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2022.09.05

妊婦の頭痛(妊娠初期・中期・後期)【助産師】飲んでも良い薬&ツボ

妊娠中の頭痛はよくある悩みで、「どう対処すればいいの?」と迷うママもいるでしょう。これまで頭痛薬を飲んでいた人は、妊娠中にも飲んで良いのか疑問に思うかもしれません。妊娠中の薬は頭痛薬に限らず、必ずかかりつけ医師に相談の上、指示のもと服用しましょう。この記事では、妊娠中に起こりやすい頭痛の原因と、頭痛薬の服用やその他の対処方法について解説します。

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【妊娠初期・中期・後期】妊婦に起こりやすい頭痛と原因とは

妊婦の頭痛原因

 

妊婦さんに起こりやすい頭痛の種類と原因を、妊娠期別に解説します。

 

「妊娠初期」によくある頭痛の原因

妊娠初期は、つわりの症状で頭痛が現れる場合があります。偏頭痛は妊娠初期によくあり、妊娠によるホルモンの影響が大きいです。

妊娠すると、プロゲステロンというホルモンが分泌されます。このホルモンは妊娠維持に欠かせないものですが、多く分泌されるとホルモンバランスは崩れ、頭痛を起こしやすくなるのです。またプロゲステロンには血管拡張作用があり、その影響で頭痛が起こることもあります。

 

「妊娠中期・後期」に多い緊張性頭痛の原因

妊娠によるホルモンバランスの変化が落ち着く妊娠中期ころから、頭痛が現れる場合があります。多くは「緊張性頭痛」と呼ばれるもので、後頭部から首にかけてぎゅっと締め付けられるような痛みを感じます。原因は肩こりやストレス、眼精疲労が多いです。

 

また妊娠中期からはお腹がだんだん大きくなり、動くことが大変なため、運動不足になりがち。そして大きくなったお腹を支えようとバランスが変わり、身体に負担がかかってしまい、肩がこりやすくなります。

 

妊娠期に関係なく起こる!妊婦の頭痛の原因

妊娠時期に関係なく起こる頭痛もあります。

 

パソコン・スマホでの疲れや肩こり

妊娠中に関わらず普段から、スマホやパソコンの使い過ぎが原因で頭痛が起こることも多いです。

 

偏頭痛

もともと偏頭痛がある人は、妊娠時期に関係なく頭痛が起こりやすいです。

 

スマホやパソコン

 

妊婦の頭痛はいつまで続く?

つらい頭痛がいつまで続くのか、気になる妊婦さんも多いでしょう。一般的にはいつ頃まで頭痛が続くのかを解説します。

 

「妊娠初期」の頭痛はいつまで?

妊娠初期のホルモンバランスの影響で起こる頭痛の場合は、一般的にはつわりが落ち着く妊娠中期頃に、治まってくることが多いです。

 

「妊娠中期・後期」の頭痛はいつまで?

妊娠中期後期に起こりやすい頭痛は、原因が改善しないと治まることはありません。肩こりや首の痛みが原因の場合は、その原因を解消するために、姿勢改善やツボ押しといった対処が必要です。

妊娠中の経過によっては、積極的に原因解消のための対処ができない時もあります。もしも頭痛がひどく日常生活に支障が出てきたら、必ずかかりつけ医師に対処法を相談しましょう。

 

 

妊婦のつらい頭痛に!おすすめの対処法6つ

ここからは、妊婦さんのつらい頭痛にできる対処方法をご紹介します。

 

妊婦の頭痛対処1. 首や肩を温める

「緊張性頭痛」は、肩こりや首の痛みが原因であることが多いです。そのため肩や首あたりをしっかりと温める、あるいは目をじんわりと温めることで、痛みが緩和されます。

ホットアイマスクや、ホットタオル(濡れタオルをレンジで温める)を使ってもいいでしょう。ホットタオルは自分で好きな温度に調整でき、簡単に準備できるのでおすすめです。

 

妊婦の頭痛対処2. リラックスする

ストレスが原因で頭痛が生じている場合は、リラックスすると症状が緩和されます。

お風呂に入って体を温め、アロマオイルを使うのもおすすめ。ただしアロマオイルは、妊娠中に使用できないものもあります。使用説明書を事前に確認し、妊娠中に使えるかどうか注意しましょう。

 

また、ハーブの匂いは気分をスッキリさせる効果があるので、温かいハーブティーを飲むのもいいでしょう。こちらも妊娠中には飲めないものがあります。飲む前の確認をおすすめします。

 

妊婦の頭痛対処3. ストレッチをする

「緊張性頭痛」の原因には肩こりや運動不足があるので、ストレッチで体をしっかりほぐすこともおすすめです。日頃の軽い運動やストレッチは効果的ですが、妊娠してから初めて行う人は注意が必要です。まずはかかりつけ医に相談し、体調の良い日に少しずつ開始するのが良いでしょう。

 

体全体を伸ばすストレッチもいいですが、肩こりに効果的なのは、肩甲骨あたりをしっかりと動かす肩まわしです。特にパソコン作業が多い人や、スマホをよく使う人は、肩を回してストレッチしながら休憩するといいですね。

 

妊婦の頭痛対処4. 頭を冷やす

先ほどは、温める対処法がいいとお伝えしました。ですが「偏頭痛」の場合には、温めると症状が悪化することがあるので、冷やすとよいでしょう。偏頭痛とは血管が広がって起こる痛みなので、冷やすことで血管の広がりを抑えます。ズキズキと痛むところを、しっかりと冷やしてください。

冷却シートを使用してもいいですが、保冷剤を薄いタオルやガーゼでくるんで、痛むところに当てる方がしっかりと冷えます。より早く症状が緩和できるでしょう。

 

妊婦の頭痛対処5. 頭痛緩和のツボを押す

できるだけ頭痛薬を使わずに痛みを和らげたい時、自宅で簡単にできる方法。ツボを押すこともおすすめです。痛いと感じず、気持ちいいなと思う程度の強さで、じっくりとツボ押しをしましょう。

 

頭痛緩和のツボ1

頭痛緩和のツボ2

 

風池(ふうち)と天柱のツボ

首の骨の両側にある太い筋肉の外側の、くぼみの部分が「天柱」です。耳の後ろの骨と、後頭部のくぼみの中間が「風池」で、首や肩のコリをほぐすツボでもあります。

両手の親指の先をツボに当て、残りの指で頭全体を包むように刺激するとスッキリします。これらのツボは自分でもわかりやすいので、痛くない程度に押してみてください。

 

合谷のツボ

合谷のツボは、手の甲の親指と人差し指の骨が合流する部分より、少し人差し指側にあり、少しへこんでいる部分です。このツボは特に偏頭痛に効果的ですが、万能のツボとも言われ、様々な不調の改善も期待できます。合谷のツボ押しは、周りを気にする必要がなく、どこでも気軽に刺激できます。

 

百会のツボ

頭頂部のツボで、両耳の延長線と鼻の延長線が交わるところです。体の中心に向かって垂直に、痛気持ちいい程度で押します。頭痛や肩こり、眼精疲労に効果的です。

 

肩井(けんせい)のツボ

首と肩先の真ん中にあって、肩の筋肉の中心にあるツボです。肩こりに効果的ですが、自分では位置がわかりづらいかもしれません。自分でツボを探して押すのが難しい場合は、家族に押してもらってもいいですね。

 

妊婦の頭痛対処6. 頭痛薬を飲む時の注意

頭痛がつらいときには、薬を飲んで対処していたママも多いはず。妊娠中には飲める薬が限られているため、迷って服用を控えている妊婦さんもいることでしょう。

「アセトアミノフェン」は、妊娠中に飲んでも影響が少ないと言われています。ただしあくまでも薬の服用に関しては、自己判断することなく、必ず医師に相談しましょう。

 

妊娠初期は飲まないほうが安心

妊婦さんに影響が少ない薬であっても、妊娠初期の服用はできるだけ控えましょう。妊娠初期、特に妊娠412週は、赤ちゃんの体ができる大事な時期である「器官形成期」。薬の影響を受けやすいです。もしもひどい頭痛でつらい時は、かかりつけの産科医に相談してください。

 

妊娠中期は飲む頻度に注意

妊娠中期以降は、妊婦さんが服用できる頭痛薬であれば、飲んでも問題ありません。妊娠中期、特に妊娠28週までは、服用しても影響がないことが多いです。ただし「アセトアミノフェン」であっても常用すると影響があるため、定期的に飲むのは控えましょう。

「赤ちゃんに影響があるのでは?」と心配するママもいるでしょうが、頻回に飲まなければ問題ありません。痛みがつらい場合は、かかりつけの産科医に相談のうえ服用するといいでしょう。

 

飲んではいけない痛み止めもある

妊娠前には、「ロキソプロフェン」を飲んだことがあるかもしれません。妊娠中に「ロキソプロフェン」を飲むと、赤ちゃんに影響が出るため注意しましょう。かかりつけの産科医から指示を受けた場合以外、基本的に妊娠中の「ロキソプロフェン」内服は避けることが多いです。

 

普段から飲んでいた薬でも、妊婦さんは安易に飲まないように注意しましょう。必ず服用前に、かかりつけの産科医に相談してください。また「アセトアミノフェン」で痛みが改善しない時も、医師に相談してみてください。

 

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妊婦の頭痛で疑われる病気&受診タイミング

妊娠中の頭痛のうち、経過を見ていて問題ないものもあれば、病気が疑われる場合もあります。

 

妊娠高血圧症候群

「妊娠高血圧症候群」とは、妊娠中にママの血圧が上がる病気です。

妊娠中は定期健康診査(妊婦健診)を受け、体調が悪い時にはできるだけ早く受診することで、この病気の早期発見につながります。自己判断ではなく、必ず専門家・かかりつけ医に相談することが重要です。

血圧が上がってくると、頭痛の症状が出る場合があります。妊娠前は血圧が高くなかった人でも、妊娠に伴い血圧が上がることがあります。

 

また妊娠初期は問題なくても、経過に伴い徐々に血圧が上がることがあり、注意が必要です。この高血圧は妊娠に伴って起こるので、赤ちゃんが生まれて妊娠が終了すると、症状が改善することが多いです。具体的な症状として、頭痛の他にも目がチカチカすることもあります。

 

クモ膜下出血・脳出血

もしもクモ膜下出血や脳出血の場合、「なんとなく痛いな」という程度ではなく、耐えられないほどの激痛があります。初めから激痛ではなく、最初は偏頭痛程度の痛みから始まることが多いです。

 

普段と同じくらいの偏頭痛だと感じていても、嘔吐・呂律が回らない・視野が狭くなっているなどあれば、緊急性が高いです。すぐにかかりつけの産科医に連絡しましょう。そして必要であれば脳外科の受診をします。

 

 

《まとめ》

 

妊娠中に頭痛があると、痛み止めを飲みたくなるでしょう。しかし、痛み止めを飲まずに対処できる方法もあります。まずはそれらの方法を試してみて、改善しないようであればかかりつけの産科医に相談してみましょう。また痛みが強く我慢できない場合は、病気の可能性があるので、早めにかかりつけ医に相談してください。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。

全国都道府県助産師会の会員にて組織されている。

2012年10月1日から公益法人制度改革により公益法人認定法に基づいて公益性を認定され、公益社団法人として新たにスタート。

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