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2021.07.25

妊娠中の貧血の原因は?【助産師】セルフチェックとおすすめの食べ物

妊娠すると貧血になる妊婦さんも多いです。今回は妊娠中に貧血になりやすくなる原因について、助産師が分かりやすく説明します。妊娠中にできる貧血症状のセルフチェック、貧血予防のおすすめ食材についてもまとめました。

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妊娠中に貧血になりやすくなる理由

 

妊娠すると、妊婦さんの体には様々な変化が起こります。その中でも貧血は多くの妊婦さんがなりやすい症状の1つです。妊娠中に貧血になりやすい理由は以下の2つです。

 

妊娠中の貧血の原因1. 血液量が増えて薄まる

妊娠すると、赤ちゃんに栄養や酸素を行き渡らせるため、妊婦さんの血液は1.5倍の量に増えます。血色素も増えますが、それ以上に血漿量が多くなり、妊娠前よりも薄まったサラサラの血液状態(妊娠水血症)になります。

 

妊娠中の貧血の原因2. 栄養素が赤ちゃんに優先される

妊婦さんの栄養は、優先的に赤ちゃんへ運ばれる仕組みになっています。妊娠中はママの鉄分は赤ちゃんに届くので、妊婦さん自身の鉄分が足りない状態になります。

 

 

妊娠中の貧血症状とセルフチェック方法

妊娠中は貧血になりやすい状態ですが、貧血が悪化すると治療が必要な場合があります。以下のような症状がないか、まずはセルフチェックをしてみましょう。

 

□頭痛

□立ちくらみ

□吐き気

□動悸

□息切れ

□めまい

□だるい、疲れやすい

□顔が青白くなる

□脈が速くなる

 

このような症状がある場合は、かかりつけの病院に相談しましょう。症状がひどい場合は直ちに受診しましょう。

 

妊娠中の貧血が悪化すると起きる症状

妊娠中の貧血がさらに進行すると、脈拍が速くなったり遅くなったりする不整脈や、失神、低血圧になることがあります。

 

妊娠中の貧血が及ぼす赤ちゃんへの影響

鉄分は体中に酸素を届ける働きをしています。貧血になると妊婦さんの体は酸欠の状態になります。さらに赤ちゃんは妊婦さんの血液から酸素を受け取っているので、赤ちゃんも酸欠の状態になるのです。

妊娠中の貧血が悪化すると、赤ちゃんの脳の発達に影響が出たり、低出生体重児や未熟児の原因になる場合もあります。また、早産や分娩後の母体感染のリスクも高まります。

 

 

妊娠中の貧血対策におすすめの食べ物

 

妊娠中の貧血予防のため、積極的に摂取したい食材をまとめました。

 

貧血対策にはビタミンCを摂取

ビタミンCは鉄分の吸収率をアップさせる栄養素です。鉄分を多く含む食材と組み合わせることでその効果が発揮されます。ビタミンCを多く含む食材は野菜、果物、芋類など以下の8つです。

 

・赤ピーマン

・ブロッコリー

・キウイフルーツ

・いちご

・かぼちゃ

・じゃがいも

・ほうれん草

・小松菜

 

ビタミンCは水溶性のビタミンで、必要以上に摂取すると尿と一緒に体の外へ排出されます。一度に沢山摂取するのではなく、毎日こまめに摂り続けることが大切です。

 

魚介類・レバーで鉄分とビタミンB12を摂る

赤血球という血液の組織の中のヘモグロビンは、血流に乗って全身に酸素を行き渡らせる働きがありますが、ヘモグロビンを作るために鉄分の摂取が必要になります。

赤血球の数を増やすためにはビタミンB12を摂取しましょう。鉄分とビタミンB12を多く含む食材は魚介類とレバー、卵です。

 

・牡蠣

・しじみ

・あさり

・のり

・鮭

・まいわし

・かつお

・レバー(牛、鶏、豚)

・卵

 

レバーにはビタミンAも豊富に含まれています。これは過剰に摂取すると胎児の形態異常につながる可能性があるため、摂りすぎに注意です。週に1~2回程度にとどめておきましょう。

 

貧血予防にはよく噛んで鉄分の吸収率アップ

胃酸は鉄の吸収率をアップすると言われています。食事をよく噛んで食べるのも貧血予防に効果があるのでお勧めです。

 

妊娠中には鉄分を含むおやつやドリンクも

鉄分の豊富な食材を使って、毎日の食事に気をつけて摂取するのは理想的ですが、なかなかそうはいきませんよね。そんな時は頑張りすぎずに、鉄分の含まれたおやつやドリンク、プロテイン、サプリなどを利用するとよいでしょう。

 

妊娠中の貧血予防で控えたい食べ物

鉄分の吸収を阻害したり、鉄分を体の外に排泄してしまう食材があります。妊娠中の貧血予防のために、なるべく控えましょう。

 

タンニンを含む飲み物

 

緑茶、紅茶、烏龍茶、コーヒーのようなタンニンを含む飲み物は、食事中や食後は控えましょう。タンニンが鉄と結合して鉄の吸収率を悪くします。

 

不溶性食物繊維を含む食べ物

 

玄米、おから、ふすまなどの不溶性食物繊維を含む食べ物は、鉄と一緒に体の外へ排泄されてしまいます。

 

添加物のリン酸塩を含む食べ物

 

ハムやソーセージ、かまぼこなどの練り製品、加工食品や清涼飲料水、スナック菓子などに含まれる添加物のリン酸塩は、鉄の吸収を阻害します。添加物の多い食品の摂取は控えましょう。

 

 

《まとめ》

 

妊娠すると、赤ちゃんや子宮にたくさんの血液を送るため、血液の水分量が増えて血液が薄まった状態になります。妊婦さんの鉄分を赤ちゃんに優先的に与えるため、貧血になることもあります。立ちくらみや頭痛、めまいなど貧血の症状を自覚するときは、かかりつけの病院に相談しましょう。また普段の食事で、鉄分を多く含む食材と吸収率をアップさせる食材を組み合わせて、貧血を予防しましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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監修者

山手 実佳 先生

助産師

国立福山病院附属看護学校卒業後、看護師として勤務。
第二子出産後、岡山大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻に進学し、助産師免許取得。
大学の非常勤講師、産婦人科病院、不妊治療専門クリニックなどで勤務。
現在は助産院勤務しながら、自身の出張・オンライン専門のすまいる助産院を開業中。産前産後の身体と心をサポートしてます。

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