【1歳半健診とは】健診を受ける目的

まず1歳半健診には、どのような目的があるのでしょうか。
1歳半健診はいつ受ける?費用は?
1歳半健診とは母子保健法に定められている健診のひとつで、正式には「1歳6か月児健康診査」といいます。
1歳半〜2歳頃までに、お住まいの市町村の母子保健センターで行います。費用は自治体が負担するため、原則無料です。受診日時が指定されて案内がきますが、都合がつかない場合は相談のうえ、日程を変更してもらいましょう。
1歳半健診の目的は?
1歳半健診では、それまでに受けてきた健診と異なり、体と心の発達どちらも確認します。この時期は、絵本を見ながら指をさしたり、簡単な単語を話すようになります。
また多くの子どもが歩けるようになるため、歩行を含めた運動機能を確認します。さらに言語の発達や人とのやりとり、簡単な指示に答えられるかといった社会性も確かめます。
子どもの成長確認だけではない
1歳半健診では、子どもの食事内容、生活習慣、虫歯の有無、親子関係なども詳しく確認されます。乳幼児健診には医師や歯科医師だけでなく、保健師、保育士、心理士、管理栄養士などの専門家がたくさんいます。悩みごとがあれば、専門家それぞれに相談ができます。
1歳半健診の内容と流れ
1歳半健診の内容と流れについて紹介します。
1歳半健診の流れとは?
健診は一般的に、受付→問診→歯科検診→身体測定→診察→栄養相談や心理相談→育児相談といった流れで行われます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 受付
健診の受付時間は指定されている場合と、決められた時間帯でいつ受けてもいい場合があります。前もって時間を確認しましょう。またあらかじめ問診票は記入しておき、母子手帳と共に提示して受付をします。
2. 問診
記入した問診票をもとに、医師や保健師が問診を行います。普段の様子を確認しながら子どもに声かけをし、問診を行い、次のような内容を診ていきます。
【指差し】
絵本やボードを見せ、「ブーブーはどれかな?」などと質問します。子どもが正しく指差しできるか、言葉を理解できているか、そのときに発語があるかを確認します。
【積み木】
指先の細かな動きを確認します。積み木を2~3つ重ねられるかを見ながら、「積み木ちょうだい」という言葉への反応も確かめるようです。
【言葉の発達】
「ブーブー」「ママ」などの言葉を発するか、また「バイバイ」と言われた時に反応して手を振るかを確認します。その場でできなくても、普段していればその旨を伝えましょう。
3. 歯科検診
生えている歯の数と、虫歯がないかを診ます。歯の生え方や口腔環境を確認し、歯磨きの指導も行います。市町村によっては、歯科検診時にフッ素を塗る場合もあるようです。
4. 身体測定
身長・体重を測定し、成長曲線にそって推移しているかを確認します。
5. 診察
治療中の病気や、家族に病気がある人の有無を確認します。この時は、おむつ1枚になるよう指示されることが多いです。
また大泉門が閉じているか、聴診で胸の音に問題はないか、皮膚や性器の状態を医師が診察します。その後に歩く様子を見て、子どもの運動機能の状態も確認します。しかしこれには個人差があり、診察時に歩かない場合もあるでしょう。その際は、医師に普段の様子を伝えてください。
6. 栄養相談や心理相談
普段の食事内容など、気になることはこのタイミングで専門家に相談します。
7. 育児相談
子育ての悩みがあれば、医師や保健師に相談しましょう。
1歳半健診に必要な持ち物&服装
1歳半健診に必要な持ち物を紹介します。
1歳半健診の持ち物リスト
一般的に必要な持ち物は以下のとおりです。
・母子手帳
・問診票
・受診券(ハガキの場合もあり)
・保険証
・健診助成クーポン
・筆記用具
・おむつ
・おしりふき
・着替え1セット
・ビニール袋
・飲み物
・歯ブラシ
・タオルのハンカチ
・ティッシュペーパー(ウエットティッシュなど)
・その他指示があったもの(バスタオルや尿検査など)
普段の外出時の荷物に加え、健診で持参の指示があったものを入れて行きましょう。
1歳半健診の服装
子どもは受付後すぐに着替えることもあるので、着脱させやすい服装がおすすめです。ワンピースやレギンスでも、着脱しやすければ問題ないでしょう。ママやパパも、動きやすい服装がいいでしょう。
1歳半健診で「要観察」と言われたら

1歳半健診でもしも「要観察」と言われると、驚きとともに不安もありますよね。
心配しすぎず様子をみよう
健診で要観察と言われると、不安に思う人も多いでしょう。子どもの機嫌が悪かったり体調が優れない時には、要観察となってしまうケースもあるようです。そのため、要観察と言われても心配しすぎる必要はありません。子どもとの関わりや家庭での過ごし方など、アドバイスをもらい参考にしてみましょう。
子どものサポートにつながることもある
家では問題なくできることも、健診時にうまくいかない場合があるでしょう。
1歳半健診の時点では確かな結果が出ず、要観察となることもあります。その場合は経過を見て、必要になったら医療機関を紹介してもらえるよう、保健師や医師に相談してみましょう。早い段階で適した治療やサポートが受けられると、症状改善につながりやすくなります。
《まとめ》
1歳半健診は子どもの試験ではなく、専門家の視点から成長をみる健診です。普段どのように子どもが過ごし、どのような生活をしているのか、あらためてその様子をよく知るきっかけになるでしょう。気になることや不安なことは事前にまとめておき、健診の際に相談してくださいね。
※写真提供:PIXTA
関連ページ
✔イヤイヤ期はいつからいつまで?上手な対応・やってはダメな対応
✔赤ちゃんの人見知りはいつからいつまで?【医師】理由と対処法
✔赤ちゃんが奇声をあげる理由?月齢別の原因と対処法【医師監修】
1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。
全国都道府県助産師会の会員にて組織されている。
2012年10月1日から公益法人制度改革により公益法人認定法に基づいて公益性を認定され、公益社団法人として新たにスタート。
>詳しく見る