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2023.04.10

【医師】シャフリングベビーとは?特徴・原因と発達障害との関係

「シャフリングベビー」という言葉は、あまりなじみがないかもしれません。シャフリングベビーとは、四つん這いになってハイハイをせず、座ったまま移動する赤ちゃんを指します。しっかりとハイハイをしないため、心配になるママもいるでしょう。今回は、シャフリングベビーの特徴や原因を紹介します。発達障害との関係についても、詳しく解説していきます。

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「シャフリングベビー」とは?その特徴は?

シャフリングベビーとは

 

シャフリングとは、「足を引きずって歩く」という英語のshuffleから来ています。つまり、四つん這いでしっかりとハイハイをせずに、座りながら足を引きずった状態、またはお尻を動かして前に進む赤ちゃんを指します。発達段階にはもちろん個人差がありますが、一般的にはお座りから始まり、ハイハイ、つかまり立ちという経過をたどります。

しかしシャフリングベビーは、シャフリングしてから、ハイハイを飛ばしてつかまり立ちをします。そのため、歩き始めるのが遅いという傾向にあるようです。

 

シャフリングの時期はいつごろか

シャフリングをする時期は、お座りから伝い歩きの頃。生後8ヶ月ごろから見られ、1歳半すぎまでシャフリングが続くケースもあります。

その他にも、シャフリングベビーには以下の特徴がみられます。

 

うつ伏せを嫌がる

・立たせようとしても、足で床を蹴る姿勢が見られない

足を床につけること自体を嫌がる

 

 

シャフリングベビーの原因&発達障害との関係

シャフリングの原因については、未だに専門家の意見が分かれており、はっきりとは言えない状態です。

 

シャフリングの原因1. 厚着をしている

シャフリングベビーは5~9月生まれの赤ちゃんに多いことが、研究結果で明らかにされています。ハイハイをする時期がちょうど寒く、厚着をしているため、ハイハイしにくい環境にあるのではないかと考えられています。

 

シャフリングの原因2. うつ伏せが苦手

ただ単に、うつ伏せが苦手という場合もあります。特に体が重い赤ちゃんは、うつ伏せが苦手なケースが多く、うつ伏せの状態が保てないため、ハイハイをしたがりません。発達上は問題ありませんが、赤ちゃんが嫌がらない程度に、うつ伏せ練習をさせてあげてもいいかもしれませんね。

 

シャフリングの原因3. 性格上の問題

シャフリングをする赤ちゃんは、引っ込み思案かつ慎重な性格のため、お座りの体勢が心地よく感じるようです。ハイハイの姿勢は、お座りより急に視線が低くなってしまいます。赤ちゃんにとってその変化は、刺激が強いのかもしれません。

そう考えると、シャフリングは赤ちゃんの個性のひとつとも考えられます。

 

シャフリングの原因4. シャフリングが得意

シャフリングにメリットを感じて、シャフリングの技術をさらに上達させていく赤ちゃんもいます。ハイハイをしなくても自由に行きたいところに行けると、ハイハイに必要性を感じていない場合が考えられます。

目線の高さが変わることもなく、手におもちゃを持って移動できるのは、シャフリングのメリット。ハイハイを始めるよりも、慣れた行動の方が楽ということも考えられるでしょう。

 

シャフリングと発達障害の関係は?

シャフリングベビーは、全体の約1%と言われています。そしてその後、歩き始めてからの発達には、特に問題がない場合が多いとされています。

確かに神経の病気、自閉症・発達障害の子どもにも、シャフリングベビーは多くいます。そのためシャフリングするわが子に、「何か発達障害があるのではないか」と感じるかもしれません。しかしシャフリングベビーだからと言って、必ずしも発達障害とは言い切れないため、過度な心配はしないようにしましょう。

 

シャフリングは、親のせいでも赤ちゃんのせいでもありません。赤ちゃんの一つの個性として捉え、悩みすぎずゆっくり成長を見守りましょう。

 

 

シャフリングベビーの見守り方

シャフリングベビーは個性でもありますが、足腰の筋肉の発達には、ハイハイもしっかりしてほしいと考えるママもいるはず。赤ちゃんのシャフリングの見守り方、声かけの方法などの工夫を紹介していきます。

 

うつ伏せの状態を長くする

ハイハイをさせるには、うつ伏せの状態でいることが絶対条件です。もし嫌がらなければ、うつ伏せの時間を長くしてみるとよいでしょう。嫌がる赤ちゃんは、ママやパパのお腹の上に乗せて揺らしてみるとよいでしょう。身体が密着しているため、赤ちゃんも安心するでしょう。

 

うつ伏せの赤ちゃん

方向転換できるように声かけ

シャフリングベビーは、方向転換をするのが苦手です。そのため、横や背後から声をかけてあげると、振り向いた際に方向転換をすることがあります。その時に手をついて、ハイハイに移行する可能性も高くなります。

 

ハイハイして見せる

ママ自身が赤ちゃんの前で、ハイハイをして見せることで、「こうやって身体を使うんだよ」と教えてあげましょう。赤ちゃんをハイハイで追いかけたり、向かっていきながら、楽しく遊んでみましょう。

 

 

「シャフリングベビー」と診断されたら!相談先は?

赤ちゃんの成長・発達には個人差がありますので、あまり神経質になる必要はありません。しかしいつまでもハイハイせず、シャフリングばかりしていると、不安になるかもしれません。

そんな時は、かかりつけの小児科医や子育て支援センター、児童相談所、保健福祉センターなどで相談してみましょう。乳幼児健診や、風邪などで小児科を受診するタイミングで聞いてみるのもいいでしょう。

 

 

《まとめ》

 

ハイハイせずにシャフリングばかりしていると、発達に問題があるのかと心配になるでしょう。しかし赤ちゃんの個性を大切に、ゆったり見守ることも大切です。どうしても気になるようであれば、保健センターやかかりつけの小児科で相談してみましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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