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2021.07.02
食べづわりを乗り切る対処法【助産師おすすめの食材まとめ】
空腹になると気持ち悪くなってしまう「食べづわり」に悩まされる妊婦さんは多いですね。今回は、食べづわりの原因、症状をやわらげる対処法、おすすめの食材や食べ方について助産師が説明します。
目次
食べづわりとは
食べづわりとは、空腹のときに吐き気がしたり、気分が不快になるつわりの症状の一つです。
食べづわりの原因
食べづわりは妊娠によるホルモンバランスや、血液の電解質バランスが変化することによって起こります。
■血液の電解質バランスの変化
妊娠すると、血液電解質のバランスが変化します。血液中のマグネシウム値とカリウム値が低下し、つわりの時期にはカルシウム値が高くなる傾向にあります。この血液電解質のバランスの変化によって胃液の分泌が多くなり、胃のムカムカや吐き気が出現します。
■ホルモンバランスの変化
妊娠によってホルモンバランスは大きく変化し、それに体が適応しきれないためにつわりが起きると言われています。妊娠を継続するためのホルモンが脳内にある嘔吐中枢を刺激することで吐き気が出ます。
プロゲステロンという黄体ホルモンが増えることで体内にガスが溜まりやすくなり、吐き気や不快感の原因にもなります。
食べづわりの症状の特徴
上記のような状況の中、空腹になることで血糖値が下がり、吐き気が強くなるのが食べつわりの特徴です。
血糖値が下がる前に食べ物を摂取しておかないと気持ち悪くなってしまうため、常に何かを口にしていないといけません。1日の総摂取カロリーがオーバーしてしまい、急激な体重増加につながる場合もあります。
食べづわりをやわらげる対処法4つ
食べづわりを少しでもやわらげるために、できる方法を紹介します。
食べづわり対処法1:食事を小分けに
食べづわりは血糖値が下がると吐き気が強くなるため、血糖値が下がらないように食事を小分けにしましょう。いつもの1回分の食事を半分にして2回に分け、1日5〜6食にするのもおすすめです。また、よく噛んでゆっくり食べましょう。
食べづわりの妊婦さんはこの時期、急激に体重が増加することが多いため、摂取カロリーに関してはある程度気にしながら食べられるとよいですね。カロリーの低いものや、ガムやするめなど、長く口に入れておけるものもおすすめです。
食べづわり対処法2:すぐ口にできるものを準備
朝の寝起きが一番血糖値の低くなる時間帯です。枕元に飴やクラッカー、水分など、すぐ口にできる食べ物を準備しておくと安心です。
また、仕事中は脳をよく使うため血糖値が下がりやすいので、仕事の合間をぬって間食ができるようにしておくのもよいでしょう。その場合は、自分のつわりの状態、その対策として間食していることを他の人にも説明しておきましょう。
食べづわり対処法3:こまめに水分補給
体の中の水分が不足すると、吐き気を悪化させると言われています。妊娠すると血液や羊水に水分が必要になるため、妊娠前よりもより多くの水分を摂る必要があります。常温の水や温かい飲み物を少量ずつ飲みましょう。
つわりの時期は血液の電解質バランスが崩れていることが多いので、マグネシウムやカリウムが豊富な麦茶やスポーツ飲料がおすすめです。水分を十分に摂取できず、体重が激減したり動けないくらいの状況であれば、電解質とビタミンが入った点滴の治療もありますので、かかりつけの病院に相談しましょう。
食べづわり対処法4:気が紛れることを
食べることを気にしすぎてストレスとなり、より症状が悪化してしまうこともあります。他に集中できることや気が紛れることを無理せずやってみると、気分転換になってよいでしょう。仕事、簡単なパズル、外の空気を吸うなど無理のない程度で気が紛れそうなことを試してみましょう。
おすすめ情報
食べづわりにおすすめの食材・食べ方
食べづわりを楽にするといわれている栄養素は、水分、ビタミン、電解質です。それらを豊富に含むおすすめの食材・食べ方をまとめました。
食べづわりにおすすめ「バナナ」
バナナは妊娠初期に必要な栄養素が豊富な食材です。バナナに含まれているマグネシウムは吐き気の元になるカルシウムを抑えてくれる働きがあります。ビタミンCは鉄分の吸収を促すため、貧血になりやすい妊娠期におすすめ。低カロリーで食物繊維も豊富なため、腸の動きが弱まって便秘になりがちな妊娠初期にピッタリな食材です。
食べづわりにおすすめ「しょうが」
生姜の成分である、ジンゲロール、ショウガオールは吐き気を抑える作用があることがわかっています。生姜湯やジンジャーティー、スライスしたしょうがを砂糖で煮詰めたシロップでジンジャエールなどを作って、積極的に摂取してみましょう。
食べづわりにおすすめ「スムージー」
スムージーは少量でたくさんの栄養素が摂れるのでおすすめです。食べづわりにおすすめなスムージーはバナナと豆乳が基本のスムージーです。バナナに含まれているビタミンB6は吐き気を抑え、豆乳に含まれているビタミンB1は体のだるさを軽減してくれます。
その基本のスムージーに、ヘンププロテインを入れるとタンパク質とマグネシウムや亜鉛などの電解質がプラスされるため、妊娠初期に必要な栄養素が全て手軽に摂取することができます。葉酸が豊富な小松菜やカリウムが豊富な果物を追加したり、自由にアレンジをして楽しみましょう。
《まとめ》
食べづわりは、空腹時に血糖値が下がり、吐き気が強くなるのが特徴です。少量を何回かに分けて食事を摂ったり、空腹時にすぐ口にできるものを準備し、水分補給をこまめにして対処していきましょう。また、吐き気を抑える食材を上手に使って、つわりの時期を乗り切りましょう。
※写真提供:PIXTA
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国立福山病院附属看護学校卒業後、看護師として勤務。
第二子出産後、岡山大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻に進学し、助産師免許取得。
大学の非常勤講師、産婦人科病院、不妊治療専門クリニックなどで勤務。
現在は助産院勤務しながら、自身の出張・オンライン専門のすまいる助産院を開業中。産前産後の身体と心をサポートしてます。
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