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2022.08.08

産後のイライラはいつまで続く?「ガルガル期」の原因&乗り越え方

約10ヶ月間の妊娠生活を乗り越えると、ついに赤ちゃんと対面です。喜びと幸せを感じる一方で、理由のわからない不安を覚えたり、常にイライラしたり、すぐに気持ちが落ち込んだりと、自身の変化に戸惑うママも少なくないでしょう。ここでは出産後にイライラしてしまう原因や、「ガルガル期」の乗り越え方についてご紹介します。

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産後にイライラ・カリカリする「ガルガル期」とは

産後のガルガル期とは

 

「ガルガル期」とは、出産後にホルモンバランスの変化に伴い、精神的に不安定になる時期をいいます。ママの警戒心や攻撃心が強くなり、気性が荒くイライラ、カリカリしてしまう状態が続きます。

 

産後の「ガルガル期」はいつからいつまで続く?

ガルガル期は、出産後6~8週間頃から発症しやすいといわれています。しかし実際にいつから始まり、いつまで続くのかは個人差があり、誰にもわかりません。育児に少し慣れはじめ、気分転換に少しずつ外出できる、産後1ヶ月以降に落ち着いてくるケースも多いようです。

 

 

なぜ産後はイライラ?ガルガル期の原因

出産後にイライラしやすくなり、自分自身に戸惑いを感じるママは多いようです。出産後の心の乱れは、思わぬ病気が原因になっていることも。症状が悪化して治療が難しくならないように、原因を1つずつ詳しくみてみましょう。

 

産後のイライラの原因1. ホルモンバランスの変化

妊娠・出産・出産後へとわずか1年の間に、ママの体中で分泌される女性ホルモンは目まぐるしく変化しています。ホルモンバランスの変化は、出産後1週間~3、4ヶ月の間がピーク時期といわれています。

このホルモンバランスの変化に伴って起こるのが、「マタニティブルー」です。出産後2~3日頃から、気分の落ち込みや涙もろさなどの症状が現れ、一般的には短期間で改善されます。

 

しかしながらこれとは別に、出産後3~4週以降に以下の状態となり、それが持続する場合は「産後うつ」の可能性が高いです。

◆原因不明の気持ちの落ち込み

◆赤ちゃんに対する関心の薄れ

◆漠然とした不安や焦りなどの精神症状

◆不眠や食欲低下などの身体症状

 

産後うつの症状が悪化すると、育児や日常生活に支障をきたす他、自殺企図に至るケースもあるので注意が必要です。イライラのみではなく、身体に不調がないかをしっかり確認してみましょう。

 

関連ページ

【産後うつ】原因&対策を医師が解説!放置しないで早めに治療を

 

産後のイライラの原因2. 睡眠不足や疲労

赤ちゃんのお世話では、昼夜を問わずに2~3時間ごとの授乳が必要。さらに家事との両立で、休む時間がとれないママは少なくありません。赤ちゃんが泣いて寝ないことで、ママ自身もまとまった十分な休息がとれず、睡眠不足になりがちです。そんな毎日で疲労が蓄積されてストレスとなり、イライラにつながることもあるでしょう。

 

ママの中で終わりが見えず、孤独感がどんどん蓄積されやすいといわれています。またイライラしてしまう自分自身や、可愛いはずの赤ちゃんへ、感情が向かってしまう場合も。ここまで悪化するとなかなか自力で抜け出すことが難しくなるため、早めの対策をとりましょう。

 

産後のイライラの原因3. 育児への不安

核家族化が進んだ現代。赤ちゃんや小さな子どもと関わりを持った経験がないまま、ママになる人も多いでしょう。出産してはじめて赤ちゃんに関わる、という夫婦も増えています。

赤ちゃんとどのように接していいかわからず、さらに困った時の相談相手も見つけられずに悩む人も少なくないようです。

 

インターネットで簡単に多くの情報を集められるのは便利ですが、逆に育児への不安を募らせる要因にもなっています。ネットでの偏った情報をうのみにして、目の前の赤ちゃんの性格や特徴が見えなくなっているケースもあります。

 

 

ガルガル期によくあるママの気持ち

産後のガルガル期のママ

 

ガルガル期に見られやすい、ママの気持ちについて詳しく見てみましょう。

 

赤ちゃんを他人に触られるのを嫌がる

ガルガル期になると、自分以外の人に赤ちゃんを抱っこされたり、さわられるのを嫌がる傾向があります。人によっては、パパでも嫌がることもあるそうです。生まれたばかりの小さな赤ちゃんを「私が守る!」という、母親特有の母性本能が関係しているといわれています。

 

慣れない育児の不安が膨らむ

赤ちゃんを他の人にとられそうで、他の人に育児を任せられない、という気持ちになることも。自分以外の人が赤ちゃんをあやして、赤ちゃんが喜んだり、抱っこされて眠っている姿を見ると、気持ちが落ち込んだり、不安な気持ちになることもあるようです。

これは慣れない育児に対する、自信の無さから現れる心理状態ともいわれます。

 

赤ちゃんに触れる人の衛生状態が気になる

出産後は普段以上に、衛生状態に神経質になるママも多いようです。生後1歳までの赤ちゃんは、免疫がまだ不安定なため、様々な感染症をもらう可能性があります。特に生後6ヶ月1歳までは、赤ちゃんの免疫力が最も低い時期といわれています。衛生状態に神経質になるのも、「私が赤ちゃんを守る!」という母親特有の本能によるものでしょう。

 

些細なことでイライラして攻撃的になる

パパや家族の些細な言動にも、常にイライラしてしまうでしょう。これもガルガル期に多く見られる心理状態です。本来なら協力者となる人にも、ちょっとしたことで攻撃的な態度や言動をとることもあるようです。「赤ちゃんは私が守る!」という、強すぎる母親特有の本能からくるのでしょう。

 

上の子への配慮ができなくなる

ママは生まれたばかりの赤ちゃんのお世話で、毎日いっぱいいっぱいです。上の子は赤ちゃんのお世話を手伝おうとしたり、いたずらしたり、赤ちゃん返りをしたりして、ママの興味を引こうと必死です。

育児や家事で疲労が蓄積されている中で、上の子のそうした気持ちに配慮できなくなり、イライラしてしまうママもいます。

 

 

産後のイライラの対処!ガルガル期の乗り越え方

出産後のイライラは、どのように対処していけば良いでしょうか。少しずつでも解消していけるような、ガルガル期の乗り越え方を紹介します。

 

産後のイライラへの対処1. ひとりで頑張りすぎない

育児も家事もすべてこなそうと頑張りすぎると、疲労やストレスが蓄積されてしまいます。まずは、赤ちゃんとママが快適に過ごせる環境をつくりましょう。

ひとりで無理するのではなく、パパや家族に協力を求めましょう。またファミリーサポートや家事代行サービスなど、上手く取り入れてみるのも良いでしょう。

 

最近では出産した病院で、産後ケアのための入院ができるところもあります。育児はもちろん生活に少しでも困難を感じたら、限界まで頑張らずに周囲に頼りましょう。

 

産後のイライラへの対処2. リフレッシュの時間を確保

どんなに可愛く愛おしい赤ちゃんでも、24時間365日休む間もなく一緒に過ごすと、心身ともに疲れ切ってイライラにつながるものです。パパや家族に協力を求めながら、自分自身に使える時間を確保できるようにしましょう。

ゆっくりお風呂に入る、しっかりと食事をとる、映画や買い物で気分転換をする、美容院に行くなど、少しでもママ自身がリフレッシュすることです。すると赤ちゃんとの関わり方も変わってくるでしょう。

 

産後のイライラへの対処3. 悩みを相談

常にイライラする、攻撃的になるなどの気持ちを、パパや家族など周りの人に話してみましょう。イライラ・攻撃的になりたくないと思っても、なってしまうのがガルガル期です。ひとりで抱え込まずに、子育ての悩みや不安を一つ一つ話してみましょう。話すことで気持ちが軽くなることもあるでしょう。

 

またパパや家族も、悩んでいるママの気持ちを聞くことが大切。ママが攻撃的な言動をとったとしても、現状を理解しましょう。深く傷つくことなく、一緒に乗り越えられるように、今後の対策を考えられるでしょう。どうしても誰にも話しづらいママは、助産師や保健師などに相談してみるのも良いでしょう。

 

育児に関する悩みには、個人差があります。相談した結果、貰ったアドバイスがしっくりこない場合もあるかもしれません。その時は深く考えすぎずに、参考程度に受け止めましょう。

 

関連ページ

 産後うつ予防【産科医師が語る】ママの味方となるサポート体制とは

 

《まとめ》

 

出産後のイライラは、多くのママが感じているもの。イライラが続くと、せっかくの赤ちゃんとの幸せな生活が楽しめないかもしれません。イライラの原因を理解して対処することで、少しずつ改善していきます。

育児は子どもが成人するまで続きます。成長に合わせて様々な悩みが増えたり、減ったりするもの。早めの段階でよき理解者・協力者を見つけ、家族や社会で子育てできる環境をつくっていきましょう。もしも心の不調が長引き、日常生活にも支障をきたす場合は、早めに病院に相談してみましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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