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2024.09.05

【助産師に聞く】赤ちゃん遊び飲みを始めたら?上手な対処法とは

授乳中の赤ちゃんが、なかなか集中して母乳やミルクを飲んでくれない「遊び飲み」。遊び飲みとはいつ頃から、どのような時にするのか知っていますか。遊び飲みが多く、赤ちゃんの体重が順調に増えずに悩むママもいるでしょう。この記事では、遊び飲みへの正しい対処法を解説していきます。

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赤ちゃんの遊び飲みとは?

赤ちゃんの遊び飲み

 

「遊び飲み」とは、赤ちゃんが授乳中にきょろきょろしたり、にこにことママの顔を見たりして、しっかりと授乳ができない状態のこと。

赤ちゃんによっては、母乳を飲みながら乳首をかんでママの反応を見たり、吸いながら顔をそらしたりして、ママの乳首を傷めてしまうこともあります。そんな遊び飲みについて詳しく解説します。

 

遊び飲みは生後3ヶ月頃から

遊び飲みをする時期は個人差が大きいですが、早いと生後3ヶ月頃から始まります。

長期間ずっと遊び飲みを続ける赤ちゃんもいれば、時と場合によってする子、全然しないと思っていたら突然始める子もいます。遊び飲みをしなくなる時期も様々で、赤ちゃんによって大きく異なります。

 

遊び飲みは何がいけないのか

きょろきょろ、にこにこして可愛くもある遊び飲みですが、度が過ぎるとデメリットもあります。母乳やミルクをしっかりと飲むことができず、授乳に時間がかかったり、哺乳量が減ったりします。

また、ママの乳頭が噛まれて傷つき、乳腺炎となる可能性もあります。遊び飲みが多いと感じるときは、対策を考える必要があります。

 

 

赤ちゃんが母乳を遊び飲みする理由

赤ちゃんはなぜ遊び飲みをするのでしょうか。よくある原因を説明します。

 

1. 順調に発達をしている証拠

遊び飲みを始める大きな要因は、周囲に興味が出てきたことでしょう。出生後すぐはぼんやりと光しか見えていなかった視力は、次第に周囲がしっかりと見えるようになり、注視や追視をするようになります。

ママの表情やテレビも見えて、「自分の周りで何が起きているのだろう?」と気になって仕方がないのでしょう。

 

もちろん正常に発達をしていても、遊び飲みをしない赤ちゃんもいますが、遊び飲みを始めたら成長の証と考えてくださいね。

 

2. 慣れない環境にいる

発達に伴い周囲に興味が出ると同時に、いつもと違う環境にいると違和感を抱くようになります。自宅のいつもの授乳場所と違い、ショッピングモールの授乳室など知らない環境に行くと、遊び飲みは増える傾向にあります。

大人でも、知らない場所で落ち着いてご飯を食べることが難しいのと一緒ですね。

 

3. 乳腺炎の可能性

よく飲んでいた母乳を突然飲まなくなり、乳房にしこりや痛み、赤みが生じている場合、乳腺炎を起こしかけている可能性があります。

乳腺炎になると、母乳の味が塩辛くなるため、赤ちゃんが飲みたがらなくなります。しこりや乳房の痛み、赤みがあれば、乳腺炎となっている可能性が高いです。

 

 

赤ちゃんの遊び飲みへの上手な対処法

遊び飲みの対処法

 

忙しい中で授乳に時間がとられると、イライラしてしまうこともありますよね。赤ちゃんが遊び飲みをするときの対処法を考えてみましょう。

 

集中できる環境づくり

周囲に興味がわいて遊び飲みをしていれば、授乳に集中できる環境づくりをしてみましょう。テレビやスマホをやめて、いつもと同じ環境をつくります。

ママが別のことに気を取られていると、赤ちゃんもそちらが気になってしまうため、できるだけ赤ちゃんに集中します。

 

しっかりとお腹をすかせて授乳

月齢が進んでくると一回に飲む量が増え、授乳間隔は長くなる傾向にあります。しかしママに抱っこされたいがために、頻繁に飲みたがる赤ちゃんもいます。そんな時はお腹がすいておらず、遊び飲みをする可能性が高いです。

しっかりと空腹になるまで遊んだり、授乳から気をそらしたりして、空腹になってから授乳をするとよいでしょう。

 

噛んだ時は鼻をつまむ

歯が生え出す時期は、歯茎がむずむずして口に入れたものを嚙みたくなります。少し生えた歯で乳首をかまれると、とても痛いですよね。そんな時は、赤ちゃんの鼻を少しつまんでみてください。

鼻呼吸出来ないことで必然的に口が開くため、すぐに離してくれます。噛みついているところを無理やり引き抜くと、乳首が大きく傷つくので気を付けましょう。

 

また、噛んだときのママの表情や言動を楽しむ赤ちゃんもいます。大声を出したり感情的にならずに、赤ちゃんの目をしっかり見て、「あなたがおっぱいを噛むと、ママのおっぱいが痛いから、噛むのはだめだよ」と冷静に伝えることも大切です。

 

ママの食習慣を見直す

これには諸説ありますが、ママの食べたものが母乳の味を変えることがあると言われています。極端に辛い物や脂っこい物を食べると母乳の味が変わり、赤ちゃんが遊び飲みする可能性があります。食生活が乱れている自覚があるママは、和食中心のあっさりとした味付けに見直してみてください。

 

 

赤ちゃんの体重増加が心配なときはどうする?

赤ちゃんの遊び飲みが続くと、哺乳量が減ってしまうことがあります。母乳だと、どのくらい飲めているかわかりませんよね。体重が増えているかどうか心配なとき、どうすればよいか解説します。

 

母子手帳の成長曲線を確認する

体重増加が心配な時は、まず体重測定をしてみましょう。最近は大きなショッピングモールの授乳室などにも、赤ちゃん用の体重計が置いてあるところがあります。体重計が近くになければ、小児科や地域の保健センターを利用しましょう。

 

そして体重を測定したら、母子手帳の成長曲線上でどのあたりになるか、確認をしてください。同じ月齢でも大きめに生まれた子、小さめに生まれた子で適正体重は変わります。

その子なりの成長曲線で、大きくとらえて右肩上がりに推移しているのであれば、問題ありません。

 

保健師・子育て支援センターで相談

成長曲線をみてもよくわからない、成長が横ばいで心配な場合は、地域の保健師や近くの子育て支援センターで相談してみましょう。母子手帳にも相談窓口が掲載してあります。

 

小児科医に相談

成長曲線の下の線に近づいている、もしくは下回っている場合は、かかりつけの小児科医に相談しましょう。遊び飲み以外にも、体重増加が悪い原因があるかもしれません。

 

 

《まとめ》

 

赤ちゃんの遊び飲みについて、原因と対処法を解説しました。ママの悩みの種になる遊び飲みですが、基本的には発達の証拠のひとつです。いつからどんな様子で遊び飲みをしたか記録しておくと、後に懐かしく振り返ることができます。あっという間に終わってしまう授乳期を、楽しんで過ごせるといいですね。

 

※写真提供:PIXTA

 

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ママのお悩みの声

母乳をうまく飲めずに咳き込んでしまう

           

1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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