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2020.11.24
【無痛分娩どうだった?】気になる痛みや費用についての体験談まとめ
日本ではまだ普及が遅れている無痛分娩。時には医療事故のリスクなどネガティブな情報を耳にすることもあり、なかなか選択されづらいのが実態のようです。
でも「やりたいけれど怖い」「周りに体験した人がいないからわからない」「実際にどれくらい痛いのか気になる」など、多くの妊婦さんが興味をもっているのも事実。
そこで実際に無痛分娩を体験した先輩ママの体験談をまとめました。
目次
無痛分娩に決めるまでの経緯
まず妊娠がわかってから無痛分娩を決意するまでについて。先輩ママたちはどのような事を感じながら無痛分娩を選んだのでしょうか。
◆痛みに対しての恐怖があり、妊娠前から無痛と決めていた。
周りで無痛を選択した人がいなかったので不安もあったが、助産師さんからしっかり説明を受けたので少し安心できた。(30代ママA)
◆友人や親戚が無痛分娩で出産したから。
出産に対しての不安が少なくなるなら、自分も無痛にしたいと思った。選んだ病院も無痛分娩の実績が多く、評判が良かったのであまり不安には感じなかった。(40代ママB)
◆出産の痛みが怖く、妊娠中から不安だらけだった。
自宅と会社どちらからも近い産婦人科が無痛分娩の症例が多く、入院施設も充実していたので、その病院で出産することを決めた。
万が一何かあってもすぐ近くの総合病院(NICUもあり)と連携しているとのことだったので、心配はやわらいだ。(30代ママC)
◆一人目を無痛分娩で出産したから。
すごく穏やかな気持ちでお産を経験できたので、二人目も絶対無痛にしようと決めていた。(30代ママC)
医師、助産師や身近な経験者から事前にきちんと話を聞いておくことで、納得したケースが多いようです。また緊急事態における処置など、医療体制が整っているどうかをしっかり見極めたうえで、病院を選ぶ必要がありそうですね。
無痛分娩の費用と家族の反応
高額とも思われる費用はどのくらいかかったのでしょうか。また無痛分娩という選択に対し、家族はどんな反応を見せたのでしょうか?
◆通常の分娩費用プラス11万円くらい。家族にも反対されることはなく、好きにしていいよという感じだった。(30代ママA)
◆プラス7~8万円くらい。身近な人が無痛で出産していたので家族もさほど心配していなかった。(40代ママB)
◆プラス約8万円。主人や両親も病院の先生の説明をしっかり聞いて納得していた。(30代ママC)
無痛分娩の費用は病院によって異なりますが、回答してくれたママ達では8~11万円が平均のようです。
大切な出産方法を決断するわけですから、家族にもしっかりと理解しておいてほしいですよね。
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どれくらい痛いの?無痛分娩で感じた痛み
次は最も気になる、赤ちゃんが生まれるまでの分娩の流れについてです。実際に痛みはどうだったのでしょうか。
◆第一子の場合、自然に陣痛がくるのを待ってから麻酔するのが病院の方針だった。
自力でいきむことができるよう陣痛を残すとのことで、実際痛みはやわらいだ程度だった。(30代ママA)
◆麻酔をし始めていたが、破水後24時間経過しても生まれる気配がなく、それ以上時間が経つと感染リスクが高まると説明を受けた。
そのため早めにお産を進めるには無痛ではなく、自然分娩に切り替えるという結果になった。無痛で出産する心構えでいたので、少しパニックになったが無事に自然分娩で出産。(40代ママB)
◆出産した産婦人科では、無痛を希望するなら計画分娩が条件だったので、予定日の1週間ほど前に入院。
破水のあと陣痛促進剤を使い、少しは陣痛(だいぶ強めの生理痛くらい)を感じたが、その後は麻酔が効き、全く痛くない状態で出産できた。(30代ママC)
◆二人目の出産だったので、破水してから陣痛の間隔が短くなるのがすごく早かった。
みるみるうちに痛みが強くなってきたので、急いで麻酔の処置をしてもらい、陣痛のピークがくる前には麻酔の効果が間に合いホッとした。結果、スピード出産だった。(30代ママC)
ひと言で無痛分娩といっても、人によって出産の状況が異なることがよくわかります。
本当に痛みを感じなかったママもいれば、痛みが和らいだと答えたママもいます。また実際は無痛分娩が叶わなかったという事例もあり、まさに出産は十人十色といえそうです。
また、自然陣痛を待ってから無痛分娩のための麻酔を開始する方針の病院と、計画的に入院して無痛分娩と陣痛誘発を始める病院とあります。
どちらの方針なのか、病院を選択する際に確認する必要があります。
無痛分娩にして良かったこと
続いて、無痛分娩を選んで良かったと思う点はどんなところでしょうか。
◆吸引分娩になってわりと大きな傷になったので、縫合の時にも麻酔が効いていてよかった。
産後の副作用など特になかった。無痛分娩を選択したことで、痛みへの恐怖でストレスを感じることなく、妊娠期間を過ごせたことが一番よかった。(30代ママA)
◆とにかく恐怖心と痛みから救われた。
立ち会い出産だったので、笑顔で夫と話しながら出産、リラックスして赤ちゃんと対面できたのが感動的だった。(30代ママC)
◆計画分娩だったので、入院の準備や心構えがしっかりできたし、家族も事前に仕事の休みを調整できたのでよかった。(30代ママC)
恐怖心が和らいだ、というのが先輩ママ共通の感想のようです。
妊娠中はもちろん、出産直後も痛みから解放され、穏やかに赤ちゃんと向き合えるのは魅力的ですね。
ただ、分娩後の会陰縫合時には麻酔が効かなくて痛かったという意見もありました。
無痛分娩にして良くなかったこと
では無痛分娩を経験してみて良くなかったのは、どんなところでしょうか。
◆特にない。(30代ママA)
◆出産直後は麻酔が効いて歩けない状態だが、入院生活も通常どおりだったので、悪い点はとくにない。(30代ママC)
◆苦しむ姿をあまり見ていない夫は「出産ってけっこう楽だな」と思っていそう。(30代ママC)
特にないというのが大半ですが、夫に出産の大変さが伝わりづらいという声もありました。
また思い通りに無痛分娩にはならなかったり、途中で緊急帝王切開に切り替わってしまったケースもありました。
無痛分娩を検討する妊婦さんへアドバイス
最後に、これから出産をひかえる妊婦さんへのひと言をお願いしました。
◆陣痛は長く苦しいもの。痛みに弱い人はまず気軽に先生と相談してみるのがいいと思う。(30代ママA)
◆無痛分娩を予定していても、体の状態やさまざまな条件で無痛ができなくなる可能性があることを、前もって理解しておくと良いと思う。
自然分娩で出産することも、自分なりに想像しておくべき。(40代ママB)
◆病院の体制、先生が信頼できるか、緊急時の搬送先など、いろいろと情報収集したうえで納得できる出産をしてほしい。
「出産の痛みに耐えてこそ母親になれる」のように言う人もいるかもしれないが、決してそんなことはあり得ない。(30代ママC)
しっかりと情報収集して、どんなリスクがあるのか、予定通りにいかない場合は何が起こりうるか、などを含めて自分なりに納得するべきということですね。
特に計画分娩の場合は、陣痛促進剤を使用して無痛分娩を行う際の子宮破裂のリスクは必ず理解しておく必要があります。
日本には「出産とはお腹を痛めて産むべき」という考えがいまだに根強く、無痛分娩という選択に消極的な妊婦さんも多いことでしょう。
しかしながら「痛いのが怖い」と素直に主張し、自分に合った出産方法を見つけようとする行動は、決して悪いことではありません。
無痛分娩に興味があるならば、まずは対応可能な病院のリサーチから始めてみましょう。そしてこの記事がほんの少しでも、無痛分娩を考える妊婦さんの役に立てられますように。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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