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2021.02.08

【産科医が解説】産後の生理再開はいつ?授乳と生理の関係とは

産後ママが赤ちゃんのお世話に慣れてきた頃ふと気になる、生理の再開について。いつくらいに再開するママが多いのでしょうか?母乳育児と生理再開の関係や、次の妊娠に向けて、知っておいてほしいことを産科医がお伝えします。

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産後の生理はいつごろ再開する?

産後の生理

 

産後のママの体が回復するまで、一般的に6~8週間かかるといわれています。

さらに生理が再開するまでには時間がかかりますが、産後に生理が再開するということは、子宮が次の妊娠のための準備ができたというサインでもあります。

 

■産後のママの半数が半年以内に生理再開

 

産後の生理再開は個人差があります。一般的に母乳育児のママは産後3~4ヶ月頃、ミルク育児のママは産後2ヶ月頃に生理が再開することが多いようです。

遅めのママですと、産後半年から1年くらいで生理が再開する人もいます。

 

■生理が1年経ってもこない時は産婦人科受診を

 

産後、生理がなかなかこないと何か病気なのでは?と不安になる方がいるかもしれません。

産後に生理がこない原因として考えられるのは、授乳を続けているという生理的な要因以外に、子宮筋腫、ポリープ、甲状腺機能の亢進(必要以上に活発になる)または低下などの病気があげられます。

また、産後うつの治療薬の副作用で生理不順になる場合もあります。

 

産後の生理再開が遅いと感じたらどの時点で産婦人科に診てもらうと良いのでしょうか。

産後1年経っても生理がこない、生理不順が続く、生理が来たとしても以前に比べて出血量が多い、生理期間が長いといった場合は一度、産婦人科を受診すると良いでしょう。

血液検査でホルモン状態などのチェックをし、生理が遅れている原因が授乳によるもので様子を見て良いのか、もしくは他の病気が隠れているのかを知ることができます。

 

 

母乳育児は生理再開が遅れる?授乳と生理の関係

母乳育児をしている間は生理がこない、と聞いたことがあるかもしれませんね。実際はどうなのでしょうか。

授乳と生理はどのような関係があるのか、説明していきます。

 

■母乳生成ホルモンは排卵を抑制する働きがある

 

母乳育児をしていると、プロラクチンというホルモンが分泌されます。プロラクチンは母乳を作り出すホルモンで、分娩直後に一番多く分泌され、その後は減少していきますが、授乳するたびに分泌量が増えます。

プロラクチンは卵子を成長させるためのホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑え、排卵を止める働きがあります。

このことから、プロラクチンの分泌が続く限り、基本的には生理はこないというのが理論上の話です。

 

ただ、実際は母乳育児をしている間は生理がこない、というわけではありません。

完全母乳のママでも産後3ヶ月で生理がくる人もいますし、昼間はミルクや離乳食で夜中に1回だけ母乳をあげているママでも生理が1年以上こない人もいて、個人差が大きく予測できないのが現状です。

 

■完全ミルク育児のママは母乳育児のママよりも生理開始の時期は早い

 

プロラクチンの分泌量は、母乳を与えないと産後1~3週間で妊娠前の状態に戻ります。そのため、完全ミルク育児のママは産後2ヶ月くらいで生理が再開することが多いようです。

 

■ストレスや不規則な生活・食事でも生理は遅れる

 

産後の心身の疲労が大きかったり、睡眠不足や育児ストレス、栄養不足といったことが原因で女性ホルモンの分泌が減少したりバランスが崩れることで、生理開始が遅れる場合もあります。

産後はどうしても赤ちゃんのことを優先してしまいがちですが、自分の体も労ってあげてくださいね。

 

 

生理が再開するまでは妊娠しないって本当?

産後の生理と妊娠

 

生理がこなくても排卵している場合がありますので、妊娠の可能性はあります。生理がまだこないから避妊しなくても良い、ということではありません。

 

授乳中でも排卵があると妊娠の可能性はある

完全母乳で育児を続けていても、授乳中に生理がくる人もいます。授乳中は大丈夫と思っているママもいるようですが、妊娠の可能性はあります。

また、生理前に排卵が起きている場合もありますので、生理のあるないに関わらず、妊娠を希望しない場合は避妊をしましょう。

 

もし妊娠したら授乳はやめるべき?

妊娠中の授乳に関しては、意見が分かれるところです。

授乳をすることでオキシトシンというホルモンが分泌されますが、その作用によって子宮が収縮することがあります。そのため、授乳によって流産・早産につながる可能性もあるので、妊娠したら授乳をやめるべきという考えがあります。

 

逆に、授乳が直接流産・早産につながるという根拠が明確にはないので、妊娠したからといって直ちに授乳をやめる必要はない、という考えもあります。特に初期の流産に関しては授乳の有無は関連していないと考えられています。

ただ流産や早産の既往があったり、お腹が張るといった兆候がある場合は、かかりつけの産科医と相談して、授乳を止めるという選択肢もあります。妊娠経過に特に問題がなければ、その後も体調や胎児の様子を見ながら授乳を続けていくママもいます。

 

授乳を止めるのも続けるのも、選ぶ権利はママにあります。医師や助産師と相談しながら、ママの体調や気持ち、上のお子さんの様子などを考え、自分なりに納得して決断できると良いですね。

 

 

《まとめ》

 

産後、生理が再開する時期は個人差があるものの、だいたい3ヶ月前後から半年あたりに再開する人が半数以上です。母乳をあげているママはミルク育児のママよりも生理開始は遅れますが、その期間は人それぞれです。

産後1年経過しても生理がこない場合には産婦人科を受診しましょう。

 

※写真提供:PIXTA

             

1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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