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2023.05.29

医師が解説!赤ちゃん返りとは?原因を知って正しく対処しよう

下の赤ちゃんが生まれると、上の子はこれまでできた事をしなくなる、あるいは急に甘える「赤ちゃん返り」をする場合があります。この記事では、赤ちゃん返りの特徴と原因、その対応について学んでいきましょう。また赤ちゃん返りにまつわる、よくある疑問についても解説します。

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「赤ちゃん返り」とは?いつまで続く?

赤ちゃん返りとは

 

まず「赤ちゃん返り」とは、どのような状態をいうのでしょうか。

 

赤ちゃん返りとはどんな状態?

「赤ちゃん返り」とは、主に下の子の誕生をきっかけに起こり、これまでできていたことができなくなる、発達段階の退行を言います。現在の状態よりも以前の、未発達な状態へ逆戻りしてしまう現象が、一般的に「赤ちゃん返り」と呼ばれています。

 

赤ちゃん返りでよく見られる行動とは?

赤ちゃん返りしている時の行動で、よく見られるのは以下の通りです。

 

・今までできていたことができなくなる

・甘えるようになる

・わがままを言う

・反抗的になる

・赤ちゃん言葉が増える

・寝かしつけに時間がかかる

・暴力的になる

 

赤ちゃん返りはいつからいつまで続く?

赤ちゃん返りが一番多い年齢は、2〜3歳頃と言われています。この年頃には、弟妹が誕生しやすい家庭環境も影響しています。またこの頃は成長とともに自我が芽生えるため、赤ちゃん返りが最も多いと考えられています。

 

赤ちゃん返りをする年齢は幅広く、2歳〜小学生までと個人差が大きいです。また、赤ちゃん返りの期間についても個人差があるでしょう。1年〜1年半続く場合もあれば、数ヶ月間ということもあります。

赤ちゃん返りを全くしない場合もありますし、少し遅れて始まることもあります。子どもの性格や受け取り方によって個人差が大きいので、赤ちゃん返りがいつから始まるのか、いつまで続くのかを定義するのは難しいでしょう。

 

 

赤ちゃん返りの原因3つ

赤ちゃん返りの原因として、以下のようなものが挙げられます。

・環境の変化

・ママやパパの気を引きたい

・不安な気持ちを表現している

順番に解説していきます。

 

環境が変化したから

新しい環境に敏感な子どもは、その変化に対するストレスが強く、一時的なストレスに伴い甘える行動が増えたりします。ママが妊娠して体が変化するだけでなく、普段行っていた散歩に行かなくなる、保育園に通い始めるといったタイミングで、赤ちゃん返りをすることがあります。

 

ママやパパの気を引きたいから

赤ちゃん返りの最大の原因は、下の子へ対する嫉妬心でしょう。自分だけに愛情を注いで欲しい、動物の本能的な行動の一つと言えます。

これまで自分だけが受けていた愛情が他のものにも注がれる、自分よりも下の子のお世話を優先されることから嫉妬心を抱き、気を引くために赤ちゃん返りをします。「自分を見て!」という気持ちから様々な言動をして、気を引こうとしていると考えられます。

 

不安な気持ちを表現しているから

環境の変化や、弟妹ができることへの不安、自分だけを見ていたはずのママやパパの愛情が他のものへと注がれる不安から、赤ちゃん返りをする場合もあります。「きちんと自分を見てくれているのか?」「自分への愛情は変わっていないか?」という、不安な気持ちの表現が赤ちゃん返りだといえます。

 

 

赤ちゃん返りにどう接する?正しい対処法

赤ちゃん返りへの対応

 

子どもが赤ちゃん返りをすると、焦ったりイライラするでしょう。ここからは、赤ちゃん返りにどう対応するのがいいか解説します。

 

1. 子どもの気持ちを受け止める

まずは、子どもの気持ちを受け止めることが大切です。子どもの不安や、寂しい気持ちを受け止めてください。「ごはん食べさせて」と言われた時は食べさせてあげて、「お着替えできない」と言われたら着替えを手伝っていいでしょう。

子どもの行動を許し、受け止めることで、徐々に下の子を受け入れられると言われています。

 

2. スキンシップをとる

スキンシップをしっかりとることも大切でしょう。子どもの不安な気持ちを受け止め、甘えられるように、意識的にスキンシップを多く取ります。そうして子どもがしっかりと甘えられると、赤ちゃん返りの解消につながると言われています。

ギュッと抱きしめる、頭をなでる、膝の上に座って絵本を読むなど、できるだけ触れ合う時間を作りましょう。

 

3. できていることを何でもほめる

できていることを何でも伝えて、ほめてあげましょう。たとえ当たり前のことでも、できたことをほめるのが大切です。「お着替え自分でできたね、えらいね」「おむつを取ってくれたの?ありがとう」などでもいいです。成長を喜ぶ気持ちを言葉で伝えると、子どもは安心し自信につながります。

 

4. 上の子を優先する

赤ちゃん返りをする原因の一つに、ママ・パパが下の子を優先することがあります。

今まで自分が言ったことをすぐにしてくれていたのに、下の子がいることでしてもらえないと思ってしまいます。そして赤ちゃん返りをして、気を引くと考えられます。まずは上の子を優先して、その後に下の子に対応しましょう。

どうしても下の子を優先しないといけない場合は、「これが終わるまで待っていてね、終わったら〇〇ちゃんのところへ行くからね」と伝えましょう。ときには、何かお手伝いをお願いするのもいいかもしれません。

そうすると、徐々に下の子を可愛がることが期待できます。上の子が優先だと本人もわかるように、2人だけの時間を作るのもいいでしょう。

 

 

赤ちゃん返りについてよくある質問

ここからは、赤ちゃん返りについてよくある質問にお答えします。

 

Q. 赤ちゃん返りは放置してもいい?

赤ちゃん返りが続くと、ママやパパも疲れてしまうでしょう。しかし、放置することはやめましょう。赤ちゃん返りを放置すると、思春期以降にまた赤ちゃん返りのような言動が見られたり、その後の発達に影響が出る場合があります。

子どものときに甘えられなかった、自分を受け止めてもらえなかったという経験が、その後の精神面への発達に大きく影響します。

 

Q. 赤ちゃん返りをしなくても大丈夫?

下の子が生まれたのに赤ちゃん返りをしない場合、「これも大丈夫なのかな?」と不安に思う人もいるでしょう。赤ちゃん返りを全くしない子どもは、もちろんいます。子どもの性格やきょうだいの数、年齢など様々な要因が関係します。

ただし赤ちゃん返りをしなくても、ストレスを感じているかもしれません。赤ちゃん返りという行動にならず、気がつかないケースもありますが、何も感じていないわけではありません。環境の変化によるストレスは、どの子にも多少なりともあるので、忘れないであげてくださいね。

 

Q. ひとりっ子でも赤ちゃん返りする?

ひとりっ子の場合、「きょうだいがいないから赤ちゃん返りをしないのでは?」と思う人もいるでしょう。環境への変化に敏感な子どもは、きょうだいが生まれなくても赤ちゃん返りのような言動が見られることがあります。そのため、以下のような変化があれば、赤ちゃん返りをする可能性があります。

 

・保育園に通い始めた

・ママやパパの仕事が忙しく生活リズムが変わった

 

赤ちゃん返りには、変化に対するストレスが現れています。焦らずに子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。「甘えを受け入れてくれる」と子どもが感じることで、「ありのままの自分でいいのだ」と感じ、自己肯定感を育てることもできます。

 

 

《まとめ》

 

赤ちゃん返りをすると、わがままを言ったり、時には下の子に暴力を振るうなど困ることもあるでしょう。赤ちゃん返りは子どものストレスや不安な気持ち、寂しさからくるサイン。見逃さずに受け止めてあげましょう。ママやパパも毎日の対応は疲れてしまうので、周りサポートを得たり、公的なサービスを利用しながら気分転換してくださいね。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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