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2023.05.29

「フェムテック」とは?どんな意味?いま注目される理由&今後の市場動向!フェムケアとの違いとは

今まではタブーとされがちだった、女性ならではの悩みの数々。これからはひとりで我慢せず、みんなで共有して解決していこうと、「フェムテック」が新たなムーブメントになっています。

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「フェムテック」とはなに?どんな意味?

 

「フェムテック」とは、Female(女性)+Technology(技術)を掛け合わせた造語で、2013年にドイツの生理管理アプリのCEO(chief executive officer)のIda Tinが考案したものです。

妊娠や出産、更年期のみならず婦人科疾患など、多くの女性がライフステージにより異なる悩みをもっています。「フェムテック」とは、そのような悩みや健康課題を、AI(人工知能)やアプリなど新しい技術を使って解決しようとするサービスや製品を言います。

 

フェムテックには大きくわけて、「生理・月経」「妊娠・産後」「不妊・妊活」「更年期」「ヘルスリテラシー」「女性特有疾患」の6分野があります。 

 

フェムテックで解決する女性の悩みの例

女性にはライフステージによって、さまざまな悩みがあります。

 

例えば、

◆仕事が忙しくなかなか生理用品が交換できない

◆妊娠中や産後の不安を相談したい

◆妊娠しやすい体づくりをしたい

◆今の体の状態をセルフチェックしたい

◆更年期がはじまる前にセルフケアがしたい

などがあるでしょう。

 

フェムテックの商品やサービスを利用することで、このようなお悩みが解決するでしょう。

 

似た言葉「フェムケア」とは?フェムテックとの違い

フェムケアとは、「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」を合わせた造語で、女性の健康や体をケアするサービスや商品を言います。

フェムテックはテクノロジーを使って解決するのに対し、フェムケアはテクノロジー以外の方法で課題を解決する違いがあります。

 

 

なぜフェムテック・フェムケアが注目されている?

これまでは海外で注目されていたフェムテック・フェムケアですが、近年日本でも取り上げられるようになってきました。

フェムテック・フェムケアが注目されるようになった背景には、社会の変化が大きく関わっています。

 

1. 社会の意識の変化

女性の社会進出にともない、更年期や生理痛など、女性特有の健康問題が明らかになってきました。

これまでタブーとされていた「性」にまつわる問題が、ジェンダー平等の意識の変化、フェミニズムの盛り上がりとともに注目されるようになったのです。また、SNSなどの発展で当事者が声をあげやすくなったことや、「Me Too」問題でメディアでも取り上げられるようになり、より注目され始めました。

 

2. ジェンダー意識の変化と平等意識の高まり

性別により差がない「ジェンダー平等」の意識が、年々世界中で高まっています。

日本には賃金格差や男女の格差など、さまざまな問題があります。2023年に世界経済フォーラムで発表されたジェンダーギャップ指数によると、日本は146カ国中125位と先進国の中で最下位です。

今後はジェンダー平等社会を進め、現状を解決するために、テクノロジーをもちいるフェムテックは注目されています。

 

3. テクノロジーの進化

IT技術の進化により、健康課題に関する情報を集めたり、課題を解決することが簡単になりました。また、スマートフォンの普及により誰でも簡単に情報にアクセスできること、自分の状態を簡単に記録できることも広がりを進めている要因と言えるでしょう。

コロナ禍で急速に進んだオンライン診療が、その代表例と言えます。テクノロジーの進化により、自分の体の状態を把握し、情報をもとにセルフケアしたり、ライフプランを考えられるようになっています。

 

4. 女性の健康課題による経済損失

女性の社会進出が進み、2020年の労働力調査では、女性労働者は約3,000万人と言われています。働き方改革で政府も女性の活躍促進を掲げ、働き方は大きく見直されるようになりました。

 

しかし女性はライフステージにより、さまざまな健康課題に直面します。

女性の健康課題によるパフォーマンスの低下は、企業にとって大きな損失。経済産業省は2019年、月経に伴う体調不良などによる経済の損失は4911億にのぼると試算しています。女性特有の健康問題による経済損失を防ぐために、フェムテック市場は拡大し、企業も取り組みを進めているのです。

 

5. 女性が働きやすく、活躍できる社会が求められている

「妊娠や出産でキャリアを諦める」ことや「月経関連の症状や更年期症状で仕事のパフォーマンスが低下する」ことを改善し、女性が多様な働き方ができるよう、経済産業省は推進しています。

女性本人と周囲が健康問題について知り、リテラシーを高めることは、女性が働きやすい環境を整えるために必須と言えます。女性従業員の健康問題に取り組む企業は、職場の離職率低下や、パフォーマンス向上、労働生産性の向上につながるでしょう。

 

 

フェムテック・フェムケア市場は活発化

フェムテック・フェムケアの市場はどんどん拡大しており、社会の意識も変化しています。

 

企業や自治体でもフェムテックが推進

女性のサポートをする企業が増え、福利厚生にフェムテックが含まれている企業もあります。社内でのサービス利用や、健康課題に関する講座を行うなど、方法はさまざまです。

また企業だけでなく、自治体でもサポートの動きは加速しています。女性の健康課題に対する講座を開催したり、相談窓口を設置したりと、行政でもフェムテックが推進されています。

 

大手企業の参入で市場が急拡大

吸水ショーツやオンラインシステムによる相談サービスなど、多くの企業の参入があり、市場は急拡大しています。

経済産業省では、令和3年度より「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」を立ち上げました。働く女性の妊娠や更年期など、ライフイベントに起因する望まない離職等を防ぐサポートサービスが開始されています。

 

 

女性の健康課題とフェムテック・フェムケア

フェムテック・フェムケアの6つの分野において、国内外でさまざまなサービスが展開されています。ここからは各分野でのサービスの例を紹介します。

 

 

生理・月経

月経前症候群(PMS)のセルフケア支援、ブルーになりやすい月経を少しでも快適に過ごせるような、吸水ショーツや月経カップがあります。また、外出先で急に生理がきた場合、生理用品をトイレでもらえるサービスや、自分の体調を記録・管理しやすいアプリの開発、ピルのオンライン診療もあります。

 

妊娠・産後

オンラインで医師や助産師へ相談できるサービス、ハンズフリーの自動搾乳機、アプリを使った産後メンタルヘルスサービスなどがあります。

他にも通院が難しい妊婦さんが遠隔で受診し、妊婦さんや赤ちゃんの状態を確認できるサービスもあります。病院の受診が難しい地方在住の妊婦さんへ向けて開発されましたが、コロナ禍の影響で、地方だけでなく都市部など、一般的にも使われるようになっています。

 

不妊・妊活

不妊治療中の心理ケア・カウンセリングの機会を提供するサービスや、妊活を始める前に知りたい情報を得られたり、医師や助産師といった専門家に相談できるアプリやサービスもあります。

また女性ホルモンや精子の動きをスマホで見られるキットなど、病院を受診しなくても、自宅で簡単に確認できる商品や、不妊治療患者の検査データが検索できるアプリなどがあります。

 

更年期

更年期は女性ホルモンのエストロゲンが低下し、イライラや肩こりなど、さまざまな不調に悩まされる更年期障害が見られます。

つらい更年期の症状をオンラインで相談できるサービスや、骨盤底筋のトレーニンググッズやアプリ、尿もれ対策グッズやインナーなどがあります。

 

ヘルスリテラシー

WHO(世界保健機関)によると、セクシャルウェルネスとは「セクシュアリティに対して、身体的、感情的、精神的、社会的にも健康であること」とされています。

これまで女性が性に対して発言することは、タブー視されてきました。しかし自分の体に向き合い、オープンに話すことが当たり前になってきており、意識が変化しているのです。

性の健康を維持し、自分の体を大切にするために、体調や女性ホルモンの状態に合わせた漢方やサプリメント、性教育サービス、健康情報をスマホで調べられるサービス、デリケートゾーンケアアイテムなどがあります。

他にも女性視点で作られた、性交痛軽減の商品などもあります。

 

女性特有疾患

女性特有の子宮や卵巣にかかる病気を、婦人科疾患と言います。婦人科疾患は、乳がんや子宮筋腫、卵巣癌などがあり、体への負担が少なく、痛みを軽減した検査方法が開発されています。

具体的には、AIを使用した子宮頸がん検査などのサービスや卵巣機能検査、オンラインでの治療法選択の支援などです。他にも、乳がん患者へ向けた下着などがあります。

 

 

フェムテック・フェムケアは今後どうなる?

フェムテック・フェムケアは今後、どのようになっていくのでしょうか。

 

新しいビジネスへつながる

フェムテック・フェムケアは、まだ産業として始まったばかり。女性特有の健康課題に関するサービスですので、今後は既存のビジネスと掛け合わせた、幅広い分野へとつながるでしょう。

 

社会へと広がっていく

ヘルスリテラシーを高め、男性も女性も正しい知識を持つことは、働き方の多様性の尊重につながります。そしてそれは、企業の成果へとつながるでしょう。自治体や企業など、フェムテックをサービスの一環として取り入れるところが増えていますが、今後さらにサービスが広がっていくでしょう。

 

 

文:まなべび編集部

 

《最新イベント情報》

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2023年8月3日(木)

会場は大阪市のThe 33 Sense of Wedding

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