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2022.03.07

あなたのつわり症状は何タイプ?【助産師】原因&対処法ポイント

妊娠すると、ママの身体は妊娠に適応できるよう、ホルモンの変化に伴う不調が現れやすくなります。それにより特に妊娠初期には、戸惑いを覚える方もいるでしょう。なかには普段と違う体調不良が続き、妊娠に気づく場合もあるかもしれません。つわりの症状は人それぞれですが、少なからず妊娠中で最も辛い時期と感じるのではないでしょうか。今回はそのつわり症状について、理解を深めていきましょう。つわりが始まる時期やその原因、対処法などを助産師が解説します。

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つわり(悪阻)とは?症状はいつからいつまで続く?

つわり症状とは

 

つわり(悪阻)とは、早い人で妊娠5週6週目ごろからでてくるといわれています。つわり症状のピークは、妊娠8週9週くらいです。胎盤が完成する妊娠16週頃にはおさまってきますが、つわりの時期は個人差があることを覚えておく必要があります。

なかには、出産ぎりぎりまでつわりで悩まされる人もいます。妊娠期間中は、つわり症状とうまく付き合っていく必要があります。

 

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妊娠中の「つわり」はいつからいつまで続く?症状と対処法【助産師】

 

 

つわりの原因

つわりの原因は実のところ、はっきりわかっていません。ホルモンの変化が関係しているのではないかと言われています。例えば、以下のようなものが挙げられます。

 

・妊娠によって活性化されたホルモンバランスが、嘔吐中枢を刺激する

・ホルモンのひとつであるプロゲステロンが増加し、便秘やガス溜まり、吐き気を引きおこす

・ビタミン不足によって、代謝障害や血糖値の変化を引き起こす

 

つまり妊娠によるホルモンバランスの急激な変化に、身体が順応できずにつわりが起きるということです。これらの他にも、環境による変化や精神的なストレスや不安が、つわり症状を悪化させるといわれています。 

このように、つわりの原因はひとつだけではなく、様々な要因が積み重なって引き起こされているのです。

 

 

あなたのつわりの症状は?5つのタイプと注意点

つわり症状チェック

 

つわりの症状というと、気分が悪くなって吐いてしまう「吐きづわり」を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし実は、つわりには様々な症状があります。

吐きづわり、匂いづわり、食べづわり、眠りづわり、よだれづわりです。症状の出方や時期には、個人差があります。具体的な症状を紹介しますので、自分のつわりタイプをチェックしてみましょう。

 

「吐きづわり」の症状

吐き気が強く、何を食べても吐いてしまうつわりを、「吐きづわり」といいます。ひどいときは水分さえも受けつけなくなり、脱水を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。

 

□吐き気がひどく、1日中気分が悪い

□水分を受けつけない

□身体がだるく、ずっと横になっていたい

□胃液のようなものを吐く

□食欲がない

 

「食べづわり」の症状

「食べづわり」は、何かを口に入れておかないと気持ち悪くなってしまう症状をいいます。常に何か口に入れて空腹を満たさないと症状が悪化するので、初期の急激な体重増加には注意が必要です。

 

□口の中に飴などを入れておくと、吐き気がおさまる

□朝や空腹時の吐き気が強い

□つわり中なのに体重が増加ぎみ

□気持ち悪いが食欲はある

□飴やチョコレートなどを常備しておかないと不安

 

「匂いづわり」の症状

「匂いづわり」とは、特定の匂いを嗅ぐと気分が悪くなるつわり症状です。食べ物だけではなく、場所や動物などの独特な匂いにも敏感になってしまいます。人によってはお風呂場の湯気でも気分が悪くなることがあるようです。

 

□ごはんの炊ける匂いに嫌悪感がある

□街中にでると、特定の匂いが気になる

□公共交通機関の車内の匂いに酔ってしまう

□生ごみの匂いが気になって仕方がない

□スーパーの食品売り場が苦手になった

 

「眠りづわり」の症状

眠気が強い「眠りづわり」は、一見すると他のつわり症状より軽く感じてしまいます。ですが、頭痛や身体のだるさが、眠気と同時に起きる人もいるようです。

 

□十分に寝ても、寝足りないくらい眠くなる

□大事な場面で寝てしまう

□身体がだるく起きることができない

□頭痛やだるさがぬけない

□居眠り運転しそうになった

 

「よだれづわり」の症状

「よだれづわり」は、よだれがたくさん出て飲み込めないほど多いつわり症状です。よだれがたまると気分が悪くなってしまうので、こまめに出すようにしましょう。

 

□いつも口の中が気持ち悪い

□いつの間にかよだれがでてくる

□タオルを持ち歩くくらい、よだれがでてくる

□歯磨きをするとさっぱりする

□よだれがたまると気分が悪くなる

 

 

【症状別】つわりが軽減できる対処法

つわりによって対処法は異なります。症状それぞれの対処法を見てみましょう。

まずつわり全般に共通する対処法は、経口補水液を少量ずつ飲むこと。受け付けられるようなら試してみてください。電解質を補給できて、症状や脱水の状態が改善を助けてくれるでしょう。

 

「吐きづわり」の対処法

1日中むかむかして吐いてしまうと、本当に辛く苦しいですよね。一度にたくさん食べると吐き気を誘発してしまうので、少量ずつ数回に分けて食べるようにしましょう。何度も吐いてしまうと脱水症を引き起こしかねませんので、意識的に水分の多いものを摂取してください。野菜スープ、ゼリー、炭酸水、フルーツやトマトなどは、吐きづわりの人には食べやすい食べ物です。

 

吐きつわりの食べ物

「食べづわり」の対処法

空腹時にむかむかしてしまって、常に何かを食べていないと気分が悪くなる場合は、すぐに食べることができる飴やガム、グミなどがおすすめです。

特に朝の空腹時は血糖値も下がっていて、気分が悪くなりがちです。朝すぐ起きて食べられるように、寝る前にはベッドサイドに軽食を準備しておくのもおすすめです。

 

注意したいのは、カロリー過多になりやすいことです。食べづわりの人は、妊娠初期に体重が一気に増えてしまうことがあるので、ミニトマトやゼリー飲料などを意識的に選ぶようにしましょう。

 

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「匂いづわり」の対処法

特定の匂いに反応してしまう匂いづわりは、時に生活に支障をきたしてしまいます。例えばお風呂の湯気やご飯の匂い、スーパーの食品売り場や、電車の中などが辛いという人もいます。

吐き気を催しそうな匂いを回避するために、マスクを装着しておくことをおすすめします。ハッカや柑橘系のオイルをマスクに垂らして使用すると、軽減する人もいます。相性の良いアロマと出会うと良いですね。(妊娠初期には使用不可のアロマもありますので、使用時は注意ください。)

 

また温かい食べ物は、香りが強くなります。食事の際は冷ましたものを食べると、比較的楽になります。買い物に行くのが辛い場合は、テイクアウトや総菜などを上手に活用しましょう。

 

「眠りづわり」の対処法

一番のつわり対処法は、ゆっくり休むことに尽きます。眠りづわりは、自律神経の乱れによって引き起こされます。ただ単に眠いだけではなく、頭痛やだるさ、精神不安定など様々な症状を併発することがあります。

眠れるときは眠り、自分の好きな音楽を聴いたり、趣味の時間を設けたりしてリラックスするように心がけましょう。どうしても寝てはいけない場面では、顔を洗ったり、簡単に身体を動かしてみたり、会話をしたりして眠気を覚ましましょう。

 

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「よだれづわり」の対処法

よだれづわりは、口の中に唾液がたまって気分が悪くなります。こまめに唾液を出してしまうことがおすすめです。唾液を処理するために、タオルや空のペットボトルを持ち歩いている人もいます。歯磨きや、水を飲んだりすることも効果があります。

 

 

つわり症状で食べられない!でも赤ちゃんは成長する

つわりの症状で思うように食事がとれなくなった時、「赤ちゃんは大丈夫だろうか」「ちゃんと成長しているだろうか」と不安になるかもしれません。妊娠初期は胎動がまだなく、妊婦健診も4週間に1回です。赤ちゃんの成長具合がきちんと目に見えず、心配になるでしょう。しかし、つわりによってバランスよく食事が摂れなくても、赤ちゃんの成長や発達に影響を及ぼすことはありません。

 

つわり中は、食べられるものが限られています。自分の身体と相談し、つわり症状がおさまってから、バランスよく食べるようにするといいですね。ただしつわりが重症化し、妊娠悪阻(おそ)の状態となり、ママの身体が脱水状態になると心配です。

以下を参考に、受診のタイミングを知っておくと良いでしょう。

 

 

「つわりがない」場合も心配しすぎないで

つわりとは、出方や症状の強さには個人差があるもの。実は5人に1人は、つわり症状がないといわれています。つわりはホルモンバランスの変化に順応できない場合に、起こるといわれています。つわり症状がない人は、身体が順応できていると考えていいでしょう。

またつわり症状があっても、それをつわりと感じない人もおり、それはその人の性格や環境の違いといえるでしょう。

 

つわりがない、またはつわりが消失したことで、「もしかして流産?」と不安になることもあるかもしれません。しかしただ単に、個人差が大きいだけなのです。現在は、超音波エコーの検査があります。つわりの有無で判断するのではなく、しっかりと診察を受けると過度に心配する必要はなくなります。

妊娠初期は心配が尽きないかもしれませんが、赤ちゃんを信じてゆったりと過ごしましょう。

 

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つわりで病院に行った方が良いケース

基本的にはつわり症状は、遅くとも妊娠16週頃にはおさまります。しかし中には、かかりつけの産科を受診した方がいいケースもあります。

 

・1日に何度も吐いてしまう

・水分が摂れない

・トイレに行く回数が極端に少なく、量が少なく濃い色をしている

・体のだるさがとれず、1日中むかむかしている

・体重が減少してきている

 

これらに当てはまるようであれば、すぐにかかりつけの産科を受診すべきです。

 

つわりで注意しなければいけないのは、妊娠悪阻(おそ)です。妊娠悪阻はつわりが重症化したもので、0.5~2%の妊婦さんが経験するといわれています。

経産婦に多い傾向があり、放置すると脱水症状だけではなく、意識障害や運動障害を引き起こします。入院まではしなくとも、点滴に通うだけで症状が楽になりますし、漢方薬などの投薬治療も可能です。

 

 

《まとめ》

 

つわりとは、妊娠によるホルモンバランスの変化に身体が順応できないことで起こるといわれています。個人差がありますが、つわり中は食べられるものを食べ、ゆっくり休むことを心がけましょう。もし水分も食事も摂れずに辛い時期が続いたら、我慢をしないでかかりつけの産科を受診しましょう。必要であれば、点滴加療を受けることをおすすめします。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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