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2023.03.20
イヤイヤ期はいつからいつまで?上手な対応・やってはダメな対応
子どもが成長する中で、自己主張を激しくする時期「イヤイヤ期」は、2歳前後に多くみられます。子どもに「〇〇しよう」と話しかけても「イヤ!」と拒否したり、うまくいかず機嫌が悪くなったり、怒ることもあります。あらゆることに対し「イヤ!」と拒否することから、イヤイヤ期と呼ばれているようです。この記事では、イヤイヤ期がおとずれる理由と対応方法について解説します。
目次
イヤイヤ期はなぜ起こる?原因とは
今まで言うことを聞いていたはずの子どもが、急にイヤイヤと拒否し始めると、ママもパパも困ってしまいますね。「イヤイヤ期」は大変な期間ですが、子どもの成長の中でとても大切です。どうしたらいいかと悩むかもしれませんが、子どもの成長を感じながら、できる限りサポートしてあげましょう。
イヤイヤ期の原因
イヤイヤ期では、これまで認識していなかった自分という存在に、徐々に気づくようになります。すると自我が確立され、自分の感情を全面的に押し出し、考えや意思を通そうとします。この自己主張を押し通そうとする行動が、まわりからはイヤイヤ期と見えるのです。
イヤイヤ期がない子の特徴
イヤイヤ期は多くの子どもにおとずれますが、中にはそれがない子どももいます。イヤイヤ期がない子の特徴としては、以下が挙げられます。
【イヤイヤ期がない子どもの特徴】
■性格がおだやかな子
性格がおだやかでゆったりした子は、自分の主張があまりなく、我慢することもありません。自己主張せず、拒否することもないため、イヤイヤ期がないように感じることがあります。
■言葉の発達が早い子
イヤイヤ期では自分の主張をうまく伝えられないために、「イヤ」と表現します。言葉の発達が早い子は、自分の感情や意思を言語化して伝えられるため、癇癪を起こすことが少ない傾向にあります。そのため個人差はありますが、イヤイヤ期があまりないと感じるでしょう。
イヤイヤ期はいつからいつまで続く?
子どもの成長だと理解はしていても、毎日イヤイヤと言われると、いつまで続くのかと不安に思うでしょう。
イヤイヤ期は2歳ごろに多い
イヤイヤ期は2歳前後におとずれるケースが多いですが、個人差が大きいです。早い子どもでは、1歳ごろにイヤイヤ期の兆候がみられる場合もあるでしょう。一般的には1歳半ごろから始まり、2歳ごろにピークを迎えるので、「魔の2歳児」とも呼ばれます。
イヤイヤ期は3歳ごろにおさまる
イヤイヤ期は3歳ごろにはおさまることが多いですが、これも個人差があります。3歳になると言語の発達が進みます。イヤイヤと伝えるだけではなく、何が嫌でどうしたいのか、どうしてほしいのかを言葉で表すようになります。すると自分の感情を言語化できるため、イヤイヤ期が終わると考えられています。
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【年齢別】1~3歳のイヤイヤ期の特徴
ここからは年齢別に、イヤイヤ期の特徴を解説します。年齢によって発達状況が異なるため、イヤイヤ期にも違いがあらわれます。早い子は1歳からイヤイヤ期が始まることもあるので、参考にしてください。
1歳ごろ
徐々に自我が芽生える時期です。「自分でやりたい」と思いやってみるけれど、うまくできずに泣いてしまうことも。周囲への興味関心が出てくる頃なので、子どもが主張してきたら、まずは自分でやらせてあげましょう。そしてうまくできたら、しっかりと褒めてあげてください。子ども自身も「うまくできた!」と、自信につながりますよ。
もし危ないことをしようとしたり、うまくできなかった時は「こうしようね」と教え、できるだけ「ダメ」と言わずに伝えましょう。
2歳ごろ
2歳はイヤイヤ期のピークです。自我が芽生え、自分のことは自分でやりたがります。しかしまだまだ不器用なため、上手にできないことが多いでしょう。うまくいかない自分自身、またやりたいようにさせてくれないママ・パパに腹が立ち、泣いて訴えます。
子どもはなぜ自分ができないのか理解するのは難しく、「イヤ」という言葉で訴えてきます。親は子どもがしたいと思うことをできるだけ言語化し、訴えを受け止めてあげてください。
3歳ごろ
3歳になるとイヤイヤ期が終わる子もいますが、まだ続く場合もあります。ママやパパはいつまで続くのかと不安でしょうが、子どもの訴えを受け止めて、自立をサポートしながら見守りましょう。
自分でやりたいことはさせてみて、うまくできない時は「どうしたらよかったかな?」と一緒に考えるようにします。先を見通したりや考える力がついてくるので、子どもにできるだけ考えさせるような声かけをしましょう。
イヤイヤ期をうまく乗り越える方法&やってはいけない対応
イヤイヤ期はどのように対応したらいいか、多くのママやパパが悩むでしょう。イヤイヤ期の対応としていい例・ダメな例を紹介します。
イヤイヤ期の子どもへの良い対応
イヤイヤ期の良い対応としては、以下の3つが役立ちます。
良い対応1. 子どもの気持ちを受け止め、言語化する
子どもがイヤイヤと言っている時には、何かしらの理由があります。まずは子どもが嫌だと思う気持ちを「イヤなんだね」と受け止めてあげましょう。その上で、何に対して怒っているのかを言語化して伝えてください。
例えば、「自分でうまくできなかったのがイヤだったのね」と伝えましょう。2歳前後ではまだ、うまく自分の気持ちを伝えられません。子どもに対して「何がイヤなの?」などと質問すると、さらに興奮状態になることもあります。
子どもの言葉を繰り返しながら、「これがいいの?」「うまくできなくてイヤだったね」と感情をくみ取りながら声をかけましょう。
良い対応2. 自分でやりたい!の気持ちを見守る
2歳前後の子どもは、まだ自分でできることが少なく、大人がした方が早いこともたくさん。そこで子どもが「やりたい!」と思っていることを、先回りしてやらないようにしましょう。大人が先にしてしまっては、成長の機会が奪われます。
すべてを子ども自身でするのが難しければ、少しサポートをしてみてください。そうしてやれることを見守って「できたね」と伝え、自己肯定感を高めましょう。
良い対応3. いくつかの選択肢を提示する
子どもは自分でやりたくても、うまくいかなかったり、言語化できずにイライラすることが多いです。そのため「こっちがいいの?それともこっち?」と選択肢を提示すると、子どもは自分の欲求を伝えやすくなります。
うまくできずにイライラしていたら、「やり方を教えようか?」「手伝おうか?」と声をかけてあげましょう。それでも自分でやると主張した場合はそのまま見守り、気づかれないようこっそりとサポートしてみてください。
イヤイヤ期にやってはいけない対応
イヤイヤ期の子どもに接するのは疲れてしまい、良い対応ができない時もあるでしょう。いつでも完璧でいるのは難しいですが、親の対応によっては子どもの成長機会が失われてしまうことも。できるだけ以下のポイントを意識しましょう。
NGの対応1. ダメと叱って子どもの欲求を抑えつける
何をしても子どもにイヤイヤと拒否をされて疲れ、なるべくイヤと言われないように接することもあるでしょう。しかし「泣かないの!」「ずっとイヤイヤ言ってばっかり、いい加減にして」と叱っても、子どもは感情をうまく表現できません。
そうして押さえつけられると、自分でやりたい意欲が失われ、たまった感情がいつか大爆発してしまうこともあります。
ただし本当に危険なことは、イヤと言われても伝えなければなりません。その場合は「ママと同じようにしてごらん」「これをしたら危ないよ、痛いことになったら悲しいな」と説明します。イヤイヤと言わないように、押さえつけるのではありません。子どもの自我の発達のためにどうしたらいいのかを考え、対策するといいでしょう。
NGの対応2. 先回りして対応しようとする
子どもが失敗しそう、自分ではできないだろう、と先回りして対処するのはやめましょう。親が手を出して何事もスムーズにできると、子どもが失敗から学ぶ経験ができなくなります。
子供のためにやってあげようという親の満足感が、かえって逆効果になりかねません。失敗することで、次はどうしたらいいか考えるきっかけになります。子どもの考える力や成長の機会を奪わないことが大切。失敗した時には子どもに寄り添い、一緒に対策を考えてあげましょう。
NGの対応3. 交換条件を提示する
外出先でいつまでも泣き叫ばれると、まわりに迷惑をかけている気持ちになりますね。だからといって、「お菓子を買うから泣くのをやめよう」と言うのはやめましょう。
子どもが言いたいことを我慢したり、思い通りになるまで泣き続けることになります。要求が通らない時もあるのだと、理解させることも大切です。
《まとめ》
イヤイヤ期が始まると、子どもについイライラしてしまうこともあります。しかしこれも成長の機会なので、できるだけ子どもの気持ちを受け止めながら、冷静に対応しましょう。そのためには、ママやパパがストレスをためないことも大切です。リフレッシュする方法を見つけ、まわりの人と協力して育児をしてくださいね。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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