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2021.12.10
【助産師が動画で解説】生後1ヶ月の赤ちゃんの寝かしつけのコツ
無事に出産を終えてほっとしたのもつかの間、生後1ヶ月の赤ちゃんが、夜頻繁に起きることに驚く人も多いでしょう。赤ちゃんの睡眠のリズムは、大人のように成熟するまで約2年かかると言われています。また月齢の浅い赤ちゃんは、栄養面でも1回に飲める量が少ないため、夜間も含めたびたび授乳する必要があります。
この時期のママの悩みとして多いのが、赤ちゃんが寝ないこと。「なぜ寝ないのか?」「どうしたらうまく寝かしつけができるのか?」について、生後1ヶ月頃の睡眠の特徴と、寝かしつけの解説をします。なかなか寝てくれないと悩む人は、ぜひ参考にしてください。寝ない理由には、必要な授乳量が飲めていないことや、どこか体調が悪いことなども否定できません。寝ない以外にも気になること心配なことがあれば、医師や助産師に相談しましょう。
目次
生後1ヶ月の赤ちゃんが寝ないのはなぜ?
生後1ヶ月の赤ちゃんが頻繁に起きてしまう原因は何でしょうか。実は、睡眠サイクルの未熟さ、哺乳機能の未熟さが影響していると考えられます。
赤ちゃんが寝ない理由1. サーカディアンリズムが未熟
胎児のときは、20分おきに寝たり起きたりを繰り返しています。生まれてから生後3ヶ月~4ヶ月頃までに、それまでに過ごした生活環境の影響を受け、睡眠のリズムが決まってくるようです。そして生後2年程で、大人と同じような睡眠パターンになることがわかってきています。
またヒトのサーカディアンリズムは、24~25時間とされています。セロトニンとメラトニンという、脳で合成されるホルモンによって調整され、毎日同じような時間に眠くなると言われています。調整のキーとなるのは光です。朝の光は、日内リズムを縮めると言われ、夜の光を受けると日内リズムは延長すると考えられています。
生後1ヶ月という生まれてすぐの赤ちゃんの場合は、まだお腹にいたときに経験していたママの生活リズムの影響を受けていることがあります。
赤ちゃんが寝ない理由2. 哺乳機能が未熟
一般的に、赤ちゃんが必要な栄養を摂るためには、24時間に8回以上の授乳が必要と言われています。しっかり一回量を飲める赤ちゃんの中には、夜まとめて寝るようになる子もいます。ですが一回量が少食の赤ちゃんは、夜も何回か起きて授乳する必要があります。ただし生後1ヶ月の時期は、まだ一晩通して寝ることはないと思ったほうが良いかもしれません。
産後ママの身体も不思議と、細切れの睡眠でも効率的に休息を取れるようになっています。出産前、たびたび夜に覚醒してしまう人もいたと思います。ママには、産後の頻回授乳を見越した体の変化が起こっているのです。
動画【助産師の解説】生後1ヶ月赤ちゃんの寝かしつけ
ここからは、生後1ヶ月の赤ちゃんの寝かしつけの方法を紹介します。まだこのころは抱っこ、授乳、おむつ交換、睡眠で、24時間の大方の時間がすぎてしまう時期。赤ちゃんがたびたび起きて不機嫌だったり、ママ自身も不眠感や疲労感が強い場合は、赤ちゃんが十分な哺乳量を飲めているか、体調不良がないかも含めて、医師や助産師に相談することをお勧めします。
生活を整える工夫もありますので、ぜひ聞いてみてくださいね。では寝かしつけのちょっとしたコツを、動画で説明したいと思います。
生後1ヶ月「抱っこでの寝かしつけ」のコツ
赤ちゃんが母乳やミルクを飲んでいて、そのまま寝てしまうこともあるでしょう。そして、寝ているからと赤ちゃんをベッドや布団に置くと、すぐに泣き出してしまうといった経験がある人も多いでしょう。
生後3ヶ月まではモロー反射という反射が起きます。姿勢の変化や音などによって、ビクッとして泣いてしまうことが多く、連続した睡眠を妨げる原因の一つです。またたくさん飲んでいても、フラットな場所で仰向けに寝かせると泣いてしまうことも。この場合はいわゆる「背中スイッチ」対策が必要です。毎回成功するのは難しいかもしれませんが、参考にしてください。
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生後1ヶ月赤ちゃんの寝かしつけ環境&グッズ
生後1ヶ月ごろの赤ちゃんの寝かしつけを、スムーズにするコツをご紹介します。まずは、環境を整えましょう。
赤ちゃんが寝てくれる環境づくりのコツ
新生児の間は1〜3時間に1回授乳をするため、昼夜のリズムはまだありません。しかし今後を見据えて、昼と夜の睡眠環境を整えるように意識しましょう。
※この時期は、夜間も何度か泣いて授乳する時期です。「寝かしつけ」は夜通して寝ることを訓練させる、という意味ではないことはご注意ください。
具体的には、以下のような行動がおすすめです。
・朝6〜7時以降、外が明るくなったタイミングでカーテンを開け、朝日を浴びる
・寝る前に部屋を暗くする
・眠りそうになったら、暗い部屋に移動する
・夜起きたときは常夜灯もしくは明かりを暗めにする
・抱っこからベッドや布団に寝かせるチャレンジをする
昼夜のリズムがついていなくても、夜は暗く眠る時間で、朝は明るく起きる時間ということを意識して環境を整えましょう。すると今後の寝かしつけが、スムーズにできることが多いです。
赤ちゃんが眠るためのルーティーンづくり
上記のような環境の整備も、眠りまでのルーティーンの一つ。さらにタイムスケジュールをある程度立て、「これをしたら寝るんだ」という流れを作ることも、赤ちゃんが寝る気持ちになるコツです。赤ちゃんが激しく泣いてしまう前に、眠りのルーティーンを実践してあげると良いでしょう。激しく泣いてしまうと、脳が興奮してなかなか眠りにつけないことがあるためです。
また入浴もその一つです。入浴による体温の変化や、すっきり感と心地よい疲労は、眠りを誘います。また音楽もルーティーンになります。この曲がかかると落ち着く、この歌を歌ってあげると落ち着くなどあるかもしれません。
そしてこの時期は、ママだと泣いてしまうけれど、ママ以外だと泣き止む場合もあります。ママの抱っこが嫌だというよりも、他の人の抱っこで切り替わるきっかけにもなります。子育てを一緒にしてくれる家族がいれば、協力してもらってください。
寝かしつけにおすすめのグッズ3選
睡眠環境を整えることも大切ですが、それだけではなかなか寝てくれないこともあるでしょう。そんなときに役立つ、寝かしつけにおすすめのグッズを紹介します。
■おくるみ
おくるみは赤ちゃんをしっかりくるむだけでなく、外出やお昼寝の時のタオルケット代わりに使用したりと、用途が沢山あります。おくるみでしっかり赤ちゃんを包む「おひなまき」をすることで、赤ちゃんの寝かしつけに以下のメリットがあります。
・お腹にいた時と同じ姿勢になり、安心する
・モロー反射を抑える
・抱っこから同じ姿勢のまま寝かしつけができる
・仰向けのままの姿勢で寝かしつけができるので、SIDS(乳幼児突然死症候群)の予防になる
くるむ時は暑すぎないように配慮し、赤ちゃんの動きを制限するほどの強さにならないようにしましょう。また股関節に気を付けて包んであげましょう。
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■抱っこ布団
赤ちゃんを寝かしつけてもすぐに起きてしまう、「背中スイッチ」対策の商品です。抱っこ布団に赤ちゃんを寝かせ、布団ごと赤ちゃんを抱っこして使用します。
赤ちゃんを抱っこしたままの状態で寝かしつけができ、そのままベッドや布団に寝かせることで、途中で起きる心配が少なくなります。形や大きさも種類があるので、好みに合わせて選んでください。
■レジ袋も使える!?
レジ袋をクシャクシャとした音は、お腹にいた時の音と近いホワイトノイズと言われます。そのため、寝かしつけに役立つこともあります。
《まとめ》
睡眠のリズムがそもそも大人とは異なるため、赤ちゃんと生活するのは大変なことです。赤ちゃんが外の世界に慣れるには、一定の時間は必要ですが、周囲の大人が先導して良い流れを作ってあげることが大切です。産後のママの身体は、細切れの睡眠で体力を回復しやすいという特性があります。ただし緊張はずっと続きます。赤ちゃんが不機嫌で寝てくれない日々には、ママもパパも家族みんなの負担が大きくなり、身体的にも精神的にも、つらくなってしまうこともあります。赤ちゃんが健康に成長しているかを専門家と確認しながら、なるべくスムーズに寝てくれるように、様々な方法を試してみてください。
※写真提供:PIXTA
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監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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