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2022.09.19

赤ちゃんの急な哺乳瓶拒否!理由は?【産科医】月齢別の克服法

今まで哺乳瓶で問題なくミルクを飲んでいた赤ちゃんが、急に飲まなくなってしまうと困りますね。哺乳瓶を嫌がると、無理に飲ませた方がいいのか、あきらめて飲ませない方がいいのか迷うこともあるでしょう。ここでは赤ちゃんが哺乳瓶を嫌がる時や、完全に哺乳瓶拒否になってしまった時の対処方法を紹介します。

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赤ちゃんの急な【哺乳瓶拒否】その理由は?

哺乳瓶拒否の理由

 

赤ちゃんが突然、哺乳瓶を拒否する理由はどこにあるのでしょうか。考えられる理由をみていきましょう。

 

哺乳瓶拒否の理由1. 乳首が合っていない

哺乳瓶の乳首が、赤ちゃんに合っていないことが考えられます。哺乳瓶の乳首は月齢ごとの、吸う力に合わせて作られています。成長にともなって、使用するものが変わります。そのため赤ちゃんの月齢に合っていない場合、吸いづらくて嫌がることもあるでしょう。

 

また哺乳瓶の乳首の部分は、消耗品なので劣化します。使用期間はおおよそ2ヶ月程度とされているので、使用期限が過ぎたものは新しく替えてみてください。

もし乳首を交換しても、赤ちゃんが哺乳瓶を拒否する場合は、哺乳瓶そのものを変えてみましょう。メーカーによって様々な哺乳瓶が販売されていますが、赤ちゃんによっては吸いづらいものもあります。哺乳瓶のメーカーを変えることで、問題なく吸えるケースもあります。

 

哺乳瓶拒否の理由2. ミルクの温度が熱い・冷たい

次に考えられるのが、ミルクの温度です。授乳前に作ったミルクをすぐには飲ませない時や、赤ちゃんが泣いていて早く飲ませたい時など、温度がしっかり確認できていないのかもしれません。

 

ミルクをあげる前には、ママが腕の内側で温度を確認していることが多いでしょう。しかしママの手が冷えていれば、ミルクは普段よりぬるい温度になっていることも。その場合はミルクを少し温めてからあげると、すんなり飲んでくれることもあります。母乳の温度との差がありすぎると、嫌がるので注意しましょう。

 

哺乳瓶拒否の理由3. ミルクの味が嫌

哺乳瓶を拒否する理由が、ミルクの味なのかを確認するために、搾乳した母乳を飲むのかを見てみましょう。

搾乳器があれば少し絞り、哺乳瓶に移して飲ませてみてください。搾乳器がない場合は、哺乳瓶に直接手で絞った母乳を入れて、飲ませてみましょう。搾乳した母乳を哺乳瓶でも嫌がらずに飲めば、ミルクの味が嫌だと考えられます。

 

その場合は哺乳瓶ではなく、ミルクの種類やメーカーを変えてみましょう。味の好みは様々なので、まずはサンプルなど少量から始めてみてください。問題なく飲めるとわかってからミルク缶を購入すると、失敗が減るので安心です。

 

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哺乳瓶拒否の理由4. そもそもお腹が空いていない

他に考えられる原因として、そもそもお腹が空いていないことがあります。混合で授乳していたママは、母乳の後にミルクをあげるでしょう。しかし母乳の分泌量が増えたことで、赤ちゃんが母乳だけで満足し、哺乳瓶を拒否することもあります。

毎回嫌がるわけではない、あるいは母乳だけで満足しているようであれば、様子をみて問題ありません。1日に必要な量がしっかり飲めており、かつ赤ちゃんが元気に泣いて、体重が増えているのであれば心配ありません。

 

哺乳瓶拒否の理由5. 落ち着いて飲める環境ではない

ミルクや哺乳瓶の問題のほかにも、赤ちゃんが落ち着いた環境で飲めるかがとても重要。

最初は授乳中に赤ちゃんに向き合っていたママも、慣れてくるとスマホを触ったり、テレビを見たりと、何かをしながらになりがちです。また家族がそばで騒がしくしたり、上の子が走り回ったりすると、落ち着いて飲めないこともあります。

赤ちゃんが落ち着いて飲めるようにテレビを消す、静かな部屋に移動するなど、環境を整えてみましょう。

 

 

【哺乳瓶拒否】は克服させるべき?嫌がるときの注意点

哺乳瓶を嫌がるとき

 

赤ちゃんに哺乳瓶を拒否されてしまうと、「必要な栄養が摂れずに困る」「どうしたらいいのかわからない」と不安なママもいるでしょう。哺乳瓶拒否を克服するべきかどうかは、赤ちゃんの月齢や授乳状況、育児の状態によって変わります。

 

体重が増えていれば問題なし

まず確認したいのが、赤ちゃんの体重の増え方。哺乳瓶を拒否しても、ミルク以外で栄養が摂れていて、体重が増えていたら問題ありません。母乳をしっかり飲めている、また月齢によっては離乳食をしっかり食べているかが、判断のポイントです。

体重が増えていれば、拒否する哺乳瓶で無理に飲ませる必要はありません。必要な状況ではないので、克服しなくて良いでしょう。

 

しかしながら、母乳での育児はママにしかできないこと。完全母乳では赤ちゃんを預けるのが難しく、また夜中にママが休みたくても、代わってもらうことができません。するとママへの負担が大きくなるため、少しは哺乳瓶で飲んで欲しい時もあるでしょう。そのような時のため、赤ちゃんが気に入る哺乳瓶をあらためて見つけておくのは、よい手段といえるでしょう。

 

 

赤ちゃんが哺乳瓶を拒否したら!おすすめの対策

哺乳瓶拒否の対策

 

ここからは赤ちゃんが哺乳瓶を拒否するときの、おすすめの対策を月齢別に紹介します。月齢はあくまでも目安なので、赤ちゃんの状況をみながら試してみてください。

 

【生後1〜3ヶ月】哺乳瓶拒否の対策

生後1ヶ月3ヶ月の時期におすすめの方法は、以下のとおりです。

 

母乳を飲んでいるときに哺乳瓶にすり替える

母乳であればよく飲む赤ちゃんは、お腹が空いている時に哺乳瓶でミルクを飲ませようとすると、泣いて怒って拒否することがあります。そのためまずは母乳を飲んで、ある程度落ち着いた段階で哺乳瓶にサッとすり替えます。そうすると案外、そのまま吸い続けてくれることがあります。

この方法は、母乳も飲める状況でないとできないので、ママが必要です。しかし何度かこの方法により哺乳瓶の乳首の感覚に慣れると、最初から哺乳瓶で与えた時も、拒否されにくくなることも。まず対策のひとつとして、覚えておいてください。

 

ママ以外の人にあげてもらう

ママがいると、どうしてもその匂いで母乳が欲しくなってしまいます。ママは母乳をくれる人だと、赤ちゃんも認識しています。その認識を塗り替えるために、ママが別の部屋にいる間や不在の時に、パパや家族が哺乳瓶でミルクをあげてみてください。

 

【生後4〜7ヶ月】哺乳瓶拒否の対策

生後4ヶ月7ヶ月の時期におすすめの方法は、以下のとおりです。

 

哺乳瓶の乳首に慣れる

哺乳瓶の乳首に慣れるために、空の哺乳瓶で遊ばせて、シリコンの乳首の感覚を覚えてもらいましょう。ガラスの哺乳瓶ではケガが心配なので、プラスチック製の哺乳瓶で練習してください。メーカーによっては、乳首の部分で遊べるおもちゃが販売されているので、試してみるのもいいでしょう。

徐々に慣れてきて、乳首の部分をくわえるようになったら、哺乳瓶でミルクをあげてみましょう。哺乳瓶で遊ばせる場合は、目を離さないように注意してください。

 

【生後8〜12ヶ月】哺乳瓶拒否の対策

生後8ヶ月12ヶ月の時期におすすめの方法は、以下のとおりです。

 

コップやストローで飲む練習を

シリコンの乳首の感覚に慣れるよう試行錯誤しても、どうしても難しい場合もあるでしょう。これくらいの月齢になると哺乳瓶より、スパウトやストローマグで飲む練習をするほうが早いかもしれません。

吸う力はだんだん強くなっていますし、上唇の力も強く、上手に吸えるようになっています。哺乳瓶とは違った方法なので、練習するうちに嫌がらず、すんなり飲んでくれることもありますよ。

 

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こんなときは受診を検討しよう

哺乳瓶を拒否していて以下のような場合は、かかりつけの小児科の受診を検討してください。

 

赤ちゃんの体重が増えない

哺乳瓶を拒否していても、母乳や離乳食でしっかり必要な栄養が摂れていれば、問題はありません。しかし母乳だけでは栄養が足りず、体重が増えない場合もあります。そのときは、かかりつけの小児科医に相談してください。

 

体重増加の目安は、母子手帳の「発育曲線」を参考にしてください。健診では、赤ちゃんの体重を確認しています。発育曲線よりも緩やかで、体重が増えていないと気づいた段階で、早めにかかりつけの小児科医に相談しましょう。

 

体調が悪い症状がある

哺乳瓶を拒否している理由が、体調不良の場合もあります。

 

・発熱

・嘔吐している

・ぐったりしている

・おしっこの回数が少ない

・下痢もしくは便が硬い

・頭を打った

 

こういった症状が見られたら、赤ちゃんの体調不良が原因で、哺乳瓶を拒否している可能性があります。かかりつけの小児科を受診してください。

 

また以下の症状があれば、ミルクのアレルギーが考えられます。

・飲んだ後に吐く

・下痢が続く

・体重が増えない

・血便

このような症状がある時も、かかりつけ医に相談してください。

 

 

《まとめ》

 

これまで哺乳瓶で問題なく飲んでいたミルクを、急に拒否されてしまうと、ママやパパは困ってしまいます。赤ちゃんが嫌がる理由がどこかにあります。考えられる原因と、対処方法を試してみてください。また哺乳瓶を拒否して体重が増えない場合は、かかりつけの小児科医に相談しましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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