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2023.05.29

【医師監修】帝王切開後2人目の妊娠はいつから?次も帝王切開になる?

1人目を出産したママには、いつか2人目が欲しいなと望む人もいるでしょう。もしも帝王切開での出産を経験したら、2人目の出産方法はどうなるのか知っていますか?ここでは帝王切開後、2人目の妊活と出産について解説します。

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1人目が帝王切開だと2人目の妊活はいつからOK?

帝王切開後の妊活

 

1人目の出産が帝王切開だった場合、2人目の妊活はいつ頃から開始していいのでしょうか。

 

帝王切開後の妊活は1年後からOK

帝王切開の術後は、1年間の避妊が必要です。そのため1人目の子が1歳の誕生日を迎える頃から、妊活を始めてよいでしょう。

帝王切開では子宮を切って手術をしています。1年以内に再び妊娠すると、傷が治りきらず、次の妊娠に耐えられない可能性があります。1年以内の妊娠だと出産できないわけではありませんが、母体には様々な危険が起こりえます。

特に怖いのが「子宮破裂」です。子宮破裂とは、妊娠中や分娩時に子宮の壁が裂けてしまうこと。母子ともに非常に危険な状態になります。

 

まだ生理が来ていなくても避妊は必要?

1人目の出産後に生理がまだ再開していなければ、妊娠しないと思っている人もいるでしょう。しかし生理が来ていなくても、排卵が起こっていれば妊娠の可能性はあります。そのため避妊は必ずしましょう。

授乳中はプロラクチンというホルモンが出ているために、排卵が抑えられて妊娠しにくくなります。しかし授乳中でも排卵している場合はあり、妊娠もあり得ます。生理が始まる時期には個人差があるので、初回の性行為から必ず避妊が必要です。

 

2人目妊娠までの期間が短いときのリスク

2人目妊娠までの期間が短い場合、以下のようなリスクがあります。

 

・切迫子宮破裂

・早産(妊娠22週〜36週の間に赤ちゃんが生まれてしまう)

・低出生体重児(体重が2500g未満で生まれる)

 

帝王切開の傷が治癒するには、半年程度かかると言われています。もし2人目を1年以内に妊娠した場合は、妊娠継続が可能かどうか、慎重に判断する必要があります。2人目妊娠までに1年~1年半ほど空いていると、これらのリスクが下がると言われているため、それまでは避妊が必要なのです。

 

 

1人目が帝王切開なら2人目も帝王切開?

1人目の出産が帝王切開だったら、2人目の出産方法はどうなるのでしょうか。

 

基本的には2人目も帝王切開

1人目が帝王切開の場合、基本的には2人目も帝王切開となります。帝王切開で出産するほうが、経膣分娩で起こるリスクを回避でき、より安全に出産できるからです。

 

2人目で経膣分娩できる場合もある

ただし1人目が帝王切開でも、2人目を経膣分娩で出産できる場合もあります。帝王切開後でも経膣分娩が可能な条件は、以下のとおりです。

 

・帝王切開の経験が1回だけ

・子宮を横切開して帝王切開をした

・帝王切開以外に子宮にメスを入れるような手術をしていない(子宮筋腫など)

・赤ちゃんの胎位が「頭位」である

・帝王切開の後、経過に問題がなかった(傷の治りに問題がない)

・ママの骨盤が広く、赤ちゃんが経膣分娩可能な大きさである

・双子など多胎児ではない 

 

帝王切開後の経膣分娩は、全ての施設で行えるわけではありません。(最近はリスクマネジメント重視のため減っています。)病院により条件が決められているケースもあるため、経膣分娩を希望する人は、必ず事前に病院に確認してくださいね。

 

2人目も帝王切開になる人

2人目以降、経腟分娩できない場合は以下のとおりです。

 

・帝王切開を2回以上している

・帝王切開のときに、子宮を縦に切開している

・今回の妊娠中に、妊婦健診で子宮が薄くなっている部分があると言われた

・双子など多胎妊娠である

・前回の帝王切開の理由が児頭骨盤不均衡である

・赤ちゃんが骨盤位(逆子)である

・帝王切開以外に子宮にメスを入れる手術をしている(子宮筋腫核出術など) 

 

このような場合、経膣分娩でのリスクがあることから、帝王切開が選択されます。

 

帝王切開後の経膣分娩のメリット

帝王切開後に、経膣分娩を試みるメリットには以下があります。

 

・産後の育児を早く始められる

・入院期間が短くなる

・分娩後静脈塞栓症発生の可能性が下がる

 

他にも、出血量が少なくなる傾向もあります。

 

帝王切開後の経膣分娩によるデメリット・リスク

1度帝王切開した後、経腟分娩を行う最大のリスクは「子宮破裂」です。その確率は予定帝王切開した場合の約2倍である、0.4%〜0.5%となります。さらに赤ちゃんの死亡率は0.5%〜0.6%と、予定帝王切開の約1.7倍です。

子宮破裂を起こしたら、緊急帝王切開に切り替えて出産します。ただし急いで帝王切開を行っても、赤ちゃんに重い後遺症が残ったり、最悪は命を落とすこともあります。

 

また子宮破裂では、大量輸血が必要になることも多く、子宮を摘出する可能性もあります。大量出血の場合、まれですがママの命の危険もあり得ます。母子ともにリスクが高いといえるでしょう。経膣分娩の成功率は7割ほどと言われているため、産婦人科医とよく話し合って決めてくださいね。

 

 

【帝王切開経験ママ】2人目の妊娠・出産で気をつけること

2人目の妊娠出産

 

妊娠・出産を通して気をつけることはたくさんありますが、帝王切開の場合、より注意すべきポイントがあります。

 

お腹の張りに注意

お腹の張りが増えると、「切迫早産」につながることがあります。

切迫早産とは、妊娠22週36週の間に赤ちゃんが生まれてしまうリスクが高い状態。お腹の張りや出血などの症状がみられます。切迫早産は、そのまま早産になるリスクが高いです。

 

帝王切開後の妊婦さんが切迫早産になると、子宮破裂のリスクがより高くなり、ママの命の危険につながることも。上の子の育児をしていて、気づかない間にお腹が張っていることもあります。普段の生活で、お腹が張っていないか注意しましょう。

もしお腹の張りを感じたら、すぐに休むようにしてください。それでも張りがおさまらなければ、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。

 

関連ページ

切迫早産とは?知っておくべき原因と症状【産科医が解説】

 

 

《まとめ》

 

帝王切開での出産後、次の妊娠までの期間が短いとリスクを伴う場合があります。赤ちゃんとママの健康と安全を守るためにも、次の妊娠まで1年は空けるようにしてください。そして必ず妊婦健診を受け、出産方法については家族とかかりつけ医とともに、よく話し合ってください。医師からの生活上の注意をよく守り、安全に妊娠生活を送り、出産を迎えるようにしましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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