赤ちゃんが「後追い」はいつからいつまで?生後何ヶ月がピーク?

赤ちゃんの後追いは、早くて生後5ヶ月あたりから始まります。生後6ヶ月~7ヶ月には大半の赤ちゃんが後追いをし、生後10ヶ月~1歳までにピークを迎えます。そして、1歳~1歳半程度で落ち着く赤ちゃんが多いようです。
しかし、後追いが始まる時期にも終わる時期も、個人差があります。後追いをしない赤ちゃんもいます。兄弟の有無や周囲の環境によっても、後追いの時期は変わります。後追いが始まると大変な時期になり、「いつ終わるのか」と頭を抱えることもあるかもしれません。ですが赤ちゃんの個性であると認識し、温かく見守るようにしましょう。
赤ちゃんが後追いを始める理由
赤ちゃんがねんね期を過ぎ、ハイハイやつかまり立ちができると、行動範囲が広がることで後追いは少しずつ始まっていきます。そしてパパやママなど、身近な存在が自分の視界から消えたとき、追いかけるようにしてついてきたり、泣き出したりします。これが赤ちゃんの後追いです。
赤ちゃんの後追いは成長の証
実はこの後追いは、赤ちゃんの成長の証です。ママなど自分の身近な存在に対しての「信頼」や「愛着」が芽生え、とても特別な存在だと認識し始めるのです。だからこそ、自分の視界からその「特別な存在」であるママがいなくなってしまうと、とても不安になって追いかけてくるのですね。
新生児期はまだ視力も弱く、知らない人と身近な人を区別したり、認識したりする能力があまりありません。しかし赤ちゃんは成長していくにつれて、記憶力や認知力が養われていき、自分にとっての身近な存在を判断できるようになります。
後追いは、自分にとって特別な存在か、それとも他人なのかを理解し始めたことで起こる、赤ちゃんの成長の第一歩なのです。
赤ちゃんの後追いに!ママができる対策

後追いは赤ちゃんの成長過程だとわかっていても、常に後追いをされたら家事もできず、ゆっくりトイレにも行けないですよね。ここでは、赤ちゃんが後追いをするときの対策について紹介します。
後追い対策1. 赤ちゃんから離れる時の声かけ
赤ちゃんが後追いをする理由に、「自分の特別な存在(ママ)が消えてしまうのではないか」といった不安があります。そのため、赤ちゃんのそばを離れる場合は必ず「すぐに戻ってくるからね」「近くにいるからね」と、一言声をかけてあげましょう。
また戻ってきた時には「待っていてくれてありがとう」「戻ってきたよ」と伝えると、赤ちゃんは安心します。言葉はまだ理解できなくても、ママの表情や存在があるだけで赤ちゃんは安心するでしょう。
後追い対策2. 赤ちゃんの名前を呼んで安心させる
もし赤ちゃんが泣いてしまったら、「ママはここにいるよ~!」「すぐ行くからね!」と遠くからでも声をかけてあげましょう。後追いで泣いてしまっても、ママの声を聞けば少し安心して泣き止んでくれるかもしれません。
後追い対策3. 赤ちゃんの好きなおもちゃ・動画
赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを渡したり、タブレットやテレビで好きな動画を見せたりしている隙に、用事を済ませるのも一つの手です。ただし、動画は赤ちゃんにとって刺激がとても強いもの。限定的に使用することとし、だらだらとつけっぱなしにしないようにしましょう。
後追い対策4. ベビーサークルを活用
ベビーサークルの中に赤ちゃんが好きなおもちゃを入れて、遊んでいる間に用事を済ませることもできます。途中でママがいないことに気づいて、泣いてしまう可能性はあるでしょう。しかしベビーサークルの中しか動けないため、大きな事故につながる可能性が低いです。
後追い対策5. 赤ちゃんを抱っこ・おんぶする
後追いが激しくなり、泣かせることでママが気に病んでしまうならば、いっそのこと抱っこやおんぶをするといいでしょう。おんぶをしながら家事をしたり、抱っこしてトイレに一緒に連れて行ったりすると、後追いで泣くことはなくなるでしょう。
後追いにとことん向き合うことはとても大切です。しかし体力と気力に余裕がないと、自分が疲れ果てストレスを感じることも。無理はしないようにしましょう。
後追い対策6. ママ以外の人にあやしてもらう
パパや祖母など赤ちゃんにとって身近な人に、ママに代わってあやしてもらうといいでしょう。赤ちゃんの後追いにストレスや疲れを感じるようであれば、自分以外の誰かと交代してもいいかもしれません。
赤ちゃんは人見知りが始まる時期。泣いてしまうかもしれませんが、しばらく接するうちに少しずつ慣れてきます。誰かに見守られると危険な行動を回避できますので、頼ることも必要でしょう。
後追い対策7. 安全な環境を徹底
赤ちゃんの後追いに、安全対策は必須です。ハイハイで階段をおりようとして転げ落ちたり、転んだ拍子に柱や机の角に頭をぶつけたり、床に落ちているものを拾って口に入れたりすることは、事故の原因になります。後追いで最も気を付けておきたいところです。
階段など高さがあるところにはベビーゲートをしたり、角にクッションをつけたりしてみてください。危険なものが落ちていないか、台所の火元などについても、赤ちゃんの目線になって対策をするといいでしょう。
赤ちゃんの後追いを無理にやめさせようとするのではなく、後追いしても安全な環境を作ってあげることが、対策のひとつと言えるでしょう。
「後追いをしない」赤ちゃんには問題がある?
赤ちゃんの後追いは、確かに成長の証です。しかしこれには個人差があり、後追いをしない赤ちゃんもいます。
「後追いをしないから、もしかして愛情不足?」と不安になるかもしれませんが、一概にそうとも言えません。兄弟の有無や、祖父母との同居など環境の違いや、赤ちゃんの性格にもよります。後追いをする時期も生後6ヶ月~1歳とかなりの差がありますし、後追いの程度も違います。
それから後追いをしていることに、はっきりと気づかない程度の場合もあります。後追いをしないことだけをとりあげ、それをすぐに問題に結びつけるのは少し時期尚早かもしれません。まずは赤ちゃんにいっぱい話しかけましょう。
赤ちゃんが後追いをしない場合
赤ちゃんが後追いをしない他に、なかなか笑わない、表情が乏しい、名前を呼んでも反応しない、視線が合わないなど気になることがあるかもしれません。その時はママ一人で悩まずに、かかりつけの小児科医に相談することをお勧めします。
赤ちゃんの後追いでイライラしてしまう時は?ママができる工夫
後追いがひどくなってくると家事が思うように進まないことや、トイレに行きたいのに行けないことも多いでしょう。そうなると、ついイライラしてしまいがちです。そんな時にはどのような工夫をすればいいのでしょうか。
家事を完璧にしようとしない
ママは赤ちゃんのお世話だけではなく、食事の準備や掃除、洗濯などの家事が山積みです。常に何かに追われて生活しており、その上後追いまでひどくなるとイライラしてしまうことは仕方のないことかもしれません。
家事を完璧にこなそうとするのではなく、「後追いがひどいからできないことは仕方がない」と割り切ることも大切です。たとえば、こんな方法が考えられます。
・ごはんは総菜やデリバリーを利用する
・洗濯もまとめて行う
・掃除の回数も減らす
このように、完璧を目指さず、手を抜きながら家事を行いましょう。
ストレス発散を心がける
自分のストレス発散方法をみつけることも大切です。赤ちゃんが寝ているときや家事の合間に自分の趣味の時間を作ってストレス発散しましょう。時には、おいしいものを食べるのもいいですし、好きなテレビを見ながら適度にストレス発散していきましょう。何よりも大切なことは、ストレスをためすぎないことです。
気にしすぎない
後追いがひどくなると、「どうしていつもついてくるの!」とイライラしがちです。
後追いはいつまでも続くわけではありません。遅くても2~3歳までには終わりますので、泣いていても「今は仕方がない」とある程度受け流すことも大切です。また、すぐに用事を済ませて対応する工夫も必要かもしれません。
イライラしても、赤ちゃんの後追いが終わるわけではありませんので、自分の感情とうまく付き合いながら対応していきましょう。
周りのサポートに頼る
ママは赤ちゃんのお世話だけではなく、しなくてはいけない家事なども沢山あります。しかし、それは決して自分ひとりで抱え込むことではありません。パパや両親などの手を借りることも、時には行政の子育てサポートを利用しながらうまく乗り越えていきましょう。育児や家事を抱え込んで、ママが孤立しないために周囲の人のサポートに頼るということも大切です。
《まとめ》
後追いをする時期には、赤ちゃんを取り巻く環境や性格などによって個人差があります。後追いは赤ちゃんの成長の証と考え、安全を第一に確保しながら対策しましょう。後追いをしないからといって、愛情不足や病気と関連付けるのは時期尚早です。まずは赤ちゃんの成長を見守りましょう。もしも後追いをしない他に、何か気になることがあれば、かかりつけの小児科医に相談するとよいでしょう。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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