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2022.11.18

ワンオペ育児とは?【先輩ママに聞く】ワンオペ家事・育児を乗り越えるコツ

出産という一大イベントを終えると、休む暇なく育児が始まります。パパの仕事が忙しくて育児を一人で担う、いわゆる「ワンオペ育児」のママもいるでしょう、この先どのように家事と育児をすればいいか、不安は大きいかもしれません。ここではワンオペ育児を乗り越えるコツについて、先輩ママの体験談をもとに助産師が解説します。「自分はワンオペ育児なの?」と感じているママには、ワンオペ状態のチェックリストも紹介していきます。

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「ワンオペ育児」とは?

ワンオペ育児とは

 

育児中のママなら、「ワンオペ育児」という言葉を聞いたことがあるでしょう。「ワンオペ育児」とは、家事や育児の大半を一人でこなさなければいけないという意味のものです。

「ワンオペ」とはもともと、飲食業界などチェーン店の従業員が、業務のすべてを一人で行う「過重労働問題」として取り上げられて広まった言葉。ワンオペ(ワンオペレーション)=「一人ですべての仕事を行うこと」を育児に重ね、SNSを中心に「ワンオペ育児」が認知されました。一人で家事・育児をこなさないといけない責任や重圧、孤独感を指す言葉として捉えられています。

 

ママが家事育児の大部分を担う現状

総務省の「2021年社会生活基本調査」では、子どもと夫婦のみの世帯において、6歳未満の子どもをもつ夫婦の家事関連時間(育児含む)を調査しています。

父親の家事関連時間は1時間54分、母親は7時間28分という結果となり、その差は5時間以上もあります。前回(2016年)調査時は、父親の家事関連時間が1時間23分だったので、少し増えてはいます。しかし現状もなお、ママが家事育児の大部分を担っている家庭が多いといえそうです。

その背景には、男性の労働時間の増加や女性の晩婚化、晩産化があるといわれます。様々な事情を持つママがそれぞれの立場で、「ワンオペ育児」を自分のことだと認識しているでしょう。

 

 

「これってワンオペ育児?」自分の状況をチェックしよう

自分の育児状況はワンオペと言えるのか、疑問に思う人もいるでしょう。ワンオペ育児の現状と共に、ワンオペチェックリストで疑問を解決していきましょう。

 

ワンオペ育児の現状

現代社会において核家族化が進み、子どもの面倒を見てくれる親族や親戚も少なくなっています。親と同居するケースは減少し、パパの協力がなければママ一人が育児をしなければいけない状況に陥ります。

「パパがいるのに育児は私ばかり」「パパは自分の趣味を楽しんでいるのに私は休めていない」など、育児の不満が爆発することがありますね。

 

ワンオペ育児中に感じる孤独や不安は、とても辛いでしょう。家事や仕事も忙しく、さらに日常的に一人で育児を担うのは、精神的に辛い状況をつくる可能性も。まずは自分の状況を見つめなおし、一人で悩まずにパパと一緒に解決策を考えましょう。

 

【チェックリスト】ワンオペ育児はどこから?

「どこからがワンオペ育児なの?」と思うママのために、チェックリストを用意しました。

 

◆◆これってワンオペ育児?チェック◆◆

 

□パパの仕事が朝早く、夜遅い

□保育園・習い事の送迎担当はママ

□子どもが病気の時は、ママがかかりつけの小児科へ連れていく

□ママが一人で出かけることがほとんどない

□子育てにおける実家の協力はない

□パパは飲み会に行くことが多い

□子どもがパパになついていない

□パパは趣味が多く、週末でかける

□最近自分の時間が全くない

 

あなたはいくつ当てはまりましたか?当てはまるものが多いほど、ワンオペ育児をしている可能性が高くなります。ワンオペ率が高くなると、ママのストレスが強くなり、育児ノイローゼに繋がるかもしれません。諦める前にパパと改善策を話し合い、できることから対策してみましょう。

 

 

「ワンオペ育児」が辛いと感じる理由

ワンオペ育児が辛い

 

ひと昔前までは、「男は外で働き、女は子どもと家を守る」という風習がありました。しかし現代では、ママを取り巻く環境は全く異なります。変化していく時代の中で、ワンオペ育児がどのような影響を与えているのか見てみましょう。

 

ワンオペ育児の「肉体的な辛さ」

晩婚化・晩産化が進み、家事育児に対する肉体的な辛さが問題となっています。産後の心身の疲労から回復しきっていない中で、家事と育児に奮闘することでしょう。

小さな子どもをおんぶして家事を済ませたり、睡眠時間がとれず、疲労が回復しないまま朝を迎えたりしていませんか?このような状況が日常的になるほど、疲労度は増していきます。

 

ホルモンバランスの変化による不安定な体調、睡眠不足による疲労の蓄積によって、身体も心も次第に疲れてしまいます。常に子どもを見ていなくてはならず、完全に一人きりの時間を楽しむことはできません。

 

ワンオペ育児の「精神的なつらさ」

肉体的な疲労は、やがて心の余裕もなくしてしまうもの。ワンオペ状態となったママが抱える心の苦しさの一例には、以下が挙げられます。

 

・一緒に親となったはずなのに、自分だけ育児や家事をしている不公平感

・子どもを育てることの責任の重さ

・常に子どもと一緒にいないといけないママとしての縛り

・子育てならではの孤独

・悩みを相談する人がいない辛さ

 

何より自分一人の時間が持てない辛さは、24時間子どもと一緒にいるママにしかわからないでしょう。家にいても休まらないママは、一体どこで休めばいいのでしょうか。また仕事をしているママは、パパよりも家事や育児の比重が大きいことに、不満がつのるばかりです。

 

 

「ワンオペ育児」を乗り越えるコツ

 

自分の置かれている環境がワンオペだと気づいたら、まずは夫婦で話し合いを持ちましょう。ワンオペは夫婦の問題です。ママだけでどうにかできることではありません。

 

本当にワンオペを解消できないか話し合う

まずは、ワンオペ自体を解消できないかを考えてみましょう。

パパが単身赴任中という家庭を除いては、パパが育児と家事を手伝うことは可能です。趣味や飲み会の時間を少し削り、ワンオペを解消できないか話し合いましょう。

そもそもママのワンオペ状態に、気付いていないパパも少なくありません。平日は仕事だとしても、休日に少し子どもと遊んだり、家事を手伝ったりして、お互いが納得できる方法を模索しましょう。

 

仕事の調整ができないか相談する

仕事をしているママは、家事や育児に専念するため、いったん仕事を辞めるという選択もあります。しかしそれは勇気が出ないもの。ママが退職すると、子どもは保育園を退園しなければならず、さらに家事育児の負担がのしかかる可能性もあるでしょう。

勤務形態を一時的に、「時短勤務」もしくは「パートタイム」に切り替える方法も考えてみてください。パパとよく話し合ったうえで、職場の上司に相談することをおすすめします。

 

家族・友人の協力が得られないか確認する

実家や義実家の協力が得られないか、確認しましょう。実は家族は手伝いたいと思っていることもありますよ。ママがそれを求めなければ、もちろん協力の手は離れてしまいます。また、仲の良いママ友の厚意を受け取ってみるのもいいですね。「何か困ったことがあったら言ってね!」という言葉に、素直に甘えることも大切です。

 

便利なサービスを活用する

ベビーシッターや家事代行など、有料サービスを頼むも一つの方法です。ファミリーサポート、一時保育低価格で利用できますので、これらの行政サービスも上手に活用しましょう。

 

 

【先輩ママ体験談】こうしてワンオペ育児を乗り越えた

ここからは先輩ママ約160人に聞いた、ワンオペ育児の乗り越え方を紹介していきましょう。

 

ワンオペ育児でのモットーはこれ!

まず、ママ達がワンオペ育児をするうえで心に留める事として、これらのモットーが多く挙げられました。

 

◆諦めが肝心!適当に手を抜いて完璧を求めないこと。

◆余裕のあるときに早め早めの行動をしておく。

◆子どもへの「ダメ」を無くし、怒らない。しんどい時はテレビもOK!ご飯を投げ散らかされてもイライラしない。

家事は最低限しかしない。少しくらい部屋が汚くても生きていける!

◆疲れたら「生命維持モード」に切り替える。できるだけ体力も気力も使わないように、感情スイッチを消す。

 

家事・育児はできる限り手を抜く工夫を

次に家事・育児では、具体的にこのような工夫をしているママが多いようです。

食事の支度はとにかく時短。冷凍食品に頼ったり、自分はカップラーメンの時も。子どもの離乳食もベビーフードで済ませる。
あらゆる便利家電を使う。掃除ロボット、自動洗濯乾燥機、食洗機は毎日フル稼働している。
洗濯物は畳まない、掃除は週1など、とにかく効率化!洗い物を減らすため食器も最低限にし、自分はフライパンのまま食べることも
子どもは抱っこ紐で眠らせておき、その間に家事をこなす。
子どもと外で思いきり遊ぶ!体を動かすと自分も楽しめるし、疲れて夜は早めに寝てくれる。
 

ママのメンタルを保つ方法

ワンオペ育児で疲弊するママのメンタルを健康に保つための、リフレッシュ方法も教えていただきました。

気分転換に散歩したり、ご褒美スイーツを買ってテンションを上げる。
車の中で好きな音楽を流してカラオケをする。大声で歌ってストレス発散する。
たまには両親に子どもを預けて、主人と2人で外食
同じ境遇のママ友に話を聞いてもらうのが、一番ストレス発散になる。またワンオペを頑張る活力をもらえる。

 

 

「ワンオペ育児」を頑張り続けるリスク

ワンオペ育児を頑張り続けると、どのような影響があるのでしょうか。そのリスクについて紹介します。

 

心身ともに病気になる可能性

慢性的な疲労により大きな病気にかかったり、無理をして頑張り続けた結果、うつ病を発症してしまう可能性も出てきます。

 

夫婦の愛情がなくなる

あまりにもワンオペ育児が続くと、パパに期待しないようになります。育児・家事をしない、自分の事ばかりのパパに愛想がつき、一緒にいる意味がないと感じてしまい、離婚への発展も考えられます。近年、熟年離婚をするカップルが増えていますが、パパの家事育児への不参加が原因の一つとも言われています。

 

子どもへの虐待

一番あってはいけない、あってほしくないのが、子どもへの虐待です。「子どもが言うことを聞かない」「どうやって育てていいのかわからない」など、一人で悩みを相談できずにいると、疲労も相まって虐待のリスクが高まります。

思わず手が出たり、怒る時もあるかもしれません。実際に、虐待による子どもの死亡も起こっています。いつ何がきっかけで、そのような悲しい事件が起こるかわかりません。「自分は絶対に大丈夫」と言いきれない心の闇があることを理解しましょう。

 

身近に相談できる人がいない場合、子どもや家庭のことを何でも話せる相談窓口が、お住まいの行政に必ずあります。勇気を出して電話をしてみましょう。匿名で話を聞いてもらうことも可能です。

 

 

《まとめ》

 

時代の流れにより家庭環境は変わり、ある程度のワンオペ育児は仕方がない部分もあるかもしれません。しかしまずは本当にパパが協力できないか、しっかりと話し合いましょう。もし難しい場合は、ママはいかにワンオペ育児を楽にするか考えましょう。ひとりで抱え込まず、誰かに話を聞いてもらいましょう。味方になってくれる人が必ずいます。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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