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2023.02.10
赤ちゃん「ずりばい」はいつから?【医師】ハイハイとの違い・練習方法
赤ちゃんは成長の過程で、日々できることが増えていきますね。寝返りができると次に、「ずりばい」をし始めます。この記事では、ずりばいの時期や練習方法、ハイハイとの違いについて解説します。
目次
- 赤ちゃんの「ずりばい」とは?「腹ばい・ハイハイ」との違い
- ・【ずりばいとは】どう動く状態?
- ・【ずりばいとは】ハイハイと何が違う?
- ずりばいが赤ちゃんに与える影響
- ・【ずりばいのいい影響】体の機能が発達
- ・【ずりばいのいい影響】脳・心が発達
- ・【ずりばいのいい影響】生活リズムが整う
- 赤ちゃんはいつからずりばいする?前兆は?
- ・ずりばいはいつから始まるか
- ・ずりばい時期における発達の目安
- ・ずりばいの兆候
- 「ずりばいをしない・遅い」赤ちゃん
- ・ずりばいをしないと発達に影響がある?
- ・ずりばいが早いと運動神経もいい?
- ずりばいが上手になる!練習方法
- ・1. うつ伏せに慣れる
- ・2. 足の裏で蹴る
- ・ママ・パパは部屋の準備を
赤ちゃんの「ずりばい」とは?「腹ばい・ハイハイ」との違い
赤ちゃんの「ずりばい」とはどのような状態なのか、「ハイハイ」との違いも含めて解説します。
【ずりばいとは】どう動く状態?
「ずりばい」とは赤ちゃんがうつ伏せ(腹ばい)で、ほふく前進のように動くこと。腕の力だけで体を引きずりながら、前に進みます。「ハイハイ」の前段階です。腕の力だけで動くため、力が入りすぎて上手く足が使えないと、後ろに進む時もあるでしょう。
首がすわった赤ちゃんはその後、寝返りを覚え、次に寝返りで動くようになります。腕の力が発達すると、興味のある物や欲しい物を見つけた時に、寝返りで動いて近づけるでしょう。
最初はひじをついてずりばいをしますが、だんだん腕の力がつくと、手のひらを床につけて動けるように。さらに筋力がつき足まで動かせると、ひざをついた状態のハイハイが可能になります。
【ずりばいとは】ハイハイと何が違う?
前述したように、ずりばいはお腹を床につけたまま、腕の力だけでずりずりと体を引きずって動くこと。「ハイハイ」は膝をついて、お尻をあげた状態です。腕だけでなく足も使って体を動かします。お尻を上げたまま動くので、自分の体を支えられるほどの足腰の筋力が必要です。
ずりばいが赤ちゃんに与える影響
ずりばいをすることは大切で、赤ちゃんの発達にいい影響をもたらすと言われています。詳しくみていきましょう。
【ずりばいのいい影響】体の機能が発達
ずりばいをすることで、腕の筋力や首、体幹など上半身が鍛えられます。ハイハイへ移行する前に、上半身の力を鍛えることは大切。ずりばいを通じて下半身も動かすため、徐々に筋力がついていきます。また手足を動かしておもちゃを触るなど、物理的な刺激が増えます。物をつかむ・つまむことで、指先の力の使い方を身につけられるでしょう。
【ずりばいのいい影響】脳・心が発達
ずりばいは体だけでなく、言語の発達にも影響があると考えられます。手だけでなく足先で地面をけるように動くため、足先から脳への刺激になります。脳への刺激は、言語の発達へ影響します。たくさんの刺激があるずりばいの動きは、言語発達につながるといえます。
またずりばいで、自分の興味がある物へ近づき移動できると、さらに刺激が増えます。そして自分の意思で行動できるようになると、赤ちゃんの喜びにもつながり、心の発達にもいい影響をもたらすでしょう。
【ずりばいのいい影響】生活リズムが整う
寝返りだけしていた頃と比べ、ずりばいによって運動量が大きく増えます。運動量が増えて体は適度に疲れると、睡眠がとれたり食欲が増したりして、生活リズムが整っていくでしょう。するとママやパパの負担も、少し軽減されるようになります。
おすすめ情報
赤ちゃんはいつからずりばいする?前兆は?
次にずりばいを始める時期と、その前兆について解説します。
ずりばいはいつから始まるか
ずりばいを始めるのは、寝返りをマスターした後の、おすわりをする時期が多いもの。生後6ヶ月〜8ヶ月頃になりますが、個人差が非常に大きいです。寝返りが早い赤ちゃんは、生後5ヶ月頃からずりばいをすることもあります。寝返りが遅い場合は、生後8ヶ月頃からずりばいを始めるケースもあるでしょう。
ずりばい時期における発達の目安
ずりばいを始めるための発達の目安は、寝返りができていること。寝返りができていれば、ずりばいの時期が近いと考えていいでしょう。ただし寝返りの次に、前兆なく突然ずりばいをしたり、ずりばいをしないままハイハイが始まる子もいます。なかなかずりばいをし始めないと気になりますが、心配しすぎる必要はありません。
寝返りの完全なマスターからずりばいまで、赤ちゃんのペースに合わせて見守ってあげましょう。
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ずりばいの兆候
ずりばいを始める前の兆候は以下のように、様々あります。
【ずりばいの兆候】
・うつ伏せになれる
・うつ伏せで手足をバタバタと動かす
・近くにある物やおもちゃを取ろうとする
・うつ伏せでお尻が動く
うつ伏せの状態で体を動かせられると、ずりばいを始めることが多いでしょう。うつ伏せで激しく動けると、近くのおもちゃを取るなどの目的をもって進むため、ずりばいにつながっていきます。
「ずりばいをしない・遅い」赤ちゃん
ずりばいをしないと、ママは心配になるかもしれませんね。ここからは、ずりばいと赤ちゃんの発達について解説します。
ずりばいをしないと発達に影響がある?
育児書では一般的に、「首が座る→寝返りをする→おすわり→ずりばい→ハイハイ→つかまり立ち→つたい歩き→ひとり立ち」と書かれています。その順番通りに発達すべきと思うママもいるでしょう。しかし赤ちゃんによって成長は様々。ずりばいをしないままハイハイしたり、ハイハイをあまりせずつかまり立ちを始めることもあります。
うつ伏せの姿勢を嫌がって泣いてしまう場合は、無理にずりばいをさせる必要はありません。ずりばいをしないこと自体で、発達に大きな影響はないので、過度に心配しなくてもいいでしょう。
ずりばいが早いと運動神経もいい?
ずりばいが早くできると、「運動神経がいいのでは?」と期待するママもいるでしょう。しかし発達と運動神経はあまり関係がなく、早くずりばいができたから運動神経がいいとは限りません。
寝返りが早い子は、ずりばいも早く始めることが多いです。赤ちゃんの発達が一般的な目安より早くても、不安になるかもしれません。ですがその後の発達に影響ありませんので、赤ちゃんなりの成長を見守ってあげてください。
ずりばいが上手になる!練習方法
次に、ずりばいが上手になる練習方法を紹介します。
1. うつ伏せに慣れる
ずりばいをするにはまず、うつ伏せの姿勢に慣れることが大切。寝返りができるようになったら短時間でもいいので、うつ伏せの姿勢を練習しましょう。
赤ちゃんの近くに興味がありそうなおもちゃを置き、動けるように促します。赤ちゃんがおもちゃを取ろうとするような動作を見せたら、おもちゃの位置を少しずつ遠ざけてみましょう。
2. 足の裏で蹴る
赤ちゃんがずりばいをしそうに感じたら、ママやパパが様子を見ながらサポートしましょう。最初は足がうまく使えずに後ろに進んだり、その場でバタバタして進まなかったしります。初めの一歩が上手に出ないことも多いです。足の裏に手をあてて、蹴る練習をしてみるといいですよ。足を使って前に進む感覚が徐々に身につけば、ずりばいで動けるようになります。
ママ・パパは部屋の準備を
ずりばい練習を始める中で大切なことは、まず環境を整えること。赤ちゃんが自由に動きやすいように、部屋の床にはなるべく物を置かず、すっきりと整頓しましょう。また床が硬く冷たいフローリングの場合、赤ちゃんがうつ伏せの姿勢を嫌がることもあります。マットに替えるなどして、赤ちゃんが動きやすい環境を整えましょう。
《まとめ》
赤ちゃんのずりばいは、発達の中でいい影響があります。いつ頃からどのように始まるか、気になるママも多いでしょう。ずりばいを始める時期には個人差があり、ずりばいをしない子もいます。乳児検診で発達についての指摘がなければ、ずりばいをしなくても基本的には心配ありません。その子なりのペースでの成長を、見守ってあげてくださいね。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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