婦人少年局(現・厚生労働省雇用均等・児童家庭局)の外郭団体として発足。
1980年に財団法人となり、1999年、「女性労働協会」と名称を変更。
2012年には一般財団法人として、働く女性の地位向上及び女性労働者の福祉の増進を図ることを目的とし、さまざまな事業を展開している。
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