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出産期

【助産師監修】知っておきたい出産のこと|陣痛・分娩の流れと産後の過ごし方

初めての出産を迎えるママはもちろん、2回目以降のママも、出産の流れと出産後の過ごし方について、一度は出産前に確認しておくことが大切です。出産は陣痛から分娩まで時間をかけて進みます。ママの子宮が開くのを待ち、赤ちゃんがゆっくりと産道を通って分娩となります。分娩後ママの体には子宮の収縮や乳汁の分泌など、様々な変化が起こります。ここではお産の流れから出産後の過ごし方について紹介します。

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出産の正しい知識-陣痛から分娩まで

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お産は以下の3つの時期に分けられます。

 

分娩第1期(陣痛の始まり~子宮の入り口が完全に開くまで)

分娩第2期(子宮の入り口が完全に開いてから出産まで)

分娩第3期(出産から胎盤が出てくるまで)

 

お腹の痛みが10分以内の間隔、または1時間に6回以上になったら、陣痛の始まりと考えられ、分娩第1期がスタート。陣痛が始まり、子宮の入り口が10cmまで開くと分娩第2期となり、さらに陣痛の力が加わると赤ちゃんが産道を回旋しながら通って産まれます。

 

第2期にかかる時間は、初産婦では1~2時間、経産婦では30分~1時間が目安です。

 

分娩第3期は、その後、胎盤が出てくるまで。赤ちゃんが産まれてから5分ほどで弱い陣痛が起こり胎盤が剥がれ、だいたい20~30分以内、長くても1時間以内に終了します。

 

全体にかかる時間は初産婦で約14時間、経産婦で約8時間といわれますが、個人差が大きいと考えておきましょう。

 

出産の正しい知識-入院中の流れ

出産時、入院中の大まかな流れについてみてみましょう。

 

・着替えて陣痛室に入る

・血圧測定、検尿、分娩監視装置(NST)での計測、内診

・子宮の入り口が全開大になるまで陣痛室で待機

・子宮の入り口が全開大になったら、分娩室へ移動

・出産後は入院ベッドへ移動

 

多くの場合、陣痛室での待機時間がもっとも長くなるでしょう。その間は飲食ができ、家族と同室できることも多いでしょう。陣痛が強いときには、腰のマッサージをしてもらいながら、少しでも楽な姿勢で過ごして乗り切ります。

 

なかなかお産が進まないなど、ママと赤ちゃんの様子によっては、分娩誘発や分娩促進を行います。分娩室に移動するころには陣痛の間隔も短くなり(1~3分おき)、痛みが続く時間も30〜60秒間になるでしょう。

出産後は、分娩室でしばらく赤ちゃんと過ごしたあと、赤ちゃんは新生児室へ、ママは病室へ移動します。

 

出産後の産褥期とよばれる時期

出産後

 

出産後の6~8週間は「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれ、ママの体が妊娠前の状態に戻る期間。この期間にママの体と心に様々な変化が起こります。

 

出産後の体の変化

出産後のママには、主に以下のような体の変化が見られます。

 

・子宮が収縮して元の大きさに戻ろうとする

・子宮収縮に伴い腹痛がおこる(後陣痛)

・悪露(おろ)が出る

・乳汁(母体が作り出す分泌液)の分泌が始まる

 

出産直後、子宮は一度収縮しておへその少し下に位置します。翌日には、おへその高さくらいに大きさが戻りますが、その後少しずつ小さくなり、1週間ほどでお腹の上から触れてもわからないほどになります。子宮が急激に収縮するため、「後陣痛(こうじんつう)」と呼ばれる下腹部痛が生じることがあります。

 

悪露とは、お産後に子宮から排出される血性の排出物で、子宮の中に残った血液や粘液、組織の一部などが含まれます。出産直後は血液が含まれることが多いですが、少しずつその量は減り、褐色・黄白色へ変化するでしょう。産後1ヶ月で悪露はほとんどなくなりますが、個人差があります。

 

また、出産して3、4日後くらいから、乳汁が分泌され始めます。赤ちゃんがおっぱいをよく吸うようになると、さらに分泌される量も増えていくでしょう。

 

出産後の心の変化

出産後のママはホルモンが大きく変化し、心のバランスにも影響します。

 

・不安になりやすい

・イライラする

・抑うつ気分になる

・悲しくなる

・気分の落ち込みと高揚感で気持ちが揺れる

 

このような気分の変化により、赤ちゃんの世話に手がつけられず、それにより罪悪感を抱くこともあります。心の不調が長期間続くと「産後うつ」につながることもあるでしょう。

産後は体も心も変化しやすい時期であると理解し、一人で悩みを抱えこまないように、家族や行政の「子育て世代包括支援センター」などにSOSを出すことが大切です。

 

出産後のママの過ごし方

退院すると、多くのママは徐々に普段の生活に戻っていきます。産後1ヶ月ほどはママの体が元に戻るための大切な時期のため、とにかくゆっくり休む必要があります。

育児と家事で手いっぱいかもしれませんが、自分の体のケアを後回しにしないようにしましょう。健康的な食事や水分摂取、なるべく十分な睡眠を確保し、疲れたらこまめに休憩をとるなどの工夫がとても大切です。

後陣痛や分娩時の傷の痛みがあれば無理をせずに休み、必要なときは産科医の指示のもと鎮痛剤を服用しましょう。

 

出産後に受診するべきママの症状

出産後に以下にあてはまる場合は、かかりつけの産科医に連絡をしてください。

 

・多量の出血が続く

・悪臭のある悪露が出る

・38度以上の発熱が、2日以上続く

・出産後4日目以降も鮮血が混じった悪露が出る、悪露に血の塊がある

・産後数日経っても、下腹部痛がある

・会陰や帝王切開の傷に、炎症(腫れ・赤み・熱感など)がみられる

 

これらの症状が出たら、体がうまく回復していないか、感染症を引き起こしている可能性があります。不安なことや、何か「おかしいな」と感じることがあれば、産科医に相談をしましょう。

 

 

 

《まとめ》

 

産後数週間は妊娠とお産によって変化した体と心の回復期間。赤ちゃんのお世話もあり忙しいかと思いますが、無理をしないことが何よりも大切です。食事や睡眠をしっかり取り、疲れやストレスを溜めないよう家族や周囲の助けを上手に借りましょう。

 

 

※写真提供:PIXTA

1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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