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2021.02.17
妊娠中の仕事「営業職」はハード? 大変だった事と乗りこえ方
妊娠が発覚した喜びのなか、仕事に対して不安を感じる人は少なくありません。どんな仕事であっても、妊娠中の不安定な体へは負担がかかることでしょう。ですがなかでも「営業職」は特にハードと思われがち。
今回は、妊娠中に「広告業界」の営業職として働いていたワーママ3人が登場。当時を振り返って、大変だったことやどう乗り越えたかを語っていただきました。
【座談会メンバー】 ●ねこさん(30代後半) 産休・育休を経て広告会社に復職し、現在4歳の男の子を子育て中のワーママ。 ●えっちゃんさん(30代半ば) 5歳の長女&0歳の次女をもつ広告会社の正社員ママ。現在は育休中。 ●RYOさん(30代半ば) 出産を機に広告会社を退職。現在は5歳の長男&4歳の次男の子育てをしながらフリーランスでWEBの仕事をこなす。 |
目次
そもそも営業職の仕事ってやはりハードなの?
―まず妊娠前、広告営業の働き方とは具体的にどんなものでしたか?
●RYOさん
毎日外回りがメインで、日常的に残業し、納期前やプレゼン前には夜遅くまで会社に残ることもありました。営業って成果が数字となって表れるので、達成具合が明確な分、やりがいは感じます。でも常に目標数字を追わなくてはいけないプレッシャーと、時にはクレーム対応もあり、ハードな仕事を選んでしまったなと思うことは正直ありました。
●ねこさん
私は既存のクライアントに加え、新規の飛び込み営業も数多くやっていました。クライアントや協力会社の方との飲み会もわりと多かったです。残業は当たり前で、夕食はほぼ外食という日々ですね。
●えっちゃんさん
同じく夜遅くまで、よく残業していました。基本は土日休みですが、休日でもクライアントから連絡をうけることもよくあったので、そのたびに対応するといった感じです。新卒で入社してからずっと営業部だったので、結婚後に長女を出産するまでこのような生活が続きましたね。
妊娠してからの働き方に変化は?体をケアしながら営業職を続ける難しさ
―ではそのような中、職場への妊娠報告はいつ頃しましたか?報告してから働き方は変わりましたか?
●えっちゃんさん
赤ちゃんの心拍確認後、所属長のみに伝えました。とても理解のある方で、すぐに私のクライアントのサブ担当に就いてくださり、2名体制で営業を続けました。私や赤ちゃんに予期せぬことがあって、急に出社できなくなる可能性も考えて、いつでも業務を引き継げるようにしてくれていたのだと思います。また新たな業務が増えないよう、配慮していただきました。所属長以外のメンバーへは安定期に報告しましたね。
●RYOさん
妊娠発覚直後に、職場で急に体調不良になり倒れてしまって、数日入院することがありました。そのため考える間もなくすぐに妊娠を伝えることに。そして上司にも同僚にもとても気遣ってもらい、ある程度業務は軽減しました。ただクライアントの担当をすぐ降りるわけにはいかないので、客先への訪問は変わらず続けていました。
●ねこさん
私は安定期に入ってから報告。その後も働き方は全く変わらず、毎日残業でした…。部署のメンバーは男性ばかりで、気にかけてくれる事も全然なかったです。自分から求めれば配慮してもらえたかもしれませんが、私の性格上それもできず。当時は相当無理をしていたと思います。
―職場や上司によって配慮のしかたは大きく違ってくるのですね。
つわりなどどうしても体調不良な時期があったかと思いますが、不調がある時はどう乗り越えていたのですか?
●RYOさん
私は食べづわりだったので、仕事中にこっそり小さなおにぎりやゼリーを食べていました。疲れやすく、立ちくらみはよくありましたが、営業車があったので横になって休むことができました。外回りはやはり内勤より運動量が多いので、頻繁に休憩しながら乗り切りましたね。
●ねこさん
つわり時期はまだ誰にも妊娠報告していなかったので、「気合い」で乗りこえていたと思います。不調でも休まず、なんとかやり過ごしました。
●えっちゃんさん
妊娠初期は車酔いのような気持ち悪さが続きましたね。でも私の場合、移動したり、クライアントと話をしたりする時の方がつわりを感じずに過ごせていたのです。デスクワークをしているよりも気分転換になったのかもしれません。
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妊娠中の仕事で辛いのは身体的?精神的プレッシャー?
―妊娠中の仕事で最も辛かったことは何ですか?
●RYOさん
担当クライアントのイベントの立ち会いですかね。特に力仕事ではないのですが、半日以上立って過ごすだけでも、想像以上にしんどかったです。隙を見てはトイレで座り込んでいました。
●えっちゃんさん
残業が多く身体的にきついのもありますが、妊娠の影響でメンタルが不安定だったのかも。少し上手くいかない事があると、仕事中に思わず涙ぐんだりしていました。それに夜遅くにも電話を受けたり、休日に対応が必要なケースもあったりして、心から休めない辛さですね。
●ねこさん
私は妊娠7ヶ月の時に、あるプロジェクトの責任者を任されたことです。上司に対して「なぜ今の私に任せるのか?」と憤りを感じつつ「できません」とは言えず、意地になってやり遂げました。成果を出すことへのプレッシャーもすごかったです。多忙で走り回っていたところを、社外の方に心配されましたが。
―みなさん営業職ならではの苦悩があったのですね。
では妊娠中の仕事を振り返って「良かった」と思うこと、また「もっとこうするべきだった」と後悔することなどあれば教えてください。
●RYOさん
妊娠している事をすぐ報告したのは良かったです。体調の変化も隠すことなく伝えられますし。そして安定期以降は経過も順調でわりと落ち着いたので、マイペースに業務を続けられました。でも主人や両親は妊娠9ヶ月まで営業で外回りすることに対し、かなり心配していました。内勤中心にするとか、今であればテレワークを取り入れられたら良かったなと感じます。
●ねこさん
妊娠前と全く変わらず働いていたので、毎日が必死。自分のケアは後回しで、食事の面でもしっかり気遣うことができず、今でも時折、子どもに対し申し訳なく思います。元気に生まれすくすく育ってくれていますが、妊娠期の食事の大切さを後から知り、後悔しています。なんでも「気合いで」と周りに甘えなかったのも猛省点。自分の体と赤ちゃんを何より大事にするべきだったなと。ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切だと思うので、今後妊娠することがあれば、同じような働き方は絶対にしません。
●えっちゃんさん
私もRYOさんと同じく、妊娠してすぐに所属長に報告できて良かったです。仕事量の調整、通院や体調不良での休暇取得などやりやすくなりました。妊娠中は自分でも体に何が起こるかわからないので、いつでも引き継ぎができるような準備と、周りとの連携を早くから行うのが大切に感じました。
―好きな仕事だから乗りこえてきた壁も、妊娠中となると話は別。しかしそれでも「辞める」ことをしなかった3人からは、広告営業としての誇りが伝わってきました。ありがとうございました。
先輩ママ達が妊娠中の経験から伝えたいこと
営業職を続けているママなら、共通する経験や想いがあるのではないでしょうか?妊娠中の体が変化する時期に、体調をケアしながらこれまで通りに営業職を続けるのはとても大変。
思うように仕事が進まずもどかしい気持ちにもなりますが、ひとりで抱え込んで頑張りすぎる必要はありません。一生のうちでわずかしかない妊娠期間。上司や仲間を上手に頼って、自分の体とお腹の赤ちゃんを優先に。ゆったりした気持ちで、この時期だけのマタニティライフを楽しく過ごせるといいでしょう。そして周囲への感謝の気持ちを忘れずに。
文:まなべび編集部 写真提供:PIXTA
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